新宿90スナップ
伊勢丹の新宿出店90周年を記念して。
新宿で生きる人、働く人、遊ぶ人。
新宿にゆかりのある方々90組に、新宿の“好きな場所”を紹介してもらい、
その場所でスナップ写真を撮影しました。
一人ひとりの想いが詰まった写真を通して、新宿のまちのディープな魅力が伝わり、
あなたにもっと、好きになってもらえますように。
伊勢丹の新宿出店90周年を記念して。
新宿で生きる人、働く人、遊ぶ人。
新宿にゆかりのある方々90組に、新宿の“好きな場所”を紹介してもらい、
その場所でスナップ写真を撮影しました。
一人ひとりの想いが詰まった写真を通して、新宿のまちのディープな魅力が伝わり、
あなたにもっと、好きになってもらえますように。
新宿90スナップ SPECIAL INTERVIEW #1
動画は全8本ございます。
伊勢丹公式チャンネルよりご覧ください。
藤井 隆(コメディアン)
新宿生まれ気取り
藤井 隆(コメディアン)
僕にとって初めての新宿は、吉本新喜劇の東京公演でした。歌舞伎町のど真ん中にあった劇場「シアターアプル」での公演だったんですが、まさに東京の大都会。ホテルと劇場を移動するだけでもドキドキしていました。当時は、歌舞伎町の「ドン・キホーテ」がまだ「大和銀行」だったんですが、大阪の銀行なのですごく安心感があって、「何かあっても、あそこに行けば大丈夫」と心強く感じたことを覚えています。
「伊勢丹新宿店」は憧れの場所でしたが、そのときは勇気がなくて行けなくて。その後「スタジオアルタ」で週末だけ吉本新喜劇の寄席スタイルの公演をやることになり、ようやく心の準備ができて足を踏み入れることができました。薬師丸ひろ子さん主演の映画『セーラー服と機関銃』の有名なラストシーンが撮影されたのが伊勢丹の目の前なこともあって、僕にとってあの場所は本当にサンクチュアリ。実は未だに伊勢丹の前を通るときは軽く頭を下げてしまうし、意味なく写真を撮ってしまうんです(笑)。
新宿といえば「ルミネtheよしもと」も、できたばかりの頃から出演している思い出深い劇場です。僕を育ててくれた大阪のNGKとはシステムが違って、月1回ほどしか出番がないので、毎回初演のようなフレッシュな気持ちで出演していました。大好きな先輩方が座長で、仲間や後輩たちとテレビの現場とはまた違った一日が過ごせるのもよかったですね。僕は舞台の一期一会な感じが好きで、その集大成が吉本新喜劇だと思っているので、何があっても楽しく過ごせるところです。
ルミネtheよしもと
新宿区新宿3丁目38-2 ルミネ2 7F
TEL 03-5339-1112
坂本美雨(ミュージシャン)・なまこちゃん
三世代で通うデパート
坂本美雨(ミュージシャン)・なまこちゃん
「伊勢丹新宿店」には、幼いころから母に連れられて兄とよく遊びに来ていました。ショッピングに夢中になってスタスタと進んでしまう母を、大人たちをかき分けるようにして追いかけていった記憶があります。私たち子どもはすぐ退屈してしまうので、館内を歩きまわって散策していたのが懐かしいですね。「はぐれたら地下のジューススタンドで待ち合わせね」とか、「怖くなったらお姉さんに言って、呼び出しをしてもらってね」とか、伊勢丹新宿店にいるときの母子のルールのようなものもいくつかありました。この大階段は、そうやって母を待つ間の格好の遊び場のひとつ。床や壁に使われている石の中に隠れたアンモナイトの化石を探したり、「グリコ」「チョコレート」「パイナップル」のじゃんけん遊びをしたり…。ひんやりしていて気持ちがよくて、たくさんの時間を過ごした場所です。
昔はデパート自体がエンターテイメントだったと思いますし、目的がなくてもぶらぶらしに行くことがあった気がしますが、最近は役割が変わってきて、お目当てがある時に訪れていますね。ちょっと特別なお菓子とか、美味しい差し入れを求めて行くことが多いです。親子三世代で親しんでいる、思い入れのあるデパートです。
伊勢丹新宿店 本館 階段アンモナイト
新宿区新宿3丁目14-1
TEL 03-3352-1111(大代表)
菊地成孔(音楽家・文筆家)
ゼイタク
菊地成孔(音楽家・文筆家)
生まれて初めて行ったデパートが「伊勢丹新宿店」だったし、その後も、家族と一緒にデパートにゆくのは必ず「伊勢丹新宿店」でした。「新宿ピットイン」をはじめジャズカルチャーがあるし、「紀伊國屋書店」に本を買いに⾏くことも多かったし、ずっと親しみのある街です。ラスベガスのようにこの街にすべてがあって完結しているところが新宿の魅⼒。歌舞伎町のような狭いエリアに、キャバクラ街やホストクラブ街が共存しており、そこからちょっと歩いて都庁に行けるというのも⾯⽩いと思います。そして、デパートの徒歩圏内に住める街だというのも僕が新宿を好きな理由。銀座や渋⾕だとそうはいかないですが、新宿であれば歩いて伊勢丹新宿店まで⾏けるところに住むことが可能なんです。
歌舞伎町に住んでいたころは、毎⽇伊勢丹新宿店に⾏っていました。 僕はそんなに贅沢が好きということもないんですが、「ああ、贅沢したな」と思う数少ない経験は、伊勢丹新宿店の「グランドカーヴ」に⾏って、売り場の奥にあるセラーで高価格帯のワインを買うことです。お店の⽅に「シュヴァルブランの90年代あります?」と聞くと、スッと階下へ案内してくれるんですが、狭くて密閉されていてヨーロッパの図書館のような雰囲気があって、欲しいものを伝えると鍵をカチッと開けて取り出してくれるんです。世の中には⾼価なものは天井知らずですが、僕にとっては、ここでいいワインを買う、ということが頂点です。贅沢な気持ちのなかに多少の背徳感がある、相反する想いを抱かせてくれますね。伊勢丹の徒歩圏内に住めること⾃体が贅沢で、いつでも好きなときに⾏けるというのも贅沢なんですが、やっぱり⽇常化すると意味が違ってきます。でも「グランドカーヴ」だけは、⾃分がたまにしか⾏かないという希少性もあって、伊勢丹新宿店の中で、いつでも特別贅沢な気分にさせてくれる場所です。
伊勢丹新宿店 本館地下1階 グランドカーヴ
新宿区新宿3丁目14-1
TEL 03-3352-1111(大代表)
井浦 新(俳優)
ここは人生に彩りをあたえてくれる街
井浦 新(俳優)
「テアトル新宿」は僕の恩師である若松孝二監督のメイン館でもあるので思い出深く、庭のような存在です。プライベートで映画を観に来ることもありますし、演者として映画人の方々や観客の方たちとのさまざまな景色が蘇ってくる場所です。若松監督の作品は決まってここが封切りだったので、何度も一緒に舞台挨拶に立たせていただいたのもいい思い出です。僕が若松監督から言われて、今でも俳優としての指針になっているのが、「映画館を満席にできる俳優になりなさい」という言葉。僕が30代前半だった出会ったばかりの頃に言われて以来、その言葉を胸に作品と向き合っています。「テアトル新宿」でもその景色を若松監督と一緒に見ることができたのはすごくうれしかったです。
新宿は、僕にとってはずっと親しみのある場所。小さいころ休みの日に家族で「伊勢丹新宿店」に行って買い物をして、地下でおいしいものを買って帰ったり、学生になってからは映画館やレコード屋巡りをしたり…、好きなカルチャーが全部詰まっている場所です。そんな「伊勢丹新宿店」に、僕が手がけたサステナブルコスメブランド〈Kruhi〉のポップアップで店頭に立たせていただいたことは想像もしなかった出来事でした。小さいころから親しみがあり、たくさんの思い出がある店に「井浦」というスタッフ用の名札をつけて立つことができる日がくるなんて、感慨深かったです。
テアトル新宿
新宿区新宿 3丁目14-20 新宿テアトルビル B1F
TEL 03-3352-1846
入山法子(女優・モデル)
好き。
入山法子(女優・モデル)
新宿は、流行りのものもあれば、ちょっと雑多なところやオタクっぽいところがある独特の雰囲気が好きで、10代の頃からよく遊んでいる街です。高校時代は新宿が通学経路だったので、放課後にスカートをちょっと短くしてプリクラを撮りに行ったり、大学では空間デザインを学んでいたので世界堂に画材を買いに行ったり、伊勢丹のショーウィンドウの展示替えするところをずっと眺めていたり…。ライフステージにあわせて新宿でやることは変わっていますが、ずっと遊び場のような存在です。
大人になってからは、映画を観たり、ショッピングをしたり、肩肘張らずに飲みたいときに足を運ぶ街になりました。今日撮影した界隈は、一時期本当によく通っていたエリア。映画関係のスタッフの方に「三島由紀夫が愛したお店があるよ」と、「どん底」に連れてきていただいたのがきっかけで、そこからいろいろ新しいお店を開拓していきました。雰囲気もお料理も大好きな「どん底」、何を食べてもおいしい中華の「九龍」、最後にもう一杯飲みたいときに立ち寄る「BarBaoBab」…、どのお店も気楽に楽しめるところが魅力ですね。なぜか新宿三丁目で飲んでいると普段よりお酒が進むので、行くとつい何軒かハシゴしてしまいます(笑)。
新宿三丁目
渋谷龍太(SUPER BEAVERヴォーカル)
ただ楽しくいられる場所
渋谷龍太(SUPER BEAVERヴォーカル)
僕にとって新宿は、生まれ育った街。若い頃はそこまで特別な気持ちを抱くことはなかったんですが、ツアーなどで全国各地を回ったり、地元の方々と接する機会が増えるとともに、新宿に対して郷土愛に近い感情を抱くようになりました。いろいろなところでかなり濃く影響されているし、そもそも自分を形成するものだと改めて感じています。やっぱり新宿に帰ってくると安心するし、地元のものはたいてい好きだし思い入れもあるんですよね。お酒を飲んでいても心が休まる瞬間があって、これまでなかった気持ちが芽生えています。
ゴールデン街に通うようになって5年ぐらい。お酒を飲む日は、自然と足が向いてしまいますね。ここに行けば誰かしらに会えて、ただ楽しくお酒を飲むことができる貴重な場所です。ゴールデン街ならではのグルーヴ感があって、行くと必ずといっていいほど新しい出会いがあるので、「ゴールデンダスト」からスタートして、何軒かはしごすることも。どの店も、最初は少しだけ入りづらいけど、排他的な空気はなくて、そこも居心地のよさを感じる理由のひとつ。一緒に飲むなかで、きっとどうしようもないなと思う瞬間がお互いたくさんあると思うけど、それすらも愛おしいと感じます。
ゴールデンダスト
新宿区歌舞伎町1丁目1-8
新宿ゴールデン街3番街
平野紗季子(フードエッセイスト・フードディレクター)
心を照らしてくれるもの。
平野紗季子(フードエッセイスト・フードディレクター)
東京は時空のパッチワーク感のある街だなと思います。絶え間ないスクラップ・アンド・ビルドによって、新しいものと古いものが混在しているじゃないですか。その時空の歪みを徒歩でまたぐときのぞくぞく感がたまらないんです。新宿はまさにそう。新しいものもあるし、ちょっと裏に入るだけですごく古い時空がうずくまっているような路地もあるし、伊勢丹のようなきらびやかなものもあって、そうかと思えばとたんに猥雑なエリアもある。多種多様な時空や文化がパッチワークされている感じと、その差異が徒歩でまたげる距離に凝縮されているところに街のダイナミズムを感じます。
「MOON mica takahashi COFFEE SALON」は、心が枯れてしまいそうなときに行きたい気持ちが高まる店。ここに行けばすべてを癒してもらえる。もう何も感じられないくらい疲れ果てていたとしても、おいしい甘いものを食べて、おいしい飲み物を飲んで過ごすうちに「自分にもまだ何かを感じる力が残っていたんだな」と思えるようになっている。この店で心がまた色づいていく瞬間がわかるし、そういうものを取り戻させてくれる場所です。
MOON mica takahashi COFFEE SALON
新宿区四谷4丁目28-16 吉岡ビル3F
小谷実由(モデル)
島田大介(映像作家・写真家)
ジャズと、お酒と、コーヒーと
小谷実由(モデル)
島田大介(映像作家・写真家)
10代のころの私にとって、渋谷や原宿はおしゃれな人ばっかりで憧れが強すぎて、緊張して足を踏み入れることができない街でした。それに対して新宿は、本当にいろんな人がいるので自分もそこに溶け込める気がして、安心して行ける街だったのを思い出します。20代になってこの近くに住むようになって、それからさらに新宿との距離が縮まった感じがしますね。
喫茶店が多いのも、私が新宿を好きな理由のひとつ。「DUG」は、遅くまでやっていることもあって、このあたりで食事をした後によく訪れます。ジャズバーだけどコーヒーも飲めるので、まだお酒を飲みたい人と一緒でも共存できるし、おしゃべりも楽しめるし、夜に落ち着くことができる貴重な存在。誰でも受け入れてくれる新宿らしいお店だと思います。(小谷実由)
カルチャーを感じる場所や、昔の匂いがすごく好きなので新宿に惹かれます。この「DUG」もそうですが「どん底」など、昔の著名人が通ったといわれる店がまだ結構残っていて、どこも歴史はあるのに敷居が高いわけではないところが心地いいですね。
アジアから友人や知人が来日するとここに連れて来ることが多いんですが、こういった歴史のあるジャズバーは珍しいので、喜んでもらえますね。ジャズが聴けて、ゆっくり会話ができて、お酒もお茶も飲めて…、すごく落ち着ける場所です。(島田大介)
ジャズ喫茶&バーDUG
新宿区新宿3丁目15-12
TEL 03-3354-7776
OKAMOTO’S
ここが無ければ今の自分達は居ないと思う。
OKAMOTO’S
オカモトショウ(Vocal)・オカモトコウキ(Guitar)・ハマ ・オカモト(Bass)・オカモトレイジ(Drums)
今回撮影した「新宿 red cloth」は、自分たちがインディーズのときからホームにしていたライブハウス。まだ高校生だった17歳で初めて出演させてもらって、以来ずっとお世話になっている存在です。インディー版のアルバムをレコーディングしたのもこの場所でした。営業後の夜中、ここに楽器を並べて収録したんですが、それが自分たちの最初のレコーディングだったのですごく思い出深いですね。(オカモトショウ)
演奏する側からすると、お客さんよりもスタッフの方たちの目線を意識してしまうライブハウスでした。毎日いろんなライブを見ている方たちだし、割とダメなものはダメという感じで忖度なく言ってくれる方が多かったのでちょっと緊張感を持ってステージに立っていた気がします。ちょうどステージからバーカウンターが見えるんですが、僕は立ち位置的にも対角線で目が合うような感じだったので尚更かもしれません(笑)。(ハマ・オカモト)
そういう意味でも、ここに育ててもらったという思いは強いですね。当たり前ですがいきなり完成形じゃなかったわけで、試行錯誤を繰り返すなかで、ある種このライブハウスに一緒に作り上げてもらったという気持ちはあります。バンドとしての生い立ちに大きく関わる場所だと思います。(オカモトコウキ)
俺は高校卒業してデビューするまで1年間ここで働いていたので、バイト前みたいな気持ちになります(笑)。お酒作ったり、PAアシスタントをしたり、照明をやったり、ここでみっちり働いていました。あとは俺が仕切って、高校の卒業パーティーみたいなイベントをここでやりましたね。店の雰囲気も当時からほとんど変わっていないので、なつかしいですね。(オカモトレイジ)
新宿 red cloth(紅布)
新宿区新宿6丁目28-12 DS新宿ビル
TEL 03-3202-5320
山瀬公子(<les Briqu’ a braque><MATRIOCHKA>デザイナー)
山瀬まゆみ(アーティスト)
なんでもISETAN!
