
数々のガストロノミックなレストランでシェフ・パティシエを務め、繊細で洗練されたデザートが多くの人の心を捉えて離さない江藤英樹さん。虎ノ門「unis(ユニ)」のシェフ・パティシエとして活躍すると同時に自身のスイーツブランド<PAYSAGE(ペイサージュ)>も立ち上げ、2021年、2022年と伊勢丹新宿店で開催された「サロン・デュ・ショコラ」にも参加。心温まる味わいのサブレや素材の魅力あふれるエレガントなデザートが高い人気を集めました。その江藤さんによる新たなスイーツブランド<LA NOSTARGIE(ラ ノスタルジー)>の店舗が、2022年3月30日、伊勢丹新宿店にオープン! より深化した新展開が早くも話題を呼んでいます。
懐かしさを感じる甘美なお菓子を
<LA NOSTALGIE>のコンセプトは、「古き良き素朴なお菓子への憧れを込めて、懐かしさ感じる甘美なお菓子を」。伝統あるお菓子にフォーカスを当てて、奥ゆかしく飾りすぎない中にも、心に残る洗練された味わいを届けるブランドとして、焼菓子や半生菓子、生菓子を展開しています。
「これまでも<PAYSAGE>(フランス語で、風景や景色の意味)で、大切な方との微笑ましい光景や思い出、生産者の方々や食材を育てる風景などを思い起こさせるような、どこか懐かしくてほっとする味わいを目指し、喜びや幸福感を添えたお菓子作りを行ってきました。それをもう一歩深めたのが、この<LA NOSTALGIE>(フランス語で、郷愁の意味)です」と語るのは、シェフ・パティシエの江藤英樹さん。より身近でいつもそばにあり、ひと口食べたらもうひと口食べたくなる、日常に寄り添うお菓子をイメージしたと言います。そのうえで、クラシックなお菓子や伝統的な製法を再考し、素材をより生かして時代に合ったクリエイションに。江藤さんならではの感性と技術によって新たな息吹を吹き込まれたお菓子の数々が、穏やかで幸せな時間を紡ぎ出していきます。
「幸せを届けたい」という思いを胸に
5歳からヴァイオリンを習い、実はヴァイオリニストになる夢を抱いていたという江藤さん。しかし、高校生になって自分の進路と向き合うにあたり、心に蘇ってきたのは、お祝いのときなどに両親がケーキを買ってきてくれ、家族で一緒に食べた幸せな記憶でした。「僕自身、人を幸せにしたり、喜ばせたりすることが子供の頃から大好きなんです。そして、なにかを作ることも大好き。ケーキを贈られたり食べたりしてこんなにハッピーな気持ちになれるのだったら、それを作ることを自分の仕事にしたらすごくハッピーなんじゃないかと思ったのが、パティシエを目指した原点です。人を幸せにするという意味では、音楽もお菓子も同じだと思いました」と、笑顔で振り返る江藤さん。調理師学校卒業後はフランスのレストランで修業し、デザートの華やかさに惹かれてレストラン・パティシエの道へ。特別な一皿で喜びやお祝いのひとときを演出し、幸せな思い出の1ページに寄り添う仕事に、日々、充実感とやりがいを感じていると語ります。 その一方で、特別な日と同じくらい江藤さんが大切にしているのが、さりげない日常の中にある幸福感です。<LA NOSTALGIE>でフォーカスしたのは、そういった素朴で温かみのあるお菓子の数々。サブレやケーク(パウンドケーキ)はどれも気取らず、親しみやすくて、どこか懐かしい味わいが魅力となっています。それでいて、ベリーのコンフィチュールに桃のピュレを少し加えたり、レーズンをエルダーフラワーのシロップに漬け込んだり、シンプルな中にも遊び心ある隠し味を加えているという心憎さ。 淡いパステルカラーのパッケージにぼんやりと浮かぶ花々の残像は、おぼろげながらもかすかに心に残る記憶を抽象的に表現したものだそう。ギフトとして贈れば、おいしさとともに幸せの記憶が連鎖して、穏やかで心豊かな時間が広がっていくことでしょう。
LA NOSTALGIE(ラ ノスタルジー)シェフ・パティシエ 江藤英樹(えとう ひでき)さん
1985年東京都生まれ。辻調理師専門学校フランス校を卒業後、フランス・ラナプール「ロアジス」、カンヌ「ヴィラ・デ・リス」で修業。帰国後は、東京・銀座「ベージュ アラン・デュカス 東京」で腕を磨き、東京・銀座四丁目「ドミニク・ブシェ トーキョー」(現在は移転)や、東京・神谷町「SUGALABO」、東京・銀座「ティエリー・マルクス」(現在は閉店)にてシェフ・パティシエを務める。2020年、東京・虎ノ門「unis」のシェフ・パティシエ、「Social Kitchen TORANOMON」のディレクター・パティシエに就任。同時に自身のスイーツブランド<PAYSAGE(ペイサージュ)>を立ち上げ、日本でのサロン・デュ・ショコラにも参加し、サブレやデザートで人気を博す。そして2022年3月、姉妹店となる<LA NOSTALGIE(ラ ノスタルジー)>を立ち上げ、伊勢丹新宿店に出店。
生産者の思いに寄り添い、素材を生かす
もうひとつ、江藤さんのクリエイションを語るうえで欠かせないのは、素材と、それを手がける生産者へのリスペクトです。これまでも忙しい仕事の合間をぬって日本各地の農園に足を運び、素材だけでなくその土地の気候や風土、生産者の熱い思いを汲み取り、自らのデザートに取り入れてきました。「産地を訪ねて生産者のみなさんにお話を聞くのは、非常に楽しく勉強になります。生産者としてのプライドやこだわり、情熱を肌で感じることができますし、どういう風に使ってほしいのか知ることもできます。心をこめて育てられた食材を無駄にすることなく、大切に使わなければという思いも一層強くなりました」と話す、江藤さん。素材を手にしてまず考えるのは、どうしたら最大限にそのおいしさをか活かせるか。<LA NOSTALGIE>ではデザートからプチガトーへと姿を変え、四季折々の豊かな味と香りがたおやかに表現されていきます。 「パティシエとして、お客様にも、素材にも、生産者にも寄り添っていきたいと思います。そして、僕のつくるお菓子でみなさんに喜んでいただきたい。<LA NOSTALGIE>という蕾がこの先美しい花を咲かせ、多くの方から愛されるブランドになるようこれからも力を注いでいきます」。
伊勢丹新宿店ラインナップ
ーサブレー


ー生菓子ー




ーケークー
懐かしい雰囲気を大切に、昔ながらの太めの型で焼き上げた、手作り感あふれる素朴な表情のパウンドケーキ。




ーそのほかのお菓子ー


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