宝飾バイヤーを虜にしたブランドVol.3|

伊勢丹新宿店のジュエリーバイヤーは知っている。ブランドとしての唯一無二の世界観を守るために、あえて存在が世の中に広まらないようにしているジュエリーブランドがあることを。そんなブランドほど世の中に広めるべき強烈な魅力があることを。
伊勢丹新宿店の宝飾バイヤーの上野翔太が「媚びないクリエイティビティに惹かれた」と話すのがイタリア発祥の<REPOSSI/レポシ>。10周年の記念リングが登場する「ベルベル」はアイコンジュエリーとして不変の存在。ハイジュエリーをデイリーファッションで楽しむというトレンドを生み出した<レポシ>の魅力を語ります。
ジュエリーをいち早くファッションとして捉えたガイア・レポシ

上野:<レポシ>はもともとは王族のためのジュエリーなどを製作していたクチュール系のイタリアンジュエラーでしたが、2007年にクリエイティブ・ディレクターに3代目のガイア・レポシさんが就任してからデザインのテイストや方向性が大きく変わりました。ガイアさんが初めてデザインしたのはまだ美大生だった20代のときで、「Tシャツ姿でも映えるジュエリーがあってもいいのでは」という、当時のジュエリー業界にはなかったような独自の発想を持っていました。

ジュエリーをいち早くファッションとして捉えて「ハイクオリティなモノをデイリーに楽しむ」というトレンドを生み出したのはガイアさんといっても過言ではないと思います。ジュエリーを専門的に学んだ経験がないままブランドのトップに立ったガイアさんが初めてデザインしたファーストコレクションは2007年に発売されたのですが、大好評を博しました。
伊勢丹新宿店として運命的な出会いだったモードなハイジュエリー

上野:ガイア・レポシさんが全面的にデザインを手がけるようになった<レポシ>と伊勢丹新宿店との出会いはある意味、運命的ともいえます。2010年頃、宝飾チームでは伊勢丹新宿店のお客さまの感性にフィットするカジュアルだけれどクオリティが高いジュエリーを探していたときで、「ハイクオリティ×ハイクリエイティビティ」というのが合言葉としてありました。それを叶えたのがまさにガイア・レポシさんの<レポシ>です。

その当時はコンサバなジュエリーが強く、モードなジュエリーはどちらかといえば手に取りやすい価格のモノが主流でした。そもそもジュエリーはドレスアップのためのものという価値観が根強かったので、「ハイクオリティ×ハイクリエイティビティ」というジュエリーのニーズが浸透していませんでした。伊勢丹新宿店では先代<レポシ>は店頭では取り扱いはせず、ガイアさんからの新生<レポシ>のみをセレクトしたのですが、当時は先代のコンサバデザインこそが<レポシ>のイメージで、以前からのファンの方が店頭までいらしても「私の知っている<レポシ>ではない」と購入につながることはなく、モードな<レポシ>を定着させるのに最初は苦労が続きました。それでも必ず日本で成功するという確信もありましたし、伊勢丹新宿店の役割としてファッションとして楽しめるモードジュエリーは提案していかなければという想いもあって、長い目で育てていこうとなりました。もちろん簡単に諦めたくないというバイヤーとしての意地もありました(笑)。いまでは<レポシ>のお客さまは20代から60代まで幅広く、世代に関係なく共通しているのは「ファッション好き」ということです。服装などを見れば、<レポシ>が好きということはひと目でわかります。
<レポシ>はデザインで勝負できてトップであり続ける稀有な存在

上野:バイヤーとして<レポシ>に惹かれるのは媚びないところです。コレクションのラインナップは圧倒的にリングやイヤリング、イヤーカフが占めます。ブランドとして表現したいことが明確なので「指」と「耳」に徹していて、例えばリングやイヤーカフよりも作れば確実に売れるアイテムがあったとしてもそこを選ばない割り切り、ブレない美意識がガイア・レポシさんの尊敬できる部分です。
ベースとなるアイデアを複数のアイテムに展開していくことにも長けていて、尾根がモチーフとなった「アンティフェール」というシリーズも、シーズンの新作によってカーブの角度を変えたりしてベースは変わらないのですが新しい表情を生み出しています。また、リチャード・セラの彫刻にインスピレーションを受けた「セルティ・アンヴァーセ」という異なるコレクションがあるのですが、こちらはペアシェイプダイヤモンドを包み込む立体的なシルエットで