山瀬公子(<les Briqu’ a braque><MATRIOCHKA>デザイナー)
山瀬まゆみ(アーティスト)
ブランドを立ち上げたとき、当時バイヤーだった藤巻幸夫さんに声をかけていただいて、1999年から「リ・スタイル」で取り扱ってもらえるようになりました。その日学校から帰ってきた娘に「伊勢丹の方が来てくれて、欲しいって言ってくれたのよ」とわざわざ報告したんですが、初めて「すごいね」なんてエールを贈ってくれて、改めて背中を押してもらえた記憶があります。その後、別のブランドを立ち上げたりしながら、なんだかんだ20年以上お付き合いが続いていますが、最近では娘も伊勢丹でお仕事する機会をいただくように。バイヤーの方から「山瀬まゆみさんのお母さんですよね?」「お嬢さんに会いましたよ」なんて言われることも増えました(笑)。(山瀬公子)
小さいころから、週末に家族や叔母と出かける場所といえば伊勢丹でした。高校生のときにここで買ってもらった〈コム デ ギャルソン〉のピーコートは未だに着ているし、〈MM6 メゾン マルジェラ〉がデビューしたばかりの頃に姉とお揃いにした目出し帽もまだ持っています。大人になって、伊勢丹のカタログを編集したり、ブランドの通訳として商談に参加したり、アーティストとして作品展をやらせていただいたり、いろんなところから今につながっているような感覚があります。(山瀬まゆみ)
伊勢丹新宿店 本館 正面玄関
新宿区新宿3丁目14-1
TEL 03-3352-1111(大代表)
加賀美健(現代美術作家)
新宿とは古い付き合いだから自分にとっては古宿
加賀美健(現代美術作家)
小学生の頃から、家族で映画を見に行ったり、遊びに行った帰りによく来ていたのが「天ぷら 新宿つな八」です。頼むのは、決まって天ぷら定食か天丼。名物のアイスクリーム天ぷらも「なんで溶けないんだろうね?」なんて言いながら、デザートによく食べましたね。そういう家族の笑顔と一緒にあるイメージです。大人になって、自分が家族を持ってからも来ていました。この本店だけでなく、駅の近くにいくつかあった店舗もよく利用していたんですが、今日聞いたらもうなくなってしまったり、移転していたり、時代の流れを感じますね。
学校が文化服装学院だったので、学生時代も新宿でよく遊んでいました。奥さんとは同じクラスだったんですが、初めてデートしたのは靖国通り沿いの「ミスタードーナツ」でした。2人とも京王線だったんですが、改札をくぐったはいいけどそのまま帰るのが名残惜しくて、でもそれをなかなか言い出せないままおしゃべりして、結局また改札を出て切符を無駄にしたことも。18歳の青い思い出もある街です。
天ぷら 新宿つな八
新宿区新宿3丁目31-8
TEL 03-3352-1012
るうこ(モデル)
何でもあるという安心感
るうこ(モデル)
19歳のときに上京してきて以来、ずっと新宿駅沿線に住んでいるので、遊びに行くといえば決まって新宿です。新宿には何でもあるという安心感がすごくあって、映画も見れるし、洋服も買えるし、ごはん屋さんだってなんでも揃う。ひとつの国みたいだなって思います。もちろん原宿や渋谷にも行くんですが、友だちと遊んだり、何かショッピングしたいとなると断然新宿です。水が合うんでしょうね。
いろんな人が集まる場所なので、道行く人のファッションを観察するのも楽しみのひとつですね。あの人の着こなしかわいいな、オシャレな人だな、とかよくウォッチしています。ものすごく派手な方もいるし、ハイブランドを着こなしている人も多いし、コンサバな方も多いし、いろんなファッションを見ることができるところも魅力のひとつ。今日撮影した「THE FOUR-EYED」は、私のファッションの師匠のような存在の方がオープンしたお店。新宿のなかでも歌舞伎町寄りの、なかなか来れないようなところにこんなエッジなお店があるのが面白くて、何か買い物したいなと思うと決まって行く場所です。コーディネートの相談をしたり、最近のトレンドを教えてもらったり、お店の方たちと会話するのも楽しくて、ついつい通ってしまいます。
THE FOUR-EYED
新宿区歌舞伎町2丁目8-2 パレドール歌舞伎町1F
め組
この街で咲きたいよな
め組
菅原達也(Vocal/Guitar)・富山京樹(Guitar)・久佐賀 麗(Keyboard)・寺澤俊哉(Bass)・外山 宰(Drums)
今回「新宿90 スナップ」動画の音楽を担当させていただきました。伊勢丹新宿店が新宿に移転してきて90年というおめでたいタイミングだというのと、新宿の街やこの場所で輝いている人たちを応援するようなものにしたいということで、ポップで明るい気持ちになれて、お祭り騒ぎできるような曲を意識して作ったのが「咲きたい」です。
歌詞を書くときにイメージしたのは、新宿で暮らしていたり、働いている人たちの存在。新宿って本当にたくさんの人がいますが、いろいろな想いを抱えた人が行き交っている街なんじゃないかなと。なにか目指している目標があったり、志すものがあったり、誰もが抱いている想いがあるはず。今は自分の思うように輝けていないかもしれないけど、誰もがきっといつか花を咲かせることができるし、その葛藤やゴールまでの過程を応援するつもりで書きました。この街で活力を得て、“絶対にいつか咲くぞ”と決意するーーそんな聞いた人を後押しできるような存在になればいいと思っています。(菅原)
伊勢丹新宿店 本館 屋上/アイ・ガーデン
新宿区新宿3丁目14-1
TEL 03-3352-1111(大代表)
林家木久蔵(落語家)
どこか親近感を覚えるエリア
林家木久蔵(落語家)
僕は初高座が「新宿末廣亭」なんです。右も左もわからないようなときの寄席デビューがこちらだったので、すごく記憶に残っています。演目は「寿限無」でしたが、歴代の名人たちと同じところに座って喋るわけなので、最後まで言えるかどうか不安を感じながらやりましたね。以来、「新宿末廣亭」の高座には何度も上がっていますが、楽しむよりもまず出てくるのが“怖い”なんですよね。やっぱり歴史があるので、軽い気持ちでは上がれないんですよ。「先輩方が今日まで作り上げてきたものがあるんだからな」と劇場が囁いてくるようで、気が引き締まります。
このあたりには、個人的な思い出もたくさんあります。小学生まで南新宿に住んでいたので、父が「新宿末廣亭」に出るときは大抵、近くにあったゲームセンターか伊勢丹で待ち合わせましたし、親との散歩ルートが新宿3丁目でした。新宿のなかでも今と昔が融合しているというか、子どもの時に父に連れてきてもらったお店が未だに残っていたりもするので、あの頃の思い出のまんまいられるところも好きなんですよね。個人の飲食店も多く、みんな寄席芸人のような感じで小さいながらもがんばってやっているところに親近感を覚えます。寄席が終わったあと、そういったお店に行くのも楽しみのひとつですね。
新宿末廣亭
新宿区新宿3丁目6-12
TEL 03-3351-2974
外波山文明(劇団「椿組」主宰)
俺達の遊び場はオレ達で作る!
外波山文明(劇団「椿組」主宰)
1971年に劇団「はみだし劇場」を旗揚げして、1986年から毎年「花園神社」で野外劇場をやっています。現在は劇団「椿組」になりましたが、土の上を舞台にして、縦横無尽の空間を使った演出や、最後に野外劇場のテントの幕を全部落として本物の新宿の街をバックにする「振り落とし」という演出はずっと変わらないスタイルです。
ここは、普段は何もない神社の境内の一角で、参拝者がお参りに訪れたり、お正月やお祭りなどのときに賑わう場所。昔からあり続ける聖地ともいえる神社で、この土地が持つエネルギーのようなものをもらって芝居をやることをテーマに公演を続けてきました。土の上で芝居をやることで街とつながることができるし、自分たちが芝居をやる場所が劇場になってそこにお客さんが来てくれるというのが何よりの魅力だと感じています。テントの幕一枚を隔てて中は劇場になり、一歩外に出れば普通の参拝の人たちが集う神社の境内だという異空間で、ここに日常と非日常の狭間の境界線があるわけです。僕のポリシーは“自分たちの遊び場は自分たちで作る”ことなのですが、こんな贅沢な遊び場で、自分たちならではの遊びをすることができ、そのエネルギーでお客さんに感動を与えることができるのが醍醐味です。
花園神社
新宿区新宿5丁目17-3
TEL 03-3209-5265
ミッツ・マングローブ(ドラァグクイーン・タレント・歌手)
都会、理性、雑多。
ミッツ・マングローブ(ドラァグクイーン・タレント・歌手)
父が伊勢丹で働いていたので、小さい頃から買い物だったり、屋上の催し物だったり、折に触れて新宿には遊びに来ていました。そして大人になってからは新宿二丁目という街に出会い、ここで恋愛をしたり、友だちと出会ったり、仕事をしたり…と、ずっと身近な存在です。新宿二丁目に通い出したころはまだ父が働いていたので、父の職場と自分のアジトが新宿のなかに常に同居していて、ビクビクしながら歩いたこともありました。私が二丁目に向かう途中に地下通路で退勤後の父とすれ違いそうになって、柱の影に隠れてやり過ごしたことも今ではいい思い出です。
そんな時期を経て、もう15年近く新宿区に住んでいますが、結局自分にとって一番居心地がいいのはこのエリアで、それはきっと死ぬまで変わらない気がします。改めて感じるのは、本当にいろんな方がいる街だということ。人種もそうだし、ライフスタイルやセクシャリティ…本当にさまざまだから、紛れていられるんですよね。その楽ちんさは、新宿ならではのものだと思います。ゴミゴミしたところや雑多なところ、洗練されているところ…、そういった新宿ならではの雑多感も魅力だと思うので、そこはずっと変わらずにいてほしいですね。
伊勢丹新宿店 本館 屋上/アイ・ガーデン
新宿区新宿3丁目14-1
TEL 03-3352-1111(大代表)
岩舘 直(クリアソン新宿GK)
佐野 翼(クリアソン新宿FW)
この街の一員として
岩舘 直(クリアソン新宿GK)
佐野 翼(クリアソン新宿FW)
クリアソン新宿は新宿に根づいたクラブチーム。街のみなさんと直接交流する機会が多いんですが、すごくあたたかく受け入れてもらっています。僕が加入した3年前は正直チームの知名度もまだまだだったし、大都会なので全然お呼びじゃないよ、という対応なのかなと不安もありました。でもみなさん人情味があって、一緒になってこのチームを強くしていこう、Jリーグ、そして世界一を目指そうと思ってくださっているのを感じるので本当にありがたい。新しいものに対して柔軟だから、いろいろな文化が共生している街なんだと感じます。(岩舘 直)
僕はまだ加入1年目ですが、お年寄りからお子さんまで、幅広い新宿の方たちと関われているのが新鮮です。この「J-club」さんも僕たちをすごく応援してくださっていて、日中仕事で外回りをしている際にランチを食べたり、コーヒーを飲んだり、よく立ち寄らせていただいています。東京23区を本拠地とするJリーグクラブがまだないので、新宿の方々に後押ししてもらってJリーグ、そして世界一を目標にがんばりたいと思います。(佐野 翼)
J-club
新宿区新宿3丁目17-21 川元ビル 1F
TEL 03-3352-3803
OWV
俺らの地元
OWV
本田康祐・ 中川勝就 ・ 浦野秀太 ・ 佐野文哉
OWV 結成前から、「スタジオアルタ」でライブをやったり、「新宿 ReNY」でイベントをやったり、ガンプラを買うために並んだり(笑)、新宿はなにかと親しみがある街です。デビュー前、当時ダンサーとして活動していた佐野と知り合ったのも新宿でした。そしてオーディション後に事務所が決まる前、OWV のメンバーと集まって、みんなでたくさん話し合いをしたのも新宿の喫茶店やカラオケ屋さん。僕たちは新宿でできたグループといっても過言ではないと思います。
(本田康祐)
僕たちがデビューするきっかけになった番組の記者会見をやった場所も、今日撮影した所属事務所の吉本興業があるのも新宿です。新宿は自分の人生が始まった場所だし、分岐点になった街でもあるので、僕にとって切っても切れない存在だなと思います。(中川勝就)
一時はみんなで吉本興業の社員食堂に通い詰めていました。僕らが 4 人でごはんを食べた回数が一番多いのはこの食堂なんじゃないかってぐらい。安くておいしいので、みんなで食事して、そのあとレッスンしたり…。あとは YouTube の撮影も、よく会議室でやっていますね。本当に、僕たち OWV に欠かすことができない街が新宿だと思います。(浦野秀太)
デビュー前は吉本興業の会議室でずっと振付を考えて、レッスンして…朝まで練習するのも当たり前のような毎日だったのが懐かしいです。途中でコンビニに行ってお菓子とかお酒を買ってちょっと息抜きしたり。ここは昔、小学校だった建物なので、文化祭っぽい感じで楽しかったですね。OWV のデビュー曲が新宿の「ユニカビジョン」で流れたときは本当に感動しました!(佐野文哉)
吉本興業株式会社 東京本部
玉袋筋太郎(お笑い芸人)
私のフラッグシップ伊勢丹!
