<フリッツ・ハンセン>×山口 一郎
日本の伝統工芸とヤコブセンのミックス。

<フリッツ・ハンセン>×山口 一郎 日本の伝統工芸とヤコブセンのミックス。のメインビジュアル

photo by TAKEMI YABUKI

ロックバンド「サカナクション」の中心人物であり、家具についての造詣の深さでも知られる山口 一郎さん。好きなデザインのルーツを辿った末に注目するようになった日本の工芸と、<フリッツ・ハンセン>の150年の歴史を共鳴させるような椅子が、ここに完成しました。

山口 一郎氏の画像

「サカナクション」として、2007年にメジャーデビュー。文学的な表現の歌詞と、幅広い楽曲のアプローチは新作をリリースするたびに注目が集まり、第64回NHK紅白歌合戦に出場、第39回日本アカデミー賞にて最優秀音楽賞をロックバンドとして初受賞するなど、その活動は高く評価されています。全国ツアーは常にチケットソールドアウト、大型野外フェスにはヘッドライナーで登場するほか、イベントとのコラボレーションを行うなど、現在の音楽シーンを牽引する存在として活躍中。2015年から各界のクリエーターとコラボレーションを行いながら音楽とさまざまなカルチャーが混ざり合うコンテンツを企画するプロジェクト「NF」をスタートさせ、多様な活動を行う。2023年より、作り手とコラボレーションし、製造背景にもフォーカスをあて発信するプロジェクト「yamaichi」をスタート。今回は、日本有数の伝統工芸である杞柳細工に着目。その豊かな歴史と、<フリッツ・ハンセン>の150年の歴史を、アルネ・ヤコブセンの「ドロップチェア」を題材としてミックスします。こうした斬新な試みを通して、杞柳細工の創造性が国境を超えて認識されることを思い描いています。

※本企画は、終了いたしました。

FRITZ HANSEN 150th Celebration

三越伊勢丹オンラインストア先行販売

<フリッツ・ハンセン>×山口 一郎のコラボレーション商品の、三越伊勢丹オンラインストアでの先行販売はございません。
店頭販売に先がけ、一部商品詳細をデジタルカタログにてご覧いただけます。
※詳細はこちらをご覧ください。

店頭イベント情報

□2023年6月7日(水)~6月13日(火)
□伊勢丹新宿店 本館1階 ザ・ステージ

<フリッツ・ハンセン>とのコラボレーションは、どんなふうにスタートしたのですか?

2018年、デザイナーの鈴木 啓太さんが<フリッツ・ハンセン>のショールームで開催した「60 sounds, 60’s spirits」というインスタレーションに、僕がNFとして参加したことがありました。そこから<フリッツ・ハンセン>との関係が始まっていて、今回は改めてチェアをデザインしてほしいというお話があったんです。僕はミュージシャンだから実際のデザインはできないけれど、音楽を作るのと共通するのは、考え方を提供すること。だから<フリッツ・ハンセン>の150年間の歴史と、日本において歴史ある杞柳細工のミックスを提案しました。そこでどんないい違和感ができるか、何よりも自分が見てみたいと思いました。

日本には数多くの伝統工芸がありますが、中でも杞柳細工を取り上げたのはなぜですか?

杞柳細工の歴史は僕らが想像するよりも古くて、西暦350年頃には始まっていたという説もあります。柳行李は現在の日本の鞄やカゴのルーツともいえるので、それが<フリッツ・ハンセン>と結びついたらどうなるか。ラタンのようにヨーロッパにもあるものではなく、日本ならではの素材や技術を取り入れたかったんです。

日本の工芸品は、山口さんに身近なものだったのでしょうか?

