【日本橋三越本店 オンリー・エムアイ】
シーベジタブル特集|未来志向な「海藻」の栽培現場をレポート!

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世界が夢中になる、もうひとつの野菜。

世界最高峰のレストラン<ノーマ>も関心を寄せる海藻。わたしたちが普段馴染んでいる海藻といえば、昆布・わかめ・海苔くらいで、料理のジャンルや調理方法も限られていますが、実は海藻は1,500もの種類があり、未知の食感・味わいと新たな食の刺激が秘められています。
海藻の新しい食べ方を提案する合同会社<シーベジタブル>とバイヤー総出で臨んだ本特集の裏側を知ると、さらに違う味わいがあるかもしれません。

ショコラの祭典がきっかけ。

海藻を新たな美食として開発する動きは、三越伊勢丹のバイヤーチームでも二年前から熱を帯びてきました。最初の取り組みは2023年のチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」。
伊勢丹バイヤーの岩腰 亜美から海藻とチョコレートを掛け合わせるアイデアが生まれ、<シーベジタブル>との協業が実現しました。
<シーベジタブル>で料理開発を務めるシェフの石坂 秀威さんは、以前<ノーマ>の姉妹店「イヌア」に在籍していた頃から実験的な海藻料理を提供し、これまで向き合ってきた海藻はなんと100種類以上。その豊富な知見から、海藻とチョコレートのすばらしいマリアージュを楽しめるスイーツが誕生しました。これまでになかった美味しさが広く評判を呼び、2024年「サロン・デュ・ショコラ」にも継続して出店しています。

海藻とチョコレートのマリアージュを楽しめるスイーツの画像

さらに海藻の可能性を模索したいと考えたバイヤーの声かけから、商品開発の輪が店舗を超えてバイヤーの中に広がっていきました。活動は実を結び、今回のオンリー・エムアイで新作発表の場が設けられることが決定!バイヤー総出で、海藻を使った商品開発に取り組む大イベントです。特集に向けてチーム一丸となり、海藻の試食や勉強を重ねてきました。
ここでは、海藻栽培の研究拠点があるという西伊豆の港町を視察した日のレポートをお届けします。

視察に参加した日本橋三越本店のメンバー画像

案内してくださったのは、<シーベジタブル>のメンバー。
代表の友廣 裕一さん、研究職の杉江 透さん、現地スタッフの伊東 茉由さんです。

小さな姿から、溢れるほどに。

最初に見学したのは、緑色の大きな水槽。青のりのなかでも香り高い品種「すじ青のり」がここで育てられています。「小さな赤ちゃんからみるみるうちに成長するんですよ」と、伊東さん。星型の海藻を掬う様子にならい、バイヤーたちもふれあいを楽しみました。

すじ青のりの画像
水槽の中の「すじ青のり」

すじ青のりは、この10年で採取量が激減した海藻の一つ。主な産地だった四万十川は、2020年に採取量0kgになりました。西伊豆の海は青々と美しく健全に見えますが、ここでも海藻は減っているのだそう。<シーベジタブル>の活動目的には「海藻食文化の保存」もあり、絶滅が危惧される海藻の研究と生産にも力を入れています。

緑色の大きな水槽を視察するメンバーの様子画像
「すじ青のり」が育つ大きな水槽

かつては南九州でよく採れた「とさかのり」という海藻も、彼らが海面での栽培を成功させたもの。とさかのりは冬から春にかけて成長しますが、夏に海水温が高くなると水に溶けてしまう課題を抱えています。現在は陸上栽培で夏を越すことができるよう、水温調節しながらの栽培を研究中です。

「とさかのり」を手する画像
海面での栽培を成功させた「とさかのり」を手に

きな粉をかけて、タレをかけて。

社内勉強会で何度も海藻を試食してきたバイヤーたちは、この日はじめて採れたての海藻を口にしました。まずは生のまま。次はしゃぶしゃぶで。「そのままでもおいしい!むしろそのままの方がおいしい?」と、思わず顔を見合わせるほど。

採れたての「とさかのり」の画像
採れたての「とさかのり」

とさかのりは、シャキシャキとしたフレッシュな食感。みりんは、プルンとした口当たりで噛むとトロリとした水分が広がります。どちらも足の早い海藻なので、この鮮度で食べることはなかなかできません。

採れたての海藻を試食する様子
採れたての海藻を試食する様子

「黒蜜きな粉をかけてもおいしいです」「僕は焼き肉のタレで食べるのが好き」と<シーベジタブル>の方々がおすすめの食べ方を教えてくれました。バイヤーたちも味の感想を交換しながら、商品開発のアイデアをむくむくと広げていきます。

食卓と海の森がつながったら。

さらに別の圃場へ。「海面で育つ海藻の周りに小さな魚がいるのが見えますか?海藻栽培は、海の生態系を豊かにするのではと調査中です」と、友廣さんが説明してくれました。

圃場の様子
海藻の周りに小さな魚が

かつて、日本の水際には「魚付林」と呼ばれる魚介類の生息に好影響をもたらす森林が造られ、川を通じて山から海へと栄養を供給し、魚のえさとなるプランクトンや海藻の成長に貢献していました。近年、森林の減少が続き、プランクトンもそれをえさにする魚も減ってしまったのです。

「海藻栽培は、海の森づくりだと考えています。たとえば、砂漠化した山に木を植えることを考えると助成金が必要ですし、整備はボランティアに頼る場合が多いですよね。でも海藻栽培なら、海の保全が仕事として成立する。海藻は食資源になるし、雇用も生まれます。そんな可能性が、日本全国の海にあると思うのです」

視察を終えたバイヤーたちの画像

海藻食の提案は、新しい価値を生むことを改めて実感したバイヤー一同。この日見た景色に思いを馳せながら、商品開発に臨みました。

商品開発の様子
商品開発の様子

各ブランドの作り手のみなさま、<シーベジタブル>の方々、バイヤーの三者がつながり、生み出したオリジナリティ豊かな商品は、オンリー・エムアイ期間の日本橋三越本店と伊勢丹新宿店の食品フロアにずらりと並びます。ぜひご注目ください。

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