玉袋筋太郎(お笑い芸人)
生まれが西新宿だから、「伊勢丹新宿店」は馴染みのある場所。ちっちゃいときは家族で、小学生ぐらいになると友達同士で、しょっちゅう遊びに行っていました。新宿は遊び場がないから、伊勢丹に行くのは山に遊びに行くみたいな感覚だよね。いろんなデパートがあるけど、それぞれ違う高さの山。伊勢丹の山には開店と同時に滑り込んで、屋上で遊んだり、おもちゃ売り場でテレビゲームしたり、腹が減ったら地下の食品売り場に試食をつまみに行ったり、業務用のエレベーターに乗っちゃったり、いろんな思い出があります。だいたい西新宿からみんなで自転車で移動するんだけど、表を通ってもおもしろくないから、中央公園の地下からずーっと地下道を自転車漕いで、階段があったら担いで降りて、伊勢丹の地下の入り口を勝手に俺たちだけの自転車置き場にして…。だから大人になってクルマで伊勢丹に行って、ちゃんと駐車場に停めたときはちょっと感慨深いものがありました。
変わりゆく新宿の街の姿も、俺にとってはふるさとの風景。あちこち再開発されちゃったけど、伊勢丹っていう山だけは変わらずそこにあるから、やっぱり行くと落ち着く感覚があります。伊勢丹は新宿の大先輩だし、残ってくれねえと困っちゃう。移転してきて90周年ということですが、100年を目指してがんばっていただきたいという気持ちしかないですね。
「小ばやし」は、ビートたけし師匠が若かりし頃よく通っていた店。売れっ子だった師匠が、時間が空くと「紀伊國屋書店」で本を買って、ここで読んでいたそうです。俺がこの世界に入ってまだ芸名すらないときに、師匠から玉袋筋太郎って名前をいただいたのもこの店の2階。ここがなければ始まらなかったかもしれない自分の芸人人生の中心のような場所だから、長いこと近寄りがたい聖地でしたが、数年前に酔った勢いで足を踏み入れて、ようやくお邪魔できるようになりました。
小ばやし
新宿区新宿3丁目25-6
TEL 03-3352-5884
ドリアン・ロロブリジーダ(ドラァグクイーン)
人間万事塞翁が馬
ドリアン・ロロブリジーダ(ドラァグクイーン)
「テアトル新宿」は、私が出演させていただいた『エゴイスト』という映画の舞台挨拶や完成披露試写でステージに上がらせてもらった思い出深い場所です。華やかな場所に出ることは人より多いですが、それでも「テアトル新宿」のステージ上から見る客席は格別でした。もともと映画はとても好きなので、ここに観客として映画を観にきたことは数知れず。まさかそんな劇場で、自分が壇上に立つなんて想定もしていなかったので、本当に人間って万事塞翁が馬といったところで、ありがたい限りです。
この作品は、原作者である高山真さんとも生前親しくさせていただいていたこともあり、小説自体も大好きで思い入れのあるものでした。そんな作品の映像化にあたって、鈴木亮平さんをはじめ日本を代表する俳優の方々や監督、スタッフのみなさんとご一緒する機会を得られたのは、私のドラァグクイーンとしてのキャリアのなかでも本当に大きな、大切な出来事です。
そんな思い出深くて人生の一大事ともいえるイベントが、私が小さいときから通い続けてきて、笑いあり、涙あり、額に汗したり…、さまざまなことが“どホーム”ともいえる新宿で繰り広げられたということに、この街の懐の深さのようなものを感じます。
テアトル新宿
新宿区新宿 3丁目14-20 新宿テアトルビル B1F
TEL 03-3352-1846
PELI(DJ・ファッションデザイナー)
AYAKO(<PEGION>GM)
Orion&Pegasus
暮らし 遊ぶ場所
PELI(DJ・ファッションデザイナー)
AYAKO(<PEGION>GM)
Orion&Pegasus
この街で暮らすようになって、気づけば20年近く。当時から2丁目でよくDJをやっていて、遊びに行くのも2丁目だし、スタイリストの仕事もしていて渋谷や原宿にも出やすいので、自然とこのあたりに吸い寄せられるようにして住み出した感じです。近くに友だちもたくさんいるし、外から新宿に帰ってきて歌舞伎町の「ドン・キホーテ」を見るとホッとするぐらいこの街が好きですね。ちょうど家から西新宿のビル群や「東急歌舞伎町タワー」がよく見えるんですが、派手に光っているのが新宿らしくてかわいいです。以前に比べるとビルが増えましたが、そんな景色を眺めているのも落ち着きますね。(PELI)
ここ数年は新宿区に住んでいるので、「新宿御苑散策路」は定番のお散歩コース。犬たちも慣れたもので、彼らとの楽しい思い出もたくさんあります。ここは新宿のイメージからは想像もつかないくらい自然が豊かで、歩いていて気持ちがいい。長めにお散歩したい休日は自然と足が向きます。途中、「World Meatball Classic」でミートボールとビールで休憩したり、「EIGHT COFFE」に立ち寄ったり、のんびりリラックスして過ごせる場所です。(AYAKO)
新宿御苑散策路
新宿区内藤町
片山裕司(花園神社 宮司)
神縁
片山裕司(花園神社 宮司)
花園神社は、江戸が開府した1603年以前より、新宿の総鎮守としてこの地に勧請されたといわれています。以来、新宿という世界有数の繁華街のど真ん中にありながら、現代に生きる人々が土や木に触れることができる数少ない空間としてあり続けています。花園神社を目当てに来られる方もいらっしゃいますが、「伊勢丹新宿店」や「ゴールデン街」、またこの界隈のあちこちに目的があって、その帰りに立ち寄っていただけるような存在なのではないかと思っています。
撮影した「朝日弁財天」は、伊勢丹新宿店の屋上でお祀りしている火伏せや商売繁盛の神様です。伊勢丹新宿店が創業地である千代田区神田にあったときから鎮座されており、昭和8年に新宿三丁目に移転して以来、新年の最初の巳の日に行われる初巳祭にて開帳するという祭典に花園神社が携わらせていただいています。前年の感謝のご報告と、新しい年の商売繁盛と家内安全を祝詞に込めて奏上するのが習わしです。年に一度お会いできるというのが大変ありがたく、御扉をお開けするたび荘厳な、身の引き締まるような思いがいたします。初巳祭の日には、少しの時間ですがご開帳されていますので、機会があればぜひ見ていただきたいと思います。
伊勢丹新宿店 本館 朝日弁財天
新宿区新宿3丁目14-1
TEL 03-3352-1111(大代表)
新宿タイガー(元新聞配達員)
ラブ&ピース シネマと美女と夢とロマンと青春と美と感動
新宿タイガー(元新聞配達員)
新宿タイガーになって50年とちょっと。歌舞伎町にある「稲荷鬼王神社」のお祭りで、タイガーマスクのお面を30枚買ったの。以来、ずっとこのスタイルでやっています。これがなければ、新宿タイガーは生まれていないからね。やり始めたころは、いろんな人にいろんなことを言われたけど、ラブ&ピースだからね。
新聞配達で担当していたエリアは新宿三丁目。だから伊勢丹さんのあるあたりは、毎日ずっと通っています。おかげさまで、映画になったり、ポスターに出させてもらったり、たくさんのおもしろいことを体験させてもらいました。世の中が少しでも明るくなればいいと思ってやっていますが、楽しいですよ。人間じゃなくて虎ですから。
新宿西口
相澤 樹(スタイリスト)
私を育ててくれた街
相澤 樹(スタイリスト)
新宿は、私を作ってくれた街であり、育ててくれた街。東京に出てきて初めて降り立ったのが新宿で、文化服装学院に通って得た友人や知識、そして夜遊び…、全部この街で学びました。当時あった「CODE」や「RIQUID ROOM」、あとは新宿二丁目にもクラブがいっぱいあったのでよく遊びに行っていましたね。そこで学生のファッションショーとクラブイベントを混ぜたイベントを企画したりして、たくさんの人に出会えたし、いろいろなことを教わりました。本当にさまざまなカルチャーが混ざった街で、道が一本変わるだけでそこにいる人も雰囲気も違っていろんな顔を持っている百面相みたいな街だなと思います。
そして今も一番行く機会が多い街。来るとワクワクするし、ごはんも食べられるし、まさにパワーチャージスポット。気分にあわせていろいろな場所に足が向くので、新宿の守備範囲は相当広いと思います。すべてを満たしてくれて、ずっと変わらず大好きな街。学生時代から今までずっと通い続けている伊勢丹。スタイリストになってからはカタログの仕事をさせてもらったり、ポップアップショップをやらせてもらったり…、遊び場が増えたような気持ちで楽しませてもらっています。新宿がパワーチャージの場という感覚は、この先もずっと変わることはないのかもしれません。
伊勢丹新宿店 本館3階 ビストロカフェ
レディース&ジェントルメン
新宿区新宿3丁目14-1
TEL 03-5357-7933
ヴォーン・アリソン(カフェ経営者・モデル・英語教師・音楽プロモーター)
EVERYTHING!and ANYTHING!
in SHINJUKU!
ヴォーン・アリソン(カフェ経営者・モデル・英語教師・音楽プロモーター)
新宿には個性豊かな喫茶店がたくさんあって、コーヒー愛好家の僕にとって聖地のような場所。「らんぶる」や「珈琲西武」、「自家焙煎珈琲 凡」など、ずっと昔から変わらないような雰囲気で、ロマンチックで、どこも大好きなお店です。世界にはいろいろなコーヒー文化があるけど、日本の喫茶店文化は格別。パリッとアイロンがかかったシャツにネクタイを締めたマスターがていねいにハンドドリップで淹れてくれるコーヒー、その隣にはお花があって、BGMにはクラシックやジャズが流れていて…。そんなお店がずっと残っていけばいいと思います。
新宿のコーヒー文化といえば、「ヤマモトコーヒー店」も外せません。ここは店主のコーヒーに対する知識と愛情に圧倒されます。豆だけでなく器具のことも詳しくて、ちょっと相談するだけでいいものを見つけることができるんです。自分が本当に好きなものを売っているのが伝わってくるので、自分がカフェをやるようになってさらに尊敬するようになりました。こういった買い物体験ができるお店も減りつつあるので、すごくインスピレーションをもらっています。
ヤマモトコーヒー店
新宿区新宿3丁目17-11
TEL 03-3352-5055
髙野吉太郎(株式会社新宿高野代表取締役社長)
髙野芳由樹(株式会社新宿高野常務取締役)
新宿人から新宿人へ
髙野吉太郎(株式会社新宿高野代表取締役社長)
髙野芳由樹(株式会社新宿高野常務取締役)
新宿は、ある種の雑多さがあるけれども世の中が追いつけないぐらいの勢いとスピード感で発展してきた街だと思います。私が若かった頃は、大戦の混乱をくぐり抜けてきたパワフルな先輩方がいっぱいいました(笑)。改めて考えてみると新宿には、まわりの都市のように絶対的な街の象徴がないんですよね。それは建造物や名所のようなハードではなくて、ソフトというかこの街に関わる人々が新宿らしさを醸し出しているからだと思います。いろいろな文化や政治、経済…すべてがここで入り交じっているからこそ活気があって輝いている。それが新宿の魅力なのかなと感じます。
秋になると新宿の総鎮守である「新宿十二社 熊野神社」の例大祭があり、神輿が西新宿や新宿駅、歌舞伎町周辺を回ります。総代長を務める私が隊列の一番先頭を歩いて、そして神輿が続きます。その神輿も伝統に倣いながらも、少しずつ変化しています。「わっしょい、わっしょい」と担ぐのをやめて千鳥担ぎという水鳥のように優雅に担ぐスタイルを取り入れたり、女神輿といって女性だけで担ぐ神輿を作ったり…。まさに古いものと新しいものが混在する新宿の魅力を体現しているような行事ですし、最近はインバウンドの方も増えているので、多様性な街として、そして粋(すい)な雰囲気を感じてもらえるとうれしいですね。(髙野吉太郎)
新宿大通り商店街
伊藤綾野(新宿十二社 熊野神社 宮司)
柳迫磨紀(新宿十二社 熊野神社 権禰宜)
今も昔も大好きな街
伊藤綾野(新宿十二社 熊野神社 宮司)
柳迫磨紀(新宿十二社 熊野神社 権禰宜)
変化が早い新宿という街の中でも、「新宿十二社 熊野神社」は昔から変わらない場所だと思います。神社も時代に沿って変化をしないといけない部分もあるんですけれども、変わらない場所を守るというところが私の一番の使命であり、地域にとっても大切なことかなと思っています。
神社という特別な環境で育っていますが、町の方がいらっしゃってこその神社。氏子の皆様をはじめ、神社に関わってくださるすべての方に助けられていると感じます。こんな都心が地元で驚かれることも多いのですが、新宿という街にいてよかったなと思うことがたくさんあります。繁華街だけれども昔ながらの文化や伝統もあって、私にとってはすごく親しみのある街です。(伊藤綾野)
新宿は、繁華街が連なる駅の方のカラーと、「新宿十二社 熊野神社」のあたりの昔ながらのカラーと、新旧がいろいろ混じりあっているところが好きです。「タカノフルーツパーラー」は子供の頃から大好きなお店であり、憧れのような存在です。「タカノフルーツパーラー」といえば、やはりメロン。小さいころから決まってメロンを使ったメニューを頼みます。私たちが小さいころは叔母がこちらの事務課で働いていたので、叔母に会いにきて、そのままジュースをご馳走になった思い出がありますね。(柳迫磨紀)
タカノフルーツパーラー新宿本店
新宿区新宿3丁目26-11 5F
TEL 03-5368-5147
吉住健一(新宿区長)
最先端と懐かしさが混在するこの街を尊重したい
吉住健一(新宿区長)
新宿の魅力は、古いものと新しいものが混じりあって街並みに溶け込んでいたり、さまざまな国籍の人や文化が混在していたりすることだと思います。もともと宿場町だっただけに、多様な人が行き交うなかで生まれたものを尊重し合いながら発展を遂げたのが現在の姿なのではないでしょうか。
戦後間もない時期から復興してきた街なので、今後改修や建て替えなども増え、街としてさらに変化すると思います。その際、他の都市などを意識することなく、独自の路線で自由に変わっていって欲しいというのが私の願いです。「東急歌舞伎町タワー」のような最先端のビルができる一方で、安全性を高めつつ昔ながらの佇まいと賑わいと残そうと奮闘する「思い出横丁」や「ゴールデン街」などもあり、それぞれに良さがあります。これまでそうやってきたように、変えるところは変えつつ、残せるものは残すという価値観でよいのではないかと思います。
今回撮影した区役所の本庁舎前にある「平和の灯」は、広島市の「平和の灯」と長崎市の「誓いの火」をそれぞれ分火し、ひとつのガス灯に合わせた由緒ある火です。東京2020パラリンピックの際はそこから採火して、無観客ではありましたが新宿区内の障害者施設に聖火を届けました。コロナ禍で手探りでしたが区の小学生はパラリンピック競技を観戦することができ、未来につなぐ意義深いことを実行できたという思い入れのある場所です。
平和の灯
新宿区歌舞伎町1丁目4-1
四十物義偉(新宿の小学校に通う小学3年生)
石で遊ぶ
四十物義偉(新宿の小学校に通う小学3年生)
ここは、お母さんと一緒に来ます。お母さんが石が好きで、それから僕も好きになりました。テストで100点を取ったら、ここで好きな石を買ってもらいます。これまでに買ってもらったのは、ちっちゃいエメラルドとか、サファイアとか…。キラキラした石より化石の方が好きなので、いつかアンモナイトを買ってもらいたいです。
学校の近くの公園で、友だちと石と石をぶつけて遊びます。石が割れた方が負けだけど、石の中に化石が入ってないかなって探すのも楽しいです。
紀伊國屋書店新宿本店 化石・鉱物標本売場
新宿区新宿3丁目17-7
TEL 03-3354-0131(代表)
本明秀文(まんま オーナー・永遠の実業家)
カオスに光の差す場所
本明秀文(まんま オーナー・永遠の実業家)
撮影した「紀伊國屋書店」は週2〜3回のペースで通っている場所。人文書を扱うエリアで、毎月だいたい5、6冊買って帰ります。僕は「atmos」というお店でスニーカーを売るのが主な仕事だったわけですが、人の心を理解しないと商売ってうまくいかないというのが持論です。それを理解するのに一番手っ取り早いのが本だと思うんですよね。本当は人に教わるのがベストなんでしょうけど、望んだような知識を持っている人を探す方が時間かかる。それだったら「紀伊國屋書店」に行って、どんな本が平積みになっているか、お客さんが買っていくのはどんな本なのかを観察するだけでも世の中が見えてくるような気がします。
そんな新宿の街に、「おにぎり まんま」をオープンできたのはありがたかったですね。訪れる人たちみんなが新しいものを求めてはいるけれど、僕みたいなおじさんにも居場所があるのが新宿。街にいる人の振り幅がすごいところも好きで、おにぎりっていう日本人のソウルフードの店を出すならこんな場所だなと思っていたので、新宿を選びました。
紀伊國屋書店新宿本店3F
新宿区新宿3丁目17-7
TEL 03-3354-0131(代表)
設楽 洋(ビームス代表取締役社長)
まぜこぜから文化が生まれる街。
設楽 洋(ビームス代表取締役社長)
新宿で生まれ育ったので、この街の思い出はたくさんあります。今日撮影した「新宿ゴールデン街」なんて、幼稚園のころから行っていました。うちの親父が毎日のように「新宿ゴールデン街」で飲んでいたんですが、子どもの僕を連れて行って、相手にするのが大変だから「ちょっと外をぐるっと回ってこい」なんて言って放り出してね。戻ろうとしたらどの店だかわからなくなって交番に駆け込んで…、なんてこともありました(笑)。大人になって自分でも通うようになって、海外から来たデザイナーを連れて行くとみなさんすごく喜んでくれるんですよね。数年前、そんな場所と「ビームス ジャパン」と本格焼酎メーカー3社とでコラボした際、ひょんなご縁から新しい看板をビームスでデザインすることになったときは感慨深いものがありました。
1960年代の終わりごろの新宿には、街に出ると何かが起こりそうな風が吹いていました。西口の地下ではフォークゲリラをやっていて、東口にはディスコの走りみたいなものがあって、ジャズ喫茶もあったし、演劇などのカルチャーやアート、あるいはいろんな人種がうごめいている感じがすごく魅力的でしたね。NYでもどこでも、少し危なっかしい澱んだところに文化があると思うんですが、新宿にも近いものを感じます。そうやって新宿でいろんな濃い文化の洗礼を受けた結果ビームスが生まれて、さらに「ビームス ジャパン」につながっているところがおもしろいなと思います。