ある時代まで高級品に向かっていた工芸に対して、柳 宗悦や河井 寛次郎が無名の職人のつくる民芸のすばらしさを広めようという運動を起こし、それによって工芸がふたたび一般の人々へと降りてきた。降りてきたことで使い勝手やデザイン性が融合し、今のデザインにつながっていったと僕は考えています。僕がミュージシャンとして自分の好きな音楽を掘っていくように、好きなデザインを掘っていくと工芸や民芸に辿り着くことが多いので、そこから興味をもつようになりました。

今回はどんなものができ上がるのでしょうか?

  • <フリッツ・ハンセン>×山口 一郎のロゴ入り画像

アルネ・ヤコブセンの「ドロップチェア」の背面に杞柳細工を編みこんでいるんです。編み込んだものを最終的にどう着地させるかは、職人さんと話し合っています。杞柳細工は職人さんが減っていて、特に若い人は少ない。そうやって活動している人を知ってもらう機会になればいいなと思います。また杞柳細工は、手に入れてからも経年変化によって色が変わっていく楽しみもあります。

伝統工芸の職人さんは、こうした作品に取り組もうとするものでしょうか?

工芸や民芸の人たちにはスタイルを崩さない美学がありますが、現在は世代交代とともにサブカルチャーとの融合が生まれ始めています。世界的なブランドである<フリッツ・ハンセン>とのコラボレーションも、そのひとつのきっかけになるといい。海外では伝統工芸がまったく新しくすばらしいものとして評価され、価格が上がっている状況があります。古い柳行李などは数百万円で取引されたりしますが、竹カゴは何千万円するものもたくさんある。柳行李もそうなっていくかもしれません。特に海外の敏感な人たちに、この魅力が広まっていくといいですね。新しいコラボレーションができる職人がいるという事実はとても大切です。

今回のミクスチャーについて、アルネ・ヤコブセンの「ドロップチェア」を選んだのはなぜですか?

同じヤコブセンの「エッグチェア」が、昔から大好きな椅子でした。だから最初はエッグチェアでやりたかったんですが、杞柳細工の素材の長さを考えると、あの大きさは無理なんです。ドロップチェアもやはり素敵な椅子だし、ヤコブセンが奥さんのためにつくった椅子だったというストーリーも好き。杞柳細工を張ることで愛らしさも増しています。

2脚のドロップチェアの画像

山口さんは貴重なヴィンテージ家具のコレクターとしても有名ですね。

ずっとピエール・ジャンヌレの家具を集めていましたが、今はジャパニーズ・モダンへと変わってきました。自宅では剣持 勇がデザインした天童木工のデスクなどを使っています。当時の日本のデザイナーの家具は、ヨーロッパから持ち込まれたモダニズムと葛藤しながら戦っている感じが好きなんです。音楽でも、洋楽の影響を受けて、それを日本語で歌うようになり、僕らのルーツになっていく系譜はおもしろい。一方でジャンヌレと仲のよかったシャルロット・ペリアンが日本の民芸から影響を受けていたり、相互に関係し合っていたようです。またイサム・ノグチやジョージ・ナカシマといった日系アメリカ人のデザイナーもいいですね。日本人が気づかなかったような日本の美学を再解釈していたと思います。今回の<フリッツ・ハンセン>と杞柳細工のミックスも、そんな意味で新しい何かが起こることに期待しています。

FRITZ HANSEN 150th Celebration

<フリッツ・ハンセン>×山口 一郎のコラボレーション商品の、三越伊勢丹オンラインストアでの先行販売はございません。
店頭販売に先がけ、一部商品詳細をデジタルカタログにてご覧いただけます。

店頭販売のご案内

□2023年6月7日(水)~6月13日(火)
□伊勢丹新宿店 本館1階 ザ・ステージ

※事前の入場予約・購入についての注意事項・イベント案内などの詳細は、2023年5月24日(水)から、特設ページにてご案内を予定しております。
※掲載の情報につきましては、諸般の事情により予告なく変更・中止させていただく場合がございます。予めご了承ください。必ず事前にホームページを確認してからご来店ください。

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