新宿ゴールデン街
新宿区歌舞伎町1丁目
バビ江ノビッチ(ドラァグクイーン)
ドラァグクイーンとしての原点
バビ江ノビッチ(ドラァグクイーン)
「オカダヤ」に通うようになってもう25年になります。初めてドラァグクイーンのお化粧をしたのが1998年。ステージ用のメイク道具売り場でほぼ全部揃えました。お洋服を作るようになったのは、その少し後。最初は友だちに作ってもらっていたんですが、オカダヤで教本を買って、少しずつ教わりながら作れるようになりました。オカダヤがなかったら、もしかしたら女装していなかったかもしれないというぐらいお世話になっている存在です。25年かけて、オカダヤで何千万円分使ったか知れません(笑)。
洋服を作るときは、好きなアーティストや女優さんとかが出ている作品のとあるシーンや衣装がいいなと思って、それをオマージュして作ります。あとはふらっとオカダヤに行って、新しい生地や素材が入荷しているのを見つけて、そこから着想することも。そこから集中して、だいたい3日くらいで一気に作り上げることが多いですね。
今でこそ当たり前のように“ダイバーシティ”とか言われるようになりましたが、その先駆けのような多様性があり、雑多な魅力があるのが新宿だと思います。ハイクラスなものやハイエンドの人たちからその対極にいるようなものや人たちまで、優しく大きく包んでくれる懐の深さがありますよね。
オカダヤ新宿本店
新宿区新宿3丁目23-17
TEL 03-3352-5411(大代表)
蛭川和勇(株式会社オカダヤ代表取締役会長)
街もファッションも様変りしました。
蛭川和勇(株式会社オカダヤ代表取締役会長)
オカダヤは今年で創業97年になります。創業したのは神田ですが、第二次世界大戦が終わる直前に祖父がこの場所に土地を買って、以来ここでずっとやっています。今日撮影したオカダヤの前の道「モア2番街」も、以前はこんなに広くなかったんです。当時街にあふれていたオート三輪、いわゆる三輪トラックが一台通れればいいぐらい。1953年に歌舞伎町に「新宿劇場」ができて、そのあと1956年に「コマ劇場」がオープンして、このあたりの人の流れが一気に変わりましたね。
新宿で営業を始めた当時はまだ着物が主流で、割烹着や下駄を使っているような人ばかり。そこから比べると、街行く人たちのファッションも様変わりしました。海外の真似をしながら、少しずつ今風のおしゃれになっていったんだと思います。うちの店は、近くに伊勢丹や文化服装学院があったことも大きかった。おしゃれな人たちが出入りしていました。ミシンが嫁入り道具で一家に一台あるのが当たり前の時代もあったので、日本にないようなボタンやレースなどを求めてヨーロッパに買い付けに行ったこともあります。こうやって思い返すと、目まぐるしく変化していると感じます。
モア2番街
高井昌史(紀伊國屋書店代表取締役会長兼社長)
新宿文化の発展のために
高井昌史(紀伊國屋書店代表取締役会長兼社長)
紀伊國屋ビルは紀伊國屋書店の本店として 1964 年に竣工し、2017年に東京都選定歴史的建造物に認定されました。耐震補強工事にあたり、現在の伝統ある姿を残していくために、ビルの外観はそのままにリニューアル工事を行いました。
撮影を行った2階「BOOK SALON」は、スタッフのお薦め本が一堂に会するフェアスペースとなっており、新宿通りを眺めながらゆったりとした気分で心ゆくまでページをめくることのできる、本好きにとってはまさに夢のような空間です。
携帯電話がなかった時代は、新宿での待ち合わせの定番といえば紀伊國屋書店でした。店内で本を見ながら時間をつぶすことができるし、雨宿りもできる。ここで待ち合わせしたことがある人の数は相当なものだと思います。長年、新宿を訪れる人々に親しまれてきた存在ですが、本屋だけでなく館内にホールも擁する文化の発信拠点でもありました。かつては画廊や喫茶店があったこともあり、斬新な発想に基づいて設計されたこのビルは、さまざまな文化が花開いた場所でもあります。
現在、紀伊國屋書店は世界の各都市に41店舗を展開しており、各国に根づいて親しまれています。世界各国の観光客が新宿に訪れたときに、それぞれの国で紀伊國屋書店に親しんできた外国の方々が「ここが紀伊國屋書店の本店なんだ」と訪れてくださることで、さらなる新宿文化の発展に貢献できるのではないかと思っています。
紀伊國屋書店
新宿区新宿3丁目17-7
TEL 03-3354-0131(代表)
本荘暁子(新宿御苑)
私とあなたに会える場所
本荘暁子(新宿御苑)
学生時代から新宿御苑には定期的に通っていました。四季折々の花々も素晴らしいのですが、ただ歩いているだけでも自然と頭の中がクリアになって、マインドが変わる不思議な場所だと思います。利用者の方からもそういった声をいただくことが多く、スタッフとしてもうれしく感じます。
広大な庭園のなかでも私が大好きなのが、新宿御苑のシンボルツリーでもあるユリノキです。樹齢130年ほどになる木ですが、3本の木を集めて一緒に植えることで巨木のように見せる造園技法を使って植栽されています。このユリノキに出会ったのは20年近く前。面接のために新宿御苑を訪れた際に、思わず見惚れて抱きついてしまいました(笑)。以来、なんとなくいつも私を見守ってくれているような気がして、親近感を抱いています。撮影に持参した書籍『回顧録』は、明治から大正にかけて新宿御苑を皇室庭園として創設した福羽逸人という人物が晩年に記したもの。編集に携わって新宿御苑や日本の農園芸の歴史の一端にふれたことで、ユリノキに対する想いもさらに増したような気がします。
新宿御苑 風景式庭園
新宿区内藤町11
TEL 03-3350-0151
藤井俊明(追分だんご本舗会長)
若松眞澄(追分だんご本舗代表取締役社長)
私達は新宿村の住民です。
藤井俊明(追分だんご本舗会長)
若松眞澄(追分だんご本舗代表取締役社長)
傍から見ると新宿は大都会に思えるかもしれませんが、私たち地元の人間にとっては“村”なんです。昔から「俺たちは新宿村の住人だからな」と言いながら肩を寄せて支え合っている、どのコミュニティにもあるような仲間意識がある場所だと思っています。先代が起こしたときは知名度もなにもない店だった「追分だんご本舗」がここまで続けてこられたのは、同じ街の同業である「文明堂」さんのおかげです。「伊勢丹」さんをはじめ、いろいろな方を紹介してくれたから今があるし、人のつながりの輪の大切さを感じます。
「但馬屋珈琲店本店」も、今のご主人が私の高校の同級生。西口にうちの店があったときは、通り道なので打ち合わせや息抜きでよく通っていました。商売をやっているもの同士、学ぶことも多く勉強になります。(藤井俊明)
社長に就任して3年、兄である会長からの教え、そして会長がその先代である父に教わったことを呪文のように叩き込まれています。そんななかで感じるのは、やはりこの街で脈々と続いている関係性の重み。会長からの愛の叱咤激励を受けながら、そういったものも少しずつ引き継いでいるところです。会社のため、そして新宿の街のためにも、日々精進していきたいと思います。(若松眞澄)
但馬屋珈琲店本店
新宿区西新宿1丁目2-6
TEL 03-3342-0881
宮﨑進司(株式会社文明堂東京代表取締役社長)
新宿とつながっていくこと
宮﨑進司(株式会社文明堂東京代表取締役社長)
普通の会社員だった私が、新宿文明堂の社長に就任したのは30歳のとき。結婚を決めた相手がたまたま新宿文明堂の一人娘だったという理由で、右も左もわからないままスタートしました。街との接点なんてゼロに近い状態だったときに助けてくれたのが、今回撮影場所として選んだ「追分だんご本舗」の藤井俊明社長と、「花園万頭」の石川一弥社長でした。
あちこち連れ回しては街の方々に引き合わせてくれてありがたい限りでしたが、一般的にはライバル関係にあるような同業者です。あるとき藤井社長に「なぜこんなによくしてくれるんですか?」と尋ねたら、「あなたの義理のお父さんや、そのまたお父さんには相当世話になったんだ」と。「だからあなたも、次の世代に返してほしい」と言われたのが心に残っていて、新宿で人とつながっていくというのはこういうことなんだなと感じ入りました。
大都会だから人との関係は希薄だとばかり思っていたのに、こうやって昔からつながっている人たちがいて現在の新宿に続いているんですよね。いまは私も先人たちにならって若い世代にたすきをつなげるべく、日々尽力しているところです。
追分だんご本舗 新宿本店
新宿区新宿3丁目1-22
TEL 03-3351-0101
竹之内勉(T&Tビル株式会社代表取締役・新宿大通商店街振興組合理事長)
個性あふれる店に光が当たる街であってほしい
竹之内勉(T&Tビル株式会社代表取締役・新宿大通商店街振興組合理事長)
駅を挟んで、東西南北でまったく異なる顔を持っているのが新宿。最先端の部分もあれば思い出横丁やゴールデン街のような昔ながらの場所、さらには新宿御苑や中央公園など緑もたくさん残っていて、世界的に見てもなかなか希少な都市なのではないかと思います。
その一方で、私が若い頃によく通っていたジャズ喫茶や飲食店、映画館など、閉店してしまった店も多くあります。古くから栄えた街なので建て替えや再開発はどうしようもないことですが、どこも超高層化して同じようなテナントが入って…というのには若干の寂しさを覚えますね。
そのなかでも東口側は、まだまだ個性がある個人店ががんばっているエリアだと思います。今回撮影した「珈穂音」もそう。私は1993〜1994年ごろに初めて訪れましたが、以来、昼だけでも優に5000回以上は行っているんじゃないでしょうか。以前うちのビルの隣に店があったので、毎日のように通って、社員食堂のように使っていました。おいしくて安くて早いうえに、定食が毎日変わるので飽きないんです。つまみもお酒も豊富なので、夜も通って…、本当にお世話になっていますね。街が少しずつ形を変えていくのは自然なことですが、新宿の東口側だけは個性のある個人経営の店やビルが残っていく街であってほしいと思っています。
珈穂音
新宿区新宿3丁目22-12 新宿サンパーク本館5階(三平)
TEL 03-3352-1539
志村久弥(株式会社綱八 代表取締役社長)
新宿を冠に商売できる幸せをかみしめて
志村久弥(株式会社綱八 代表取締役社長)
「天ぷら 新宿つな八」は来年で創業100年になります。天ぷら一筋でここまでやってこれたのは、伝統は革新の連続なりという言葉があるように、変わらないながらも時代やお客さまが求めているものに少しずつ対応してきた結果なのかなと思います。店を出て少し行くと新宿通りがあるわけですが、あの通りを定点観測すると、時代を象徴するような店が並んでいるんです。ここ最近であれば「マツモトキヨシ」や移転した「ユニクロ」、そして「ティファニー」、「グッチ」…。その時々で好調な店や業種など、トレンドが手に取るようにわかるのがおもしろいですね。
撮影した「珈穂音」は、移転前は店の近くにあったこともあり、足繁く通っていました。ゆっくりランチを食べたいとき、夜ちょっと飲みたいときなんかに重宝する、大人の粋なお好み食堂のような存在。和洋のメニューのバリエーションが豊富で、どれもおいしくてこなれた料金で食べられるのが魅力です。店主が新宿の街の成り立ちやなんかもよく知っているし、僕の親父とも旧知の間柄で、雑談するのも通う楽しみのひとつです。
珈穂音
新宿区新宿3丁目22-12 新宿サンパーク本館5階(三平)
TEL 03-3352-1539
島田裕之(株式会社中村屋 代表取締役兼社長執行役員)
多様性を育む街!
島田裕之(株式会社中村屋 代表取締役兼社長執行役員)
新宿中村屋は、1901年創業。まだ新宿がこんなに発展するなんて誰も想像しなかった1907年に新宿に支店を出し、1909年に本郷にあった本店をこの地に移転しました。以来、和菓子やカリー、月餅、肉まんなど多岐にわたって展開していますが、実はそれぞれに歴史的背景があってのこと。たとえば1927年に発売したインドカリーは、亡命したインドの革命家を中村屋でかくまっていたことがあり、レストランを開設する際に「日本人にインド式カリーを知ってもらいたい」とメニューに提案したのがきっかけでした。ひとつひとつの商品にバックグラウンドがあり、それが今なお中村屋の長寿商品として伝統を紡いでいるのです。1953年に、中村屋が初めて外部に出店したのが伊勢丹さんでした。月餅の店だったのですが、それが現在は〈円果天〉と店名を変え、伊勢丹オリジナルブランドとして販売できていることも感慨深いものを感じます。
現在の立場になる前からの私の習慣ともいえるのが、週に一度はこの店のこの席に座ってインドカリーを食べること。ここからお客さまの姿を眺めていると、この10年を振り返るだけでも変化しているのがわかります。海外のお客さまの姿が目立つようになったり、一人でいらっしゃる女性のお客さまが増えたり…。そうやって街の姿や人の在り方は変わっても、中村屋は変わらない存在として歴史を紡いでいきたいと思っています。
レストラン&カフェ Manna
新宿区新宿3丁目26-13 新宿中村屋ビル地下2階
TEL 03-5362-7501
井田智晴(東京地下鉄 新宿駅務管区 管区長)
どんどん拡張する街
井田智晴(東京地下鉄 新宿駅務管区 管区長)
新宿エリアにある東京メトロ各線の駅全体――新宿駅、新宿三丁目駅、東新宿駅、北参道駅を統括する立場で働いています。キャリアのなかで新宿駅で勤務した経験もありますが、その頃と現在では新宿も様変わりしました。かつての新宿は歌舞伎町や新宿三丁目、西新宿など、各エリアが独立して点在しているイメージだったんですが、最近はそれぞれが拡張していった結果、境目がなくなり、新宿というすごく大きなひとつのエリアになった感じがしますね。往来する人たちも、ビジネスマンからレジャー目的の方、国内外の観光客の方まで、どんどん幅が広がっているのを感じます。
「マーケットレストランAGIO 新宿店」は、まだ新人の頃、先輩に「女性をエスコートできるようないいお店を一軒ぐらい知っておかないと」と、連れて来てもらったお店です。店内に石窯があるレストランがまだ珍しい時代で、初めてカルツォーネピザを食べて感激しました。早くこういうお店でデートできるようになりたいなと思ったのを覚えています。その後、この店でのデートは実現しましたが、結局想いは実らなかった残念な記憶が(笑)。ですが、今となってはそれも懐かしい思い出のひとつです。
伊勢丹新宿店 本館7階 イートパラダイス マーケットレストランAGIO 新宿店
新宿区新宿3丁目14-1
TEL 03-3354-6720
協力:東京メトロ
杉山元茂(すずや代表取締役社長・歌舞伎町タウンマネージメント代表)
新宿は僕のふるさと
杉山元茂(すずや代表取締役社長・歌舞伎町タウンマネージメント代表)
歌舞伎町で生まれ育った私にとって、「東急歌舞伎町タワー」の開業はすごくうれしい出来事でした。歌舞伎町一丁目の商店会長として開業までの関わりも深かったので、その分思い入れもあり、足繁く通ったことで人を案内できるぐらい詳しくなった場所でもあります。上方にあるのは、現代アーティストの西野達さんによる「新宿」という作品。新宿に縁のある歴史を感じられるものを使った作品にしたいということで、モチーフを探す段階で街を案内したのもいい思い出です。施設内でも思い入れがあり、地元の人間として自慢できるスタイリッシュな空間になりました。
歌舞伎町は今でこそ日本有数の繁華街ですが、昔は本当に普通の商店街でした。それが高度成長の波や新宿という立地の特性で大きく変貌したわけですが、街の開発に関わってきた人たちの存在なくして今日の姿はなかったと思います。戦後、まだ何もなかった時代に一般大衆の糧になるような娯楽の街にしようと東急歌舞伎町タワーの前身である新宿TOKYU MILANOを運営する東急、新宿東宝ビルの前身であるコマ劇場などの事業者を誘致したのが現在の歌舞伎町の発端。そうやってエンターテインメントの街として発展していった結果、今春の東急歌舞伎町タワー開業につながっているのは感慨深いものがありますね。
JAM17 DINING & BAR
新宿区歌舞伎町1丁目29-1 東急歌舞伎タワー17階
TEL 03-6233-8217
川元稔夫(J-clubオーナー)
川元順子
やさしさと愛が集まる路地裏
川元稔夫(J-clubオーナー)
川元順子
結婚して51年、このお店は一度リニューアルしましたが50年ずっと夫婦でやっています。私はもともと「伊勢丹新宿店」の従業員で、それがきっかけで主人とも出会ったんです。当時の伊勢丹は、業界初の週5日制を導入したり、2月と8月は5時半で閉店だったり、定休日があったりね。今では考えられないですけど、そんな時代でした。長いことお店をやっているので、3〜40年来てくださっている常連さんや、親子2代のお客さまもいらっしゃいます。夜は息子が中心でやっているので、息子のつながりの若い世代のお客さまもいて、なんだかんだ盛り上がっています。(川元順子)
僕は生まれも育ちもこの場所です。僕が小学校の頃は子どももいっぱいいたんですが、住む人は少なくなりましたね。個人店が減っていくなかで商売しているので、地域のつながりが薄れたかなと感じる部分はあります。でも僕はけっこう街行く人に声をかけちゃうタイプなんです。迷っているインバウンドの観光客とか、宅配のお兄ちゃんなんかも。そうすると人の流れや街のことがよくわかるんですよ。そういう感じでいろんな人となるべく話すようにして、お節介かもしれないけど昔ながらの下町っぽい感じでやっていますね。(川元稔夫)
J-club前
新宿区新宿3丁目17-21 川元ビル 1F
TEL 03-3352-3803
手塚マキ(Smappa! Group会長)
歌舞伎町のテロワールを味わってください!!
手塚マキ(Smappa! Group会長)
「新宿歌舞伎町能舞台」は戦前に建てられ、その後ここにマンションが建つ際に建物内に移築されたものだそうです。たまたま物件として売りに出ていることを聞き、能舞台を買うなんてなかなかできる経験ではないので、面白いと思って購入しました。いまは能の謡や仕舞の稽古、イベントなどで活用しています。
これまで歌舞伎町をベースにいろいろな事業をやってきましたが、正直なところ場所にそこまでの深い意味はありませんでした。ですが今後は、歌舞伎町という街の色を作っていけるようになりたいと思っています。今、日本に限らず世界中どこの都市も同じような風景になりつつあるじゃないですか。でも本来は、そこに土着のものがあって初めて土地の魅力が際立ち、特別な存在になるはず。僕自身もそういう土地ならではの気質や文化に触れるのが好きなので、歌舞伎町のテロワールを表現しつつ、ていねいに魅力を伝えていけるような存在でありたいと思うになりました。時代ごとの世相を反映するのが繁華街だと思いますが、どんなときでもこの街にくれば何かしらのカルチャーに触れられるようなコンテンツを作りたい。それが今まで自分が生きてきたこの街に対する恩返しであり、感謝の証でもあるような気がします。
新宿歌舞伎町能舞台
新宿区歌舞伎町2丁目9-18 ライオンズプラザ新宿2F
藤田佳祐(THE FOUR-EYEDオーナー)
中心
藤田佳祐(THE FOUR-EYEDオーナー)
歌舞伎町の片隅に「THE FOUR-EYED」をオープンしたのが2016年。今でもそうですが、当時から近隣には洋服屋なんてまったくなくて、「本当にこんなところに人が来てくれるのかな…」と半信半疑になりながらのオープンでした(笑)。でも“歌舞伎町にあるセレクトショップ”というパワーワードも手伝ってか、おかげさまで地方や海外からもお客さんが来てくれるまでになりました。
「なんでこの街を選んだの?」というのはよく聞かれるんですが、シンプルに言うと新宿だったから。東京には、原宿や渋谷のようなファッションの街はたくさんありますが、そこに集まるのは例えるなら専門学校のような趣味趣向が近しい人たちだと感じます。でも新宿は、とにかく生徒数の多いマンモス小学校みたいな感じ。優秀な子もいれば劣等生もいるし、不良もいれば生徒会長みたいな人もいるわけで、すごく均衡がとれていると思うんです。いろいろな個性が集まっているからこそ、何色にも染まることがないニュートラルなところだと思っていて、そういう場所でお店をやることで自分が本当に好きなものややりたいことにフォーカスしながら続けられるんじゃないかと思ったのが理由です。
今回撮影場所に選んだ「JACKPOT」は、新宿の街で長年愛されているインディペンデントなスタイルのセレクトショップの大先輩。シューティングコラボレーションなど、ショップの垣根を超えたコラボでもご一緒させていただいています。大先輩でありながら同志でもあり、いつ来ても刺激をもらえる心強い味方です。
JACKPOT
新宿区新宿3丁目22-11 サンパーク7F
TEL 03-3352-6912
柴本新悟(大阪家/Creators&Force 合同会社)
柴本アリサ(大阪家/Creators&Force 合同会社)
気分転換にちょうどいい
柴本新悟(大阪家/Creators&Force 合同会社)
柴本アリサ(大阪家/Creators&Force 合同会社)
新宿生まれ、大久保育ちの私にとって、「新宿バッティングセンター」は小さい頃から通っているなじみ深い場所。家族で焼肉を食べた帰りに父と来たり、小学生の頃やっていたソフトボールの練習をしたり…。大人になってからもお店の帰りや食事した後、気分転換したいときは自然と足が向きますし、バッティング好きの甥と一緒に来ることも増えました。街の雰囲気はけっこう変わりましたけど、ここだけはずっと変わらない印象ですね。(柴本アリサ)
歌舞伎町ゴジラロードにあるお好み焼き屋「大阪家」は、アリサの両親が始めて今年で43年。歌舞伎町という場所柄もあって、24時間営業しています。年代も性別も国籍も、本当にさまざまな方がいらっしゃるのがおもしろい。冗談抜きに、地球上の全人種が来ているんじゃないかと思います。まさか自分が新宿に住んで、飲食店を経営するなんて想像もしてなかったですが、人生何があるかわからないなと思います(笑)。(柴本新悟)
新宿バッティングセンター
新宿区歌舞伎町2丁目21-13
TEL 03-3200-2478
志村大介(フラワーコラボレーター)
24時間、365日
志村大介(フラワーコラボレーター)
東京生まれ、東京育ちの僕にとって、新宿は小さいときから定期的に立ち寄る場所。正直すごく身近な存在というわけではなかったんですが、新宿御苑のカフェ「Under the Tree」の植栽や、「伊勢丹新宿店」の売り場やウィンドウの装飾などで関わるようになって、大都会にふさわしい表現というものを意識するようになりました。新宿ってビルが立ち並ぶ街並みなので、自然を感じることが少ないと思います。そんな場所に花や植物のダイナミックな作品を展示することで少しでも自然を感じてもらって、ちょっとした癒しになったり、リセットできるきっかけになればいいなと思っています。
撮影場所に選んだ「大阪家」は、新宿で食事をするときに真っ先に候補に挙がる店。オーナー夫妻と知り合ったことがきっかけで店に行ったんですが、食べてみたらお好み焼きももんじゃ焼きもおいしくて、ちょくちょく通うようになりました。24時間365日やっているところが歌舞伎町のど真ん中にあるお店ならではという感じですが、それを実際にやり続けているところがすごいと思います。
大阪家
新宿区歌舞伎町1丁目17-12 第一浅川ビル B1F
TEL 03-3209-0760
石川敬子(喫茶 楽屋店主)
この店が遊び場だった
石川敬子(喫茶 楽屋店主)
昭和33年に祖母が始めて、母が継いで、その後2001年に私が継いだのがこの 「喫茶 楽屋」です。末廣亭の裏にある喫茶店ということで落語家さんたちが高座に上がる前後に寄ってくださったり、サラリーマンの方たちが休憩しにきたり、今も昔もいろいろな方の憩いの場になっています。
幼い頃から店にはよく遊びに行っていたので、たくさんの落語家さんたちにかわいがってもらいました。当時は子どもだから、落語家さんだなんてよくわかっていなくて、店によく来て遊んでくれるおじちゃんっていう感覚。5代目柳家小さん師匠が相撲を見ている膝の上に座らせてもらったり、橘家円蔵師匠と一緒に「末廣亭」のテレビ中継に出させてもらったり、みなさんによくしていただいた記憶です。
喫茶 楽屋
新宿区新宿3丁目6-4 2F
来住野正明(王ろじ店主)
新宿が故郷です
来住野正明(王ろじ店主)
この店は1946年に新宿三丁目に移転してきて今年で77年目、僕はこの場所で生まれ育ってもう64年になります。子どもの頃の遊び場といえばこのあたりなので、当然「伊勢丹新宿店」にもしょっちゅう行っていました。あまり大きな声では言えないけど、よくいたずらして遊んでいましたね(笑)。
よく新宿はゴミゴミしているとかうるさいとか言われますが、僕が幼かった時分と比べると随分きれいになりました。学生運動が激しかった1960年代後半には新宿騒乱事件なんていうのがありまして、新宿駅が占拠されたんです。学生と警察が衝突してすごい騒ぎで、催涙ガスが風に乗ってこのあたりまできちゃって、目がチカチカして涙が止まらなくなったこともありました。あの頃よりはかなり落ち着いた、平和な街になったのかもしれません。
20歳のときに店を継いで、あっという間に44年が経ちます。うちは親父が頑固もんでよそには真似できないとんかつを出すという強いこだわりがあったので、その姿勢を守って未だにやっています。おかげさまで親子三世代にわたって来てくださるお客さんがいたり、最近では海外のいろいろなメディアで紹介していただいているみたいでインバウンドの観光客が来てくれたり、ありがたい限りですね。
王ろじ
新宿区新宿3丁目17-21
TEL 03-3352-1037
川元隆史(J-clubオーナー)
花園小!! 最高!!
川元隆史(J-clubオーナー)
子ども2人がこの小学校に通っていたときにPTA会長を務めていた縁もあって、現在は地域協働運営委員として小学校の子どもたちと関わっています。月に4回ほど授業が始まる前に子どもたちと一緒にフリスビーや竹馬、バドミントンなどで遊ぶ「朝遊び」という取り組みのほか、季節の催しや地域の社会科見学を開催したり、地域の大人としていろいろな形でコミュニケーションをとっています。
僕が小学生だった時代は新宿エリアにも小学校がたくさんありましたが、都市化とともに統廃合が進みました。この花園小学校も25年前に統合されてできた学校。現在は全校児童で110人くらいです。児童が少ないからこそ学年を問わず仲がよくて、お互いの顔や名前も知っているし、地域とのつながりも強い学校だと思いますね。放課後も時間がある子はみんな校庭に隣接する公園に集まってサッカーをしたり、ゲームで遊んだり…。土の校庭がない小学校も多いなか、いろいろな意味で昔ながらの雰囲気が残る場所だと思います。新宿で商売をやっている家庭の子どもも多いので、未来の新宿の街の担い手でもあります。ここで生まれ育ったことに誇りを持って、大きく育ってほしいと思いますね。
新宿区立花園小学校
新宿区新宿1丁目22-1
TEL 03-3353-8276
飯沼伸二郎(東急株式会社新宿プロジェクト企画開発室)
歌舞伎町をエンターテインメントの街に!
飯沼伸二郎(東急株式会社新宿プロジェクト企画開発室)
新宿は、通りを1本隔てるだけで劇的に街の様相が変わるところが魅力。歌舞伎町、新宿二丁目、三丁目…、それぞれの文化がありながら、しっかり共存しているのが面白いところだと思います。歌舞伎町は繁華街だしあまり馴染みがない場所だったんですが、開発に携わるなかで街の方々とコミュニケーションを取るようになって、下町らしい人間関係が残っていることに驚きました。町内会のみなさんで神輿は担ぐし、おもしろいことに対して前向きだし、人間らしいつながりがあるところが興味深かったです。
そんな街の方々と一丸となって、歌舞伎町を盛り上げていこうというのが「東急歌舞伎町タワー」。戦後、焼け野原だった街をエンターテインメントで復興すべく、歌舞伎座を誘致しようと名付けられたのが“歌舞伎町”という地名の由来です。結局それは叶いませんでしたが、おかげで映画館やライブハウス、劇場などが集まってきたという歴史があります。「東急歌舞伎町タワー」の開発にあたっては、街の成り立ちを紐解き、どう発展していくのがベストなのかを考えました。歌舞伎町を世界へ誇るエンターテインメントの街として更に盛り上げるべく、エンタメ複合施設のハード整備に加えて、シネシティ広場に面して大きな屋外ビジョンや屋外ステージを設けて屋外劇場型のイベントを開催できるようにしたり、「Kabukicho Music Live」という路上アーティストを支援・育成するような取り組みを行ったり、さまざまな施策を実施しています。
東急歌舞伎町タワー
新宿区歌舞伎町1丁目29-1
加藤小太郎(素多亜オーナー)
新旧宿る文化のるつぼ
加藤小太郎(素多亜オーナー)
1967年(昭和42年)から新宿三丁目で喫茶店を営んでいるので、新宿はとても馴染み深い場所です。小さいころは父と待ち合わせて「伊勢丹会館」で食事をしましたし、学生時代は「カメラのさくらや」によく通っていました。店を継いだ今も、伊勢丹会館で⾷事をすることは多いです。
幼い頃と今では、新宿も様変わりしました。とくに副都心線が開業してからは埼玉や神奈川、千葉など近県からのお客さんが増え、インバウンドの流れとともに海外のお客さんも訪れるようになって、人の流れがどんどん活発になっているのを実感します。仕事帰りなどにあたりを歩くと、よく通った店が無くなっていたり、建物が近代的に新しくなったりと、街のたたずまいも急速に変わってきています。この変化を淋しく思う気持ちもありますが、前向きに捉えて新しい新宿らしさを楽しんでいきたいと思います。
伊勢丹会館
新宿区新宿3丁目15-17
TEL 03-3352-8711
木村一平(音楽イベント会社勤務)
たくさんのおもしろすぎる出会いと新しいエンタメがあふれているシゲキ的な街 新宿二丁目!!
木村一平(音楽イベント会社勤務)
20代前半のまだ二丁目に足を踏み入れて間もないころ、たまたま入ったお店で隣に座っていた年配の方がシャンパンのボトルをポーンと開けて「飲んだことないの?じゃあ飲んでみなよ」と、僕に振る舞ってくれたことがありました。この街にはそういう粋な大人がすごくいっぱいいてかっこいいなと思ったのを覚えています。ほかにもダンサーや芸術家、デザイナーの方など、いろんなクリエイティブな人にお会いすることも多くて、とっても刺激的でした。この街で過ごす時間はいつも本当に楽しいんですが、それは色恋とかではなく、今日どんな人に出会えるんだろうというワクワク感なんですよね。
エンターテインメント系の仕事をするようになったいま、改めて感じるのは、この街は本当にお客さんを楽しませようというホスピタリティやエンタメ精神にあふれているということ。なかでもドラァグクイーンの方たちは、飲み屋さんでもステージ上でも、クラブのフロアでも、いろいろな方向性のエンターテインメントを見せてくれるので、すごく楽しくて刺激的です。「Campy! bar」は、そんなドラァグクイーンの魅力を教えてくれた店。ここでいろいろな人と知り合ったり、失恋したときに泣かせていただいたり(笑)。お店に通うようになったきっかけは仕事の延長でしたが、気がついたらどっぷりハマっていました。新宿二丁目はLGBTQIA+の人たちをはじめいろいろな性的嗜好や考え方の人が集まる街ですが、これからも変わらず、お互いの楽しみ方をリスペクトできる人たちが集える街であってほしいと思います。
Campy! bar
新宿区新宿2丁目13-10 武蔵野ビル1階
TEL 03-6273-2154
※掲載している写真は撮影用のため着席しております。
藤田二郎(グラフィックデザイナー)
定番の散歩道
藤田二郎(グラフィックデザイナー)
千駄ヶ谷に住んでいた数年前まで、新宿は週に何度も散歩で来ていました。明治通りをずっと歩いて「世界堂」や「伊勢丹新宿店」を通過し、当時アルタの横にあった「百果園 新宿店」を折り返し地点にして戻るのがお決まりのコース。たまにルートを変えて、新宿御苑の「ぴーまん」まで足を伸ばして生ジュースで休憩したりも。約18年間、よく歩きましたね。仕事で煮詰まったときや考えごとをしたいとき、頭を空っぽにするのにちょうどいい気分転換でした。
散歩の途中によく立ち寄ったのが「世界堂」。画材など必要なものを買いに来ることも多かったですが、特に目的がない日でも普段あまり見ない売り場や棚を眺めて、文房具の新商品をチェックして…と仕事を離れて、店内を上から下までぶらぶらするんです。そのなかで新しい手法を閃いたことがあったり、インスピレーションを得たり、仕事にもいい影響をもらっていました。
世界堂
新宿区新宿3丁目1-1 世界堂ビル1F~5F
TEL 03-5379-1111
sogapyon(会社員)
行くたびに出会いがある
sogapyon(会社員)
「伊勢丹新宿店」も「ルミネ」もオフィスビルも雑居ビルも歌舞伎町もあって雑多で面白いのが新宿。本当にジャンル問わずいろいろな人やモノが集まっていて、常に盛り上がっている街だと思います。行くたびに新しい物事との出会いがあるのも好きな理由のひとつです。
「らんぶる」は、地下が広く、秘密基地っぽいところが気に入っています。赤い床と階段がゴージャスで、まるで舞台へ降りているような気分に。伊勢丹で買い物して疲れたとき、ここでピザトーストと、クリームソーダかレモンスカッシュを飲みながら、友達と他愛もない話をするのが至福の時間です。
名曲・珈琲 新宿らんぶる
新宿区新宿3丁目31-3
TEL 03-3352-3361
徳堂泰作(しんじゅQuality・社会福祉法人東京ムツミ会理事長)
コンガリおいしい みんな楽しい
徳堂泰作(しんじゅQuality・社会福祉法人東京ムツミ会理事長)
「しんじゅQuality」とは、新宿区内にある身体、知的、精神などに障がいのある方が働いているネットワークで、障がいのある方々の就労機会の創出と、地域交流を目指しています。それぞれの事業所で食品や雑貨などのオリジナル商品の製作や、企業や官公庁から受注した作業に励んでいますが、事業所が協働で取り組めるものがないかと2019年にスタートしたのが「しんじゅQuality みつばちプロジェクト」でした。
現在は、伊勢丹関連ビルの屋上で養蜂を行い、採取したはちみつを「MIELはちみつ」として活用しています。試行錯誤を経て収穫量も安定するようになり、2022年に誕生した〈匠の焼き菓子 CONGALI 文明堂〉では、「MIELはちみつ」を使用したお菓子として「ギュッとひとくちテイラ」を販売できるようになりました。
伊勢丹さん、文明堂東京さんなど名だたる企業がある新宿で、新宿という土地柄を生かした取り組みができることは、障がいのある方々やその家族、それに事業所で働く方々にとってすごく励みになっています。ましてやそれがひとつの商品として世に出るということは本当にうれしい出来事なので、これを途絶えさせることなく長く続けていけるかが今後の課題です。
新宿はいろいろな人がいる街ですが、そのなかには障がいのある方もいます。このプロジェクトや商品を通して、誰もが周囲の理解があれば社会に貢献できるし、共生していけるという当たり前のことを知ってもらうきっかけになればいいと思っています。
伊勢丹新宿店 本館地下1階 匠の焼き菓子 CONGALI 文明堂
新宿区新宿3丁目14-1
TEL 03-3352-1111(大代表)
しんじゅQuality みつばちプロジェクト
みつばちと新宿で生きる
中里仲司・今井康之・關田悦子・平 英人・石津伸次・水谷哲也・大島祐弥・山楯正人・井口智香・徳堂泰作(しんじゅQuality みつばちプロジェクト)
もともと新宿区にある自宅の裏で趣味として養蜂をやっていて、ご縁があってプロジェクトの立ち上げから指導に関わっています。多少は知識や経験がありますが、養蜂は特別難しいことはないので、みんなで仲よく作業しながら取り組んでいる感じです。本などで得た知識があっても、現実とは全然違うのが養蜂。とくにここ数年は気候変動の影響で、蜂が弱ってしまったり、害虫が発生することも多いので、みんなで毎年試行錯誤しながらやっています。(中里仲司/写真下段・中央)
障がい者の方々の作業を支える職員として、「しんじゅQuality みつばちプロジェクト」立ち上げから関わっています。利用者の方々はそんなに体が強くないので、炎天下の作業時などの体調管理にも気を配っています。作業をするうちに、自分たちが生き物を飼って命を支えているという意識が芽生えて出勤する回数が増えたり、インタビューなどで蜂のことを伝える機会をいただいて存在価値として認められたり、モチベーションにつながって仕事の成果も上がっているような気がします。(今井康之/写真上段・右から2番目)
ボランティアという形で作業のサポートをしています。はちみつを採るだけでなく、蜜蝋を活用したろうそくづくりや地域のお祭りに出店する際にお手伝いして関わっています。みなさんが一生懸命に作業してくださっているのを見ると、本当にいいなと思いますし、楽しくやらせていただいています。(關田悦子/写真下段・右)
蜂が活発になる春から秋は暑くて大変ですが、楽しいです。冬は冬眠できるように巣箱に新聞紙を敷いてあたたかくしてあげます。私は養蜂をするようになってから、はちみつが好きになりました。パンにかけて食べています。(平 英人/写真上段・左)
養蜂で自立している人のYouTubeを見て、そういった人生もあるんだなと思って役所の人に問い合わせてもらって活動に参加しました。メンバーさんたちもやさしくて、みんなで協力しあってやっています。代表の徳堂さんをすごく尊敬していて、僕の目標の人です。(石津伸次/写真上段・左から2番目)
蜂ってすごくデリケートで、病気になったり元気がなくなったりするので、子どもを育てるような気持ちでお世話しています。好きな作業は、女王蜂がいる王台を探すことです。うまく見つけないと分蜂して別のところに巣を作って近隣のご迷惑になるので、非常に大切な作業です。集中力がいりますが、やりがいをもってやらせていただいています。(水谷哲也/写真上段・中央)
4年ほど、週2回ここで蜂のお世話をしています。最初は蜂が苦手で怖かったけど、1年ぐらい経って慣れたのでだんだん蜂がかわいいと思うようになって、楽しくなりました。はちみつで作ったお菓子は、おいしいのでぜひ食べてみてほしいです。(大島祐弥/写真上段・右)
ときどき蜂に刺されることもありますが、もう慣れました。はちみつは甘くておいしいし、蜂を育てるようになってから充実しています。夏は暑すぎるので屋上で芋も育てていて、秋に収穫するのも楽しみです。(山楯正人/写真下段・左)
今年から参加したばかりですが、楽しく作業しています。巣箱を見たら蜂がちゃんと蜜を集めてくれたのがわかるので楽しいです。ここで採れたはちみつは、甘くて香りもよくて、いままで食べたことのあるはちみつのなかで一番おいしいと思います。(井口智香/写真下段・右から二番目)
新宿伊勢丹関連ビル屋上
藤居豊造(ビームス ジャパン サブショップマネージャー)
いつでも刺激的な場所
藤居豊造(ビームス ジャパン サブショップマネージャー)
「ビームス ジャパン」は、日本をキーワードにさまざまなモノやコトを紹介するキュレーション型のショップです。新宿という人種のるつぼともいえる場所にあることもあって、お客さまの層が本当に多彩。日本だけでもファッション好きな方からアーティストの方、さまざまなジェンダーの方も来られますし、ずっと新宿エリアにお住まいの高齢の方がいらっしゃることも。それに加えてインターナショナルなお客さまも多いので、毎日お店に立っているだけで本当に刺激になります。
それが新宿という街の醍醐味であり、この店のキャラクターともどこかリンクする気がします。とはいえ新宿のお客さまを意識して系統立ててセレクトしているわけではなく、バイヤーが日本全国をまわって、ただお客さまに改めて提示したいと感じたものを紹介しているだけ。でもそれが、この街で広く受け入れられているということなのかなと思います。今後も新宿といういろんな表情を持ち合わせた街で、日本を深掘りしたアイテムを紹介し続けていくわけですが、「新宿に来たら必ず立ち寄りたい」と思っていただけるような存在を目指したいと思います。
ビームス ジャパン
新宿区新宿3丁目32-6
TEL 03-5368-7300
小澤 梓(ビームス ジャパン ショップスタッフ)
日本のポップカルチャーの震源地
小澤 梓(ビームス ジャパン ショップスタッフ)
「ビームス ジャパン」の4Fにある「トーキョー カルチャート by ビームス」という東京から生み出されるアートやデザイン、カルチャーなどを通じて日本文化を発信していく売り場を担当しています。最近はインバウンドのお客さまもすっかり戻ってきて、街がさらに活気づいてきました。もともとそういったジャンルが好きだったので、働いていて楽しいですね。新宿という街はいろんな雑多なものが集まってできている印象なので、日本のポップカルチャーとの親和性も高い気がします。
「中華菜房 達磨」はお店の目の前にあることもあり、しょっちゅう利用しているお店。一人でランチに来ることもあるし、夜スタッフと飲むことも。「ビームス ジャパン」のスタッフはみんな割とそんな感じで、社員食堂のようになっています(笑)。私が頼むのは、毎回もやしそば一択。もともともやしが好きというのもありますが、野菜がたっぷり入っていて量が多いのでこれだけで満足感が得られるところがお気に入りです。
中華菜房 達磨
新宿区新宿3丁目31-5 新宿ペガサス館1F
TEL 03-3352-3337
森本 慧(文化服装学院専任講師)
新宿の癒しの味 絶品フレンチトースト
森本 慧(文化服装学院専任講師)
学生時代を文化服装学院で過ごし、その後講師として文化服装学院に勤めています。初めて新宿に来たころの印象は、ビルがありすぎて迷路のような街。とりあえず学校の近くと東口の「アルタ」を足がかりに、そこから少しずつ新宿の街の構造を理解していった感じですね。ビルだらけかと思っていたら、少し歩くだけで「新宿御苑」のような緑にあふれた場所があったり、おいしいごはんやさんがあったり、いろいろな表情があるのが新鮮でした。
「CAFE AALIYA」は、フレンチトーストに目がない僕のお気に入りの場所。実家の朝食は、平日はフレンチトースト、土日はクレープが定番でした。東京でその味を食べられる店を求めて、いろんなお店のフレンチトーストを食べ歩きました。学校の自由研究で、本当は服やファッションについて研究しないといけないのに、フレンチトーストを題材にしたくらい好きな食べもの(笑)。この店のフレンチトーストは、パンの耳がなくてふわふわで、中まで味が染みていて、僕が慣れ親しんだ味に一番近いんです。水曜日の午後は授業がなかったので、学校帰りにここに来て、ランチをして帰るのがお決まりのコースでした。今回久しぶりに食べましたが、やっぱり変わらない味でうれしくなりますね。
CAFE AALIYA
新宿区新宿3丁目1-17 山本ビルB1F
TEL 03-3354-1034
矢野理絵(伊勢丹新宿店 婦⼈カテゴリースペシャリスト)
心の底から繋がり合える場所
矢野理絵(伊勢丹新宿店 婦⼈カテゴリースペシャリスト)
新宿にある大学に通うために上京したあの日から、かれこれ10年以上経ちますが、まだまだ未開拓の場所ばかり。奥が深い街だなと思います。
先輩に教わって以来、お気に入りのお店が韓国料理の「モンシリ」。コロナ前は、年代は違えど仲のよい3人でホルモン鍋をつつきながら深夜2時まで(!)、ときには涙しながら、たくさんの話をした思い出の場所。うれしいことがあったときや、アドバイスが欲しいときに誘い合って行きたくなります。厳しいことも愛情を持って伝えてくれる2人は、私にとって心の支え。明日からも頑張ろう!という気持ちになります。
私のファッションに対する感覚はもちろん、人間性や価値観など、すべてにおいて変化するきっかけを与えてくれた「伊勢丹新宿店」。私もお客さまやともに働く仲間にとって、そういう存在になれるよう精進していきたいです。
モンシリ
新宿区歌舞伎町1丁目1-5 1F
TEL 03-5155-7646
ウスイ ダイスケ(会社員・フリーランス)
自分の半身を作り上げた街
ウスイ ダイスケ(会社員・フリーランス)
新宿を訪れるたびに感じるのは、安心感。学生時代から今に至るまで通い続け、自分の半身を作り上げたと言っても過言ではない街です。新宿3丁目やゴールデン街で、何度夜を明かしたか数えきれません(笑)。そのなかで、学生時代から時々お邪魔している思い出深い飲み屋さんが「どん底」。大学生の頃、三島由紀夫氏や黒沢明氏が愛した店と聞いて、おっかなびっくり初めて入店したのを覚えています。店名よろしく、どん底な気分の時に気を紛らわせたくて訪れることもあれば、良いことがあった時により楽しい気分になりたくて訪れることもありました。どんなシーンでも受け入れてくれる、懐の深い飲み屋さんです。
伊勢丹は、敷居の高い憧れの百貨店でした。特に新宿店はファッションのイメージが強く、高校生の頃から服が好きだったものの、とてもじゃないけど手が出せない品ばかり。足を踏み入れるのすら、躊躇われる場所。そう感じつつも音楽家/文筆家の菊地成孔氏が、ラジオやブログで定期的に「伊勢丹新宿店」の話をされていて、氏の言葉を通じて行きたいという気持ちが高まり、「どん底」を初めて訪れたのと同じ頃に伺いました。それから月日が経ち、今では服だけではなくお酒や食品、うつわ、調理器具、化粧品やインテリアなど、自身の好きなものがすべて詰まった、どんな時に訪れても楽しい、大好きな場所です。
どん底
新宿区新宿3丁目10-2
TEL 03-3354-7749
岩田紗羅(伊勢丹新宿店 婦⼈・宝飾時計・雑貨・⼦供営業部ソーシャルメディア担当 兼 本館1階ISETAN Seed/Leaf アシスタントセールスマネージャー)
遊園地みたいな場所
岩田紗羅(伊勢丹新宿店 婦⼈・宝飾時計・雑貨・⼦供営業部ソーシャルメディア担当 兼 本館1階ISETAN Seed/Leaf アシスタントセールスマネージャー)
イラストレーターとして活動していた頃、よく画材を探しに入り浸っていた「世界堂」。幼少期から面白い文房具や画材を探すのが好きで、画材店を見つけては覗き込んでいました。なかでも圧倒的なラインナップの「世界堂」は、ときめきと新たな発見がつまっていて、「このインクだったらもっとこういう表現ができるかな?」「この紙よりこっちの紙の方が完成した時の質感がいいかな?」と、創作欲や表現欲が湧き、わくわくした気持ちに。画材店を見るのが大好きだった子ども時代のようにはしゃぎたくなります。
母が学生の頃から「伊勢丹新宿店」のファンで、私が生まれてからも毎週のように家族で通っていました。お決まりのルーティンは、「リ・スタイル」で母の服を選んでから私のおもちゃを探しに行き、最後に食品フロアでフルーツジュースを飲むこと。母がキラキラした洋服を手に取ってうれしそうにしている姿や、選べないくらい沢山のおもちゃにときめいたことを今でも鮮明に覚えています。大人になった今、世界堂と同じく“表現したい”という欲求を叶えてくれる伊勢丹新宿店は、来店するたびにときめき、新たな発見にわくわくする遊園地のような場所です。
世界堂
新宿区新宿3丁目1-1 世界堂ビル1F~5F
TEL 03-5379-1111
かずよ(会社員)
#走ってコーヒーめぐり
かずよ(会社員)
我が家からだと乗り換えないと行かれないのに、家族とも、友達と一緒のときもいちばんよく出かける場所が新宿でした。母がよく買い物に来ていたのは駅からいちばん遠い伊勢丹で、お昼は毎回「銀座アスター」。子供のころから数えると、きっと何十回も改装していますが、今でも「あのブランドは◯階のあの辺り」とわかります(笑)。のんびりと上階から降りていきながら各フロアをお散歩したり、屋上のベンチに座って、「アンデルセン」で買ったサンドイッチを食べながら庭園を眺めるのが、私の大好きな伊勢丹時間です。
撮影場所に選んだ「ALL SEASONS COFFEE」は、今も続いている「#走ってコーヒーめぐり」を始めた頃のきっかけにもなったお店のひとつ。おいしいコーヒーの味と香りに癒されます。夏の暑いとき、真冬の寒いとき、走っている途中に寄ってスタッフさんとおしゃべりしたり、壁側の席に座ってコーヒーを淹れる作業を見ているのが好きなのです。
ALL SEASONS COFFEE
新宿区新宿2丁目7-7 1F
TEL 03-5341-4273
yoshiko(主婦)
大人の世界に溢れた街
yoshiko(主婦)
「新宿 PIT INN」は、JAZZが大好きだった亡き父との思い出の場所。新宿がエネルギーに満ち溢れていた時代からある老舗のJAZZ CLUBです。新宿で生まれ育った私は、幼い頃から家業の寿司屋が定休日だった毎週月曜日に家族で外食をするのが定番でした。食通の父が選ぶのは、新宿西口、東口、歌舞伎町あたりの店。学生になると、食後に当時伊勢丹新宿店のそばにあった「新宿 PIT INN」に、私だけを連れて行ってくれたのが懐かしい思い出です。入口は暗く、まわりは大人ばかりでしたが、目の前で生で聴くJAZZはドキドキするカッコよさで刺激的でした。大人の世界に溢れた新宿を感じた青春時代だったし、今でも一番好きな新宿の雰囲気として記憶に残っています。
そんな私を形作っているものすべてがある街が新宿。街自体が思い出です。時代と共に変わりゆく新宿を見てきて、変わっていく寂しさもありますが、今でも進化しながら日本の中心にある特別な街だと思います。その混沌としたところが好きなのかもしれません。
新宿 PIT INN
新宿区新宿2丁目12-4 アコード新宿B1
TEL 03-3354-2024
TOMAI(会社員)
好きなことが叶う街
TOMAI(会社員)
新宿は、服を買う、レコードやCDを買う、ライブや映画、演劇を観るなど、好きなことが叶う街。大学生の頃は、新宿ロフトでのライブやロフトプラスワンでのイベント、紀伊國屋ホールでの観劇の前にレコードを探しに行くことが多かったです。
大学生の頃よく通っていた「ディスクユニオン 新宿中古センター」は、まだサブスクのなかった時代、多くのレコードやCDを購入し、さまざまな音楽に出会うきっかけになった店。これまで知らなかった音楽にどんどん出会っていた頃の高揚感を思い出します。大学2年生の時、高校生の頃からずーっと探していたバンドのレコードを見つけ、思わず店内で「やったー!」と喜びを声に出してしまったことも。まわりにいたほかのお客さんに「よかったね」と声をかけてもらったのがいい思い出です。
ディスクユニオン新宿中古センター
新宿区新宿3丁目17-5 T&TⅢビル3F
TEL 03-5367-9530
伏貫 諒(三越伊勢丹 営業戦略統括部 販売促進部 企画 プランニングスタッフ)
ホッと一息つける都会のオアシス
伏貫 諒(三越伊勢丹 営業戦略統括部 販売促進部 企画 プランニングスタッフ)
新宿は大都会・東京を象徴する街で、常に人があふれて活気がある場所。地方出身の僕にとっては新しさや美しさ、憧れが詰まったところです。一方でどこか忙しなく、ふと立ち止まる隙さえもないような緊張感を感じる部分も。多彩な要素や個性が混じりあった、まさに“カオス”というワードがピッタリな街だと思います。学生時代からずっと、世界の最旬・最新が揃っている唯一無二の場所というイメージは変わりませんが、伊勢丹で働いているいまは、その最旬最新・唯一無二のイメージを保ち続け、より向上させていくことが使命だと感じています。
そんな新宿にありながら、都会の喧騒を忘れてホッとさせてくれる心の拠り所のような存在が「swamp」です。細い路地裏にある立地やお店の雰囲気と、バリスタの石川篤希さんのキャラクターのおかげでいつ行ってもリラックスすることができます。自宅から職場への沿線にあるので早朝出勤の前にフラッと立ち寄って、石川さんと会話を楽しみながらおいしいコーヒーをいただくのが定番です。
swamp
新宿区西新宿7丁目21-12 れんげ荘105号
TEL 03-6683-2584
愛(メゾンブランドに働く三姉妹のママ)
私のライフスタイル
愛(メゾンブランドに働く三姉妹のママ)
私にとって新宿といえば伊勢丹、伊勢丹といえば新宿。一人で気分転換に行く場所でもあり、家族で行く場所でもあり、友人と集まる場所でもあり、素敵な店員さんに会う場所でもあり…。伊勢丹新宿店は私のライフスタイルであり、生活の一部になっています。
なかでも伊勢丹の屋上は、我が家の子どもたちが新宿で一番好きな場所。三姉妹とも0歳の頃から遊びに来ていて、芝生にレジャーシートを敷いて過ごすのが定番でした。まずはごろんして、次はハイハイして、その次に2歩、3歩と歩く練習をして…、成長を感じることができた場所でもあります。新宿の雑踏を忘れさせてくれる家族の憩いの場所で、都会のオアシスのような存在です。
伊勢丹新宿店 本館 屋上/アイ・ガーデン
新宿区新宿3丁目14-1
TEL 03-3352-1111(大代表)
YuKA(会社員)
刺激的。だけどノスタルジック。
YuKA(会社員)
新宿は、いろんな人がいるめちゃくちゃな街だと思います。ギラギラした歓楽街がある一方で新宿御苑のようなオアシスもある。客引きのお兄さん、低く飛ぶ飛行機…全く美しくない、整ってもいない。でも、だからこそなんでもありで、なんでも許される気もします。街を構成する人、場所、空気すべてが新宿の魅力なんだろうなと思います。
そばを通るだけで季節を感じたり、非現実に引き込んでくれるのが「花園神社」。春は桜がいち早く咲きますし、日々芝居小屋のテントが立ち、役者さんたちの声が聞こえてくる。そして夏の盆踊り、酉の市…。ゴールデン街で飲みすぎたらちょっと夜風にあたりに行ったり、一年を通してノスタルジーと興奮を与えてくれる新宿らしい神社だなと思います。
そんな日本一雑多な街に燦然と輝く「伊勢丹新宿店」は私にとって日本一の百貨店。凛とした佇まいは、新宿をより「なんでもある場所」にしてくれているように思います。新宿にあるからこそ、私はより伊勢丹が大好きだし、伊勢丹があるから新宿が好きです。重厚感と高級感があるのになぜか優しいイメージのある伊勢丹新宿店。いろんな人が行き交って、目まぐるしく移り変わる街の中で、常に変わらず優しく迎え入れてくれる、私にとっては実家のようなお母さんのような存在です。
花園神社
新宿区新宿5丁目17-3
TEL 03-3209-5265
石原 彩(伊勢丹外商部 シニアプライベートスタイリスト)
しんじゅくは、わたしの、、、生きがい♡
石原 彩(伊勢丹外商部 シニアプライベートスタイリスト)
いつの間にか、新宿は帰りたくなる街になっていました。旅行が好きで、国内外の素敵な街も魅力がありますが、新宿のネオン街を見ると「帰ってきたなぁ~」となぜかホッとします。
そんな新宿にあるお気に入りのお店が「ブルックリンパーラー新宿」です。ここはオンとオフを一旦リセットできる場所。インテリアが好みで、来るたびにテンションが上がります。〈ピート・へイン・イーク〉のテーブルや椅子、海外の本…好きな物だらけで居心地がいいです。
そして、私の人生を変えた場所でもあります。この店で外商部に来ないかと誘われて、人生が豊かになりました!素敵なお客さまたちと出会い、たくさんのご縁が生まれました。このセットアップも大好きなお客さまのブランド〈ボーダーズ〉です。好きな洋服を着て、おいしいサラダを食べながら、うれしいことも悲しいこともすべてココで語らっています。この1年間で1番通った大好きな「ブルックリンパーラー新宿」。私にとってのパワースポットです(笑)。
ブルックリンパーラー新宿
新宿区新宿3丁目1-26 新宿マルイ アネックス B1F
TEL 03-6457-7763
Reiko M.
私のホームで、日常
Reiko M.
幼い時からずっと一番身近な都心で、第2の地元のような場所が新宿。ラグジュアリーな所も、猥雑な所もあり、東京がギュッと詰まっている飽きない街です。
そのなかでも伊勢丹新宿店は、私のホームであり日常です。売場を把握しているので安心感があり、お出かけした帰りに地下の食品フロアに行くためだけに立ち寄ることも。一方で新しい刺激を与えてくれる場所もあり、商品や見せ方で驚きや感動も提案してくれます。アットホーム&アメイジングな、私の大好きな大事な居場所です。特に本館3階のファッションフロアは、伊勢丹新宿店での私のベースのような存在です。なかでも「リ・スタイル」は先端のセレクトが揃っていて、私にとってオシャレのチャレンジエリア。“どうだろう?”と迷いながら試着して、鏡の中の自分と目を合わせて、“よし!これだ!”と気持ちが上がります。
伊勢丹新宿店 本館3階 リ・スタイル試着室
新宿区新宿3丁目14-1
TEL 03-3352-1111(大代表)
ぶん(貿易会社勤務)
ケンタ(航空関連)
家族の思い出がたくさん!
ぶん(貿易会社勤務)
ケンタ(航空関連)
新宿に行けば何か手に入る、なんとかなる…、と小さな時から今でも思っています。新しいブランド、お洋服から、食品など、伊勢丹新宿店で扱っているだけで、絶大な保証書がついたような気がして、モノを選ぶ時の指針に。チャレンジなところ、エッジの効いたセレクト、売れればよいと思っていないところが大好きです。
息子のお宮参りのお祝いと、成人のお祝いをしたお店が「水たき玄海」。家族のお誕生日会でもたびたび伺っており、子供の頃は玄関の太鼓を叩きたがった息子が成人のお祝いをするまでになったのだな…、と親として感慨深かったです。そういえば、成人のお祝いの際は、「伊勢丹写真室」で記念撮影をしたあとに伺いました。家族の思い出がたくさんあるお店で、ここを訪れるとホッとします。(ぶん)
水たき玄海
新宿区新宿5丁目5-1 玄海ビル
TEL 03-3352-3101
miho.k(会社員)
思い出のショーウィンドウ
miho.k(会社員)
子供のころからよく訪れていた、なんでもできる街が新宿。伊勢丹新宿店は、隅から隅までウォッチしたい大好きなスポットです! いつも華やかで目の保養になるショーウィンドウも好きな場所。12年ほど前に、飼っているチワワのエディの写真がディスプレイに使われた思い出のスポットでもあります。そんな場所で、撮影当時には生まれていなかったチャーミーも家族に加わり、家族写真を撮ることができたのが感慨深いです。
伊勢丹新宿店 本館 ショーウィンドウ
新宿区新宿3丁目14-1
TEL 03-3352-1111(大代表)
Lapislazuli(会社員)
これからも、よろしく
Lapislazuli(会社員)
「伊勢丹新宿店」は私にとって新宿そのもの。食料品フロアからレストラン街まで、幾度となく家族で過ごしてきました。館内の変遷を見てきた身としては、その思い切りのよさにいつも感心させられます。限られたスペースを最大限生かし、思い切った選択と集中をしているという印象で、同じブランドの店でも伊勢丹新宿店のディスプレイはどこか違うんです。海外からお客様を迎える際は必ず伊勢丹新宿店を案内するようにしていますが、みなさんそれぞれの観点で魅了されてくれるので、私にとっても自慢の場所です。イセタニスタの私としては、大切な場所を独り占めしたい気持ちと多くの方に注目され続けて欲しい気持ちが入り混じります。
本館2階の「The Stand」は、母と頻繁に利用している大切な場所。買い物の途中や、ふとした時に気分転換に立ち寄る、ホッとできるスポットです。必ず頼むのは、ラテアート付きのカフェラテとクロックムッシュ。なじみの店員の方との何気ないおしゃべりも楽しみのひとつ。ときには隣の外国人客と会話になることも。いつも変わらないサービスで、心穏やかでないときでもここに来ると落ち着くので、本当に感謝しています。これからもよろしくお願いします。
伊勢丹新宿店 本館2階 シャンパーニュバー ザ スタンド
新宿区新宿3丁目14-1
TEL 03-5357-7990
ユウキ(会社役員)・アスカ(公務員)・カレン
非日常な時間をいただく
ユウキ(会社役員)・アスカ(公務員)・カレン
新宿は洗練と雑多が同居する街。伊勢丹新宿店のほか、百貨店やセレクトショップ、高級ブティックが数多く並びながらも、歌舞伎町やゴールデン街、思い出横丁などの繁華街もあってカオスな街のイメージです。日曜日に歩行者天国を歩くと「あぁ、東京だ〜」とつい思ってしまいます。
「珈琲西武」は、私たち夫婦がまだ入籍前に付き合っていた頃、オムライスとパフェをお目当てに行った思い出の場所。苺に目がない私は、苺柄のニットを着て季節限定のイチゴパフェを食べたのが記憶にあります。赤いベルベットのソファやステンドグラスの装飾など、昭和レトロな雰囲気で、平成生まれの私でもついつい懐かしい気分になり、ゆっくりしてしまうーーそんな非日常な時間をいただける素敵な場所です。(アスカ)
珈琲西武
※珈琲西武は現在閉店。2023年10月歌舞伎町に移転。
カルヂナリ・バルバラ・ユキ(文化服装学院高度専門士科4年)
新宿は発見のまち
カルヂナリ・バルバラ・ユキ(文化服装学院高度専門士科4年)
「オカダヤ」には、愛知で服飾系の高校に通っていたときから通販でお世話になっていて、文化服装学院に進学してからはたくさんのインスピレーションをもらっています。レースやファー、毛糸…いろんな素材やパーツがたくさん並んでいるのでいつでも発見があるし、新しい創作意欲が湧いてくる場所です。よく行くフロアは、ファスナーや糸、紐などが揃っている4階の服飾資材コーナー。今日撮影した5階は色とりどりの毛糸や雑貨があるので、感性をアップデートするために足を運ぶことが多いですね。
初めて新宿に来たときの印象は、建物がすごく詰まっていて、情報量が多いこと。ずっと上の方を向いて歩きながら、「ビルが高いな」「いろんな色があるな」と圧倒されました。そのときの記憶をもとに、服を作ったこともあります。私が生まれ育った場所のカントリーな感じの要素と、新宿で感じた目まぐるしいほどの情報量のコントラストを柄やアタッチメントに取り入れて、シャツとスカートのセットアップで表現しました。普段から自分の感じたことや記憶、日常の何気ないことから服を作ることが多く、ビビッドなものからインスパイアされるタイプなので、もっといい刺激をもらえるんじゃないかと思って最近新宿に引っ越してきたところです。来春から服飾デザイナーとして働き出す予定ですが、私にとっていい刺激や情報にあふれたこの街に、新たな刺激をもらいながらがんばりたいと思います。
オカダヤ新宿本店
新宿区新宿3丁目23-17
TEL 03-3352-5411(大代表)
大輔(会社員)
憧れと身近さ
大輔(会社員)
日本で一番元気のある街、それが新宿だと思います。自分の人生は新宿抜きには語れませんが、そんな街にある「伊勢丹新宿店」は、子どもの頃から学生時代、そして今に至るまで一緒に歩んできた居場所。憧れと身近さを感じる百貨店です。
歩いている人みんな活力に溢れているこの街で、僕が唯一落ち着ける隠れ家が「素多亜」。新宿三丁目の真ん中にありながら、お店に一歩足を踏み入れるだけで喧騒を忘れられる唯一無二の空間です。どことなく僕の地元の中央線の香りがする喫茶店で、ホッとできます。友人との待ち合わせや、新宿でゆっくりしたい時に訪れたい場所で、カウンターでゆっくりコーヒーをいただくのが好きです。
素多亜
新宿区新宿3丁目17-24 スタービル B1F
TEL 03-3354-3688
松岡 歩(伊勢丹新宿店 メンズ館 プランニングマネージャー)
“挑戦の原点”
松岡 歩(伊勢丹新宿店 メンズ館 プランニングマネージャー)
学生時代、四年制大学とダブルスクールで文化服装学院の夜間コースに通っていました。ここは、秋の文化祭でファッションショーをやった場所。年齢も背景も多種多様なメンバーでしたが全員でひとつのことに向かい、積み上げることに全力になれたことは貴重な経験であり、思い出です。
あの頃は、無我夢中で新しいことに挑戦していました。それが今の自分を構成する大切な要素であり、未来に向けても大切にしていくべき要素であることを思い出すとともに、“常に新しいことに挑戦する”大切さを再認識させられます。
働くうえでも、あらゆる多様性を持ったコンテンツの共創の場であり続けることを意識しています。「伊勢丹新宿店という場所を使ってどんな表現をするか?それはなぜか?」とパートナーと考え抜くことで、新しい価値を共に生み出していきたいです。
文化服装学院で触れあった挑戦の風土、新宿という街の特性、そして伊勢丹新宿店の伝統と革新性――これらをかけ合わせることで、新しい価値創造をし続ける“場”を目指していきます。
文化服装学院 J館屋上
小倉麻代(伊勢丹新宿店 メンズ館1階 メンズコスメ セールスマネージャー)
キャリアを変えてくれた場所
小倉麻代(伊勢丹新宿店 メンズ館1階 メンズコスメ セールスマネージャー)
入社4年目に、メンズ館6階=メンズコンテンポラリーの副責任者に就任しました。その際スタートしたのが、会社公認のSNS個人アカウントの運用。自分がメンズのお洋服と向き合うなかで見つけた着こなしのスタイルを見ていただき、足を運んでいただくきっかけになればと始めたInstagramでしたが、次第に共感してくれるお客さまが増え、一定の反響を得るまでになりました。
もともと体型にコンプレックスがあった私は、メンズ館に配属された後も、なかなかファッションに前向きになれませんでした。そんな私の価値観が大きく変わったのは、メンズライクなスタイルを楽しむ、そして時には私自身がメンズのお洋服を着られるようになったことがきっかけだったと思います。お客さまや家族、同僚に褒められる機会が圧倒的に増えて以来、貪欲にファッションを学び、その知見をお客さまに還元できるようになりました。ファッションが自分らしさをつくる。お客さまやファッション好きの同僚、先輩たち皆が知るその感覚が初めて理解できたとき、次のキャリアが開けていったのです。
伊勢丹新宿店 メンズ館6階 メンズコンテンポラリー
新宿区新宿3丁目14-1
TEL 03-3352-1111(大代表)
渡辺慎道(文化服装学院流通科スタイリストコース2年)
遊戯場
渡辺慎道(文化服装学院流通科スタイリストコース2年)
中学のとき、遊びに来ていた原宿でたまたまファッションの撮影をやっているのを見て、スタイリストになろうと決めました。日本でファッションといえば東京だと思ったので、文化服装学院に進学しましたが、それが僕にとって初めての新宿。とにかく人の多さがやばくて、ちょっと怖かったです。田舎出身なので、こんなに人がいるんだ!?という感じで(笑)。海外の方がたくさんいることにも驚きました。僕が上京したのはコロナ後だったので、あとから聞いたらそれでも少なかったタイミングだったみたいですが、日本じゃないみたいだと思いましたね。新宿に通うようになってもうすぐまる2年。相変わらず都会だなという感覚は変わらないですが、いい街だなと思います。
ダーツは、父がハマっていたのがきっかけで始めました。最初はルールも分からなくてただ投げるだけだったんですが、父の手ほどきで投げ方やいろんなゲームのルールを教えてもらってから楽しくなってハマった感じです。自分の狙った通りの場所や、ブル(中央)に当たったときの爽快感はたまらないですね。あとは大人数で盛り上がれるところもいいと思います。ここは学校の友達と来たり、父が上京したときに一緒に来たこともある思い出の場所です。
BAGUS 新宿靖国通り店
新宿区新宿3丁目15-11 アドホック新宿ビル B1
TEL 03-5360-1191
貴子(会社員)・麻美(高校教員)
三割増し
貴子(会社員)・麻美(高校教員)
私がまだ子どもの頃のこと。とても上手な写真館があって、そちらで撮影したお写真は本人より三割増しほどに見えるという噂話を聞きました。それが「伊勢丹写真室」で、「大切な時には絶対に伊勢丹写真室にお願いしなくちゃ!」と幼いながらに思ったことが懐かしく思い出されます。
その後、私の振り袖にはじまり、一人で、夫と、子供たちと、両親も交えて大家族で…と、人生の節目ごとに何度も写真を撮っていただきました。写真を見返すと、時間の経過を感じるとともにあの頃の懐かしい思い出が鮮明に蘇ります。幸せな時間を上手に切り取っていただいたお写真の持つ素晴らしいパワーを改めて感じます。
今はスマホでも綺麗な写真が手軽に撮れるようになりました。それでも、人生の大切な時は、伊勢丹写真室にお願いしたいと思います。確かに、割増しに見えます(笑)。(貴子)
伊勢丹写真室 新宿店
新宿区新宿3丁目14-1 パークシティ3・3階
TEL 03-3225-2814
8ri(会社役員)
いつもありがとう
8ri(会社役員)
伊勢丹新宿店に最短で行ける、やんごとなき改札。上りも下りも、細くてちょっぴり急なこのエスカレーターに助けられています。
伊勢丹に行くには、何がなんでも15時までに改札を通過したく、なぜなら最短で伊勢丹に入店できる改札なのです。ホームから地上に上がるエスカレーターで、その日のお買い物計画をシミュレーションして「アレとコレとこの廻りで行ったら上手く行くかな?」なあんてグルグル考えながら。
そして帰りは帰りで、最短でホームに下りることができるから、できれば15時以降に通過したい。美味しいものをたくさん買い込んで、荷物がたくさんあってもへっちゃらです。
東京メトロ 副都心線 B3 出入り口
深津加奈(伊勢丹新宿店 リ・スタイル スタイリスト)
カレーといえばここ。
深津加奈(伊勢丹新宿店 リ・スタイル スタイリスト)
カレーが大好きな私にとって、新宿三丁目でカレーといえば「CHIKYU MASALA」。訪れるのは決まって、ひとりで黙々とカレーが食べたくなったとき。食後に飲むチャイも楽しみのひとつです。
とても落ち着く空間で、仕事を忘れて、休日のような気分になることも(笑)。店を出るころには、また明日もカレーが食べたいという気持ちになっています。
偶然居合わせたお客さんと、お店の人を介してお話ししながらカレーを食べたこともいい思い出です。
CHIKYU MASALA
新宿区新宿3丁目11-12 207
志村里沙(伊勢丹新宿店 クローバーショップ スタイリスト)
新宿で飲むならココ!
志村里沙(伊勢丹新宿店 クローバーショップ スタイリスト)
もともと赤提灯系の居酒屋さんが大好きで、会社の先輩に教わって初めて訪れた時からお気に入りのお店になったのが「呑者家 銅鑼」。以来、残業があったときや、仕事のあと喉が渇いたときに(笑)、どこへ行くか迷ったらここに足が向いています。誰かと飲むことが大好きなので、この場所にいると楽しくなってついつい飲みすぎてしまうときも。お酒を飲みながら、お店にいる人たちを人間観察するのも楽しみのひとつです。
新宿は、色々な文化と人種が交わる海外のような街。ハイブランドの路面店や新しいショップがオープンしているかと思えば、ひとつ路地を入ると昔からのディープな飲み屋さんもたくさんあって、古き良き文化とトレンドがミックスしているのがおもしろい。そんな場所にある「伊勢丹新宿店」は、一人ひとりにとっての“新しい”に出会える場所。私自身、三越伊勢丹に入社してファッションの楽しさを知りました。最先端のブランドやトレンド、一人ひとりに合ったコーディネートなどを学んだことで、これまで知らなかった新しい自分に出会えたように思います。
呑者家 銅鑼
新宿区新宿3丁目9-5 ゴールドビルB1
TEL 03-3226-0919
嶋崎信也(伊勢丹外商部 セールスマネージャー)
いつまでも虹のような場所であったらいいな
嶋崎信也(伊勢丹外商部 セールスマネージャー)
約30年前に入社してから25年間、このメンズ館の建物の中だけで仕事をしてきました。たくさんのお客さまと出会えた最高の場所であり、たくさんのお客さまから怒られた最悪な場所でもあります(笑)。店内を歩かれているお客さまの会話をよく聞くようにしていますが、「メンズ館は上から下まで品揃えが凄いね」などと言ってもらえると本当にうれしくなります。
私の社会人生活のすべてがここにあると言っても過言ではなく、このお店全体が自分のお店という思いで働いています。すべてのお客さまにいつでもやさしいお店になることが私の目標です。
伊勢丹新宿店 メンズ館
新宿区新宿3丁目14-1
TEL 03-3352-1111(大代表)
聖子(会社員)
レディな気分に
聖子(会社員)
小学生の頃、休日になるとクリームイエローのトヨペット コロナ マークII1700ハードトップに乗って、家族みんなで伊勢丹に出かけました。「伊勢丹ダイニング」でお昼ご飯を食べ、ショッピングを楽しんでから帰宅するのがお決まりの過ごし方でした。当時はだだっ広い大食堂だった「伊勢丹ダイニング」は、色々なお店のメニューを選ぶことができ、「銀座アスター」のアスター麺をよく頼んだ記憶です。
タキシード姿の男性が席まで案内してくれて、いつの頃からか「いらっしゃいませ」のほかにも言葉を交わすようになりました。「お父さんと弟さんは、テーブルでお待ちですよ」「お買い物は終わりました?」など、一人のお客さんとして対応してくれているーーそんなレディな感覚が芽生えたことが懐かしいです。思い起こすと、幼い私に初めて“顧客感”を醸成してくれたのが「伊勢丹ダイニング」だったのかもしれません。
伊勢丹新宿店 本館7階 イートパラダイス カジュアルレストラン イセタンダイニング
新宿区新宿3丁目14-1
TEL 03-3352-0909
瑞穂まき(会社役員)
綺麗なモノがたくさん
瑞穂まき(会社役員)
新宿は、さまざまな人やモノやコトが集まるエキサイティングな街。人と会って、散歩をして、買い物をして、映画を見て、趣味のお稽古をするところでもあります。
そして何より、両親や姉妹と出かけた「百貨店」の思い出がある場所。子供の頃、母や父とデパートにお出かけするのは非日常のことで、「何を買ってもらおうかな」とワクワクドキドキしたものです。見上げる正面玄関や交差点のショーウィンドウが本当に立派で、ここは特別に素敵なものがたくさんある場所だと感じられました。今では私自身がその頃の父母よりも年齢を重ねて、あの頃よりもずっと頻繁に同じ場所に出掛け、身近な存在として生活の一部になっているということがとても感慨深いです。
伊勢丹新宿店 本館 正面玄関前
新宿区新宿3丁目14-1
TEL 03-3352-1111(大代表)
和田かおる(伊勢丹外商部 プライベートスタイリスト)
私のお気に入り。ほっこり心が安らぐ場所
和田かおる(伊勢丹外商部 プライベートスタイリスト)
入社以来、ずっと新宿店勤務で、長い時間をこの建物で過ごしています。たくさんの出会いとご縁が繋がった思い出あふれる場所であり、正面玄関を入ると気持ちと背筋がピンとするのは未だに変わりません。
「分とく山」は、長年ご支持いただき、かわいがってくださっているお客さまから今村料理長を紹介され、顔見知りになってからのお付き合いです。あれから10年ほどになりますが、いつも気さくに迎えてくださって、心地よいのが「分とく山」の好きなところ。気分もおなかも幸せになれるので、これまで多くのお客さまを紹介しているお店でもあります。
あるとき、大切な顧客さまのお誕生日会を開催する機会があり、お店がなかなか決まらなかったことがありました。そんななか、今村さんはふたつ返事で「お客さまが喜んでくださるなら、私にできることを尽くします」と、引き受けてくださったのです。おかげで真心ある素晴らしい会になったことが記憶に残っています。
伊勢丹新宿店 本館7階 イートパラダイス 板前割烹 分とく山
新宿区新宿3丁目14-1
TEL 03-5368-5398
栗原憲二(伊勢丹新宿店長)
日本一から、世界一の新宿へ。
栗原憲二(伊勢丹新宿店長)
お客さま、そして街のみなさまに支えられ、伊勢丹新宿店は90周年という節目を迎えることができました。心より、感謝申し上げます。
90年前に背水の陣で臨んだ神田からの新宿移転。私たちは、これまでの90年に感謝するとともに、これからの100年を展望し、街とともに発展・進化していきます。
新宿は、さまざまな人・文化・景色が交差する街。そして温故知新を繰り返しながら、共栄・進化を遂げてきた、日本一の街だと思っています。
この日本一の街で、伊勢丹新宿店のヴィジョンである、“世界中のトレンドセッターが共感と憧れを抱く、世界一・唯一無二の百貨店”を実現するとともに、街のみなさんと一緒に、“世界一・唯一無二のまち”づくりに昇華・発展させていきたいと考えています。
伊勢丹新宿店 本館1階 中央ストリート
新宿区新宿3丁目14-1
TEL 03-3352-1111(大代表)
撮影:後藤武浩(ごとうたけひろ)
写真家。栃木県那須塩原市生まれ。
広告や雑誌、MV撮影などで活躍中。
“ひと”で紡ぐ新宿マップ
会期:2023年9月20日(水)~10月17日(火)
場所:伊勢丹新宿店 本館3階メンズ館連絡通路、
本館6階メンズ館連絡通路
90組のスナップビジュアルを一堂にご紹介。
今回撮影された場所を示した、90組の想いによってつくられたマップも展示いたします。
また、地下1階の連絡通路では90スナップ特別動画を楽しんでいただけます。
※地下1階連絡通路の展示は10月10日(火)までとなります。
新宿90スナップ特別編
「Love Fashion #スタイルは自由だ」
会期:2023年9月20日(水)~10月10日(火)
場所:伊勢丹新宿店 本館3階リ・スタイル
「新宿90スナップ」を手掛けたカメラマン・後藤武浩氏による特別企画。
婦人服フロアで働く社員とお客さまの“伊勢丹新宿店”の想いを写真で紡ぎます。
※画像は一部イメージです。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。掲載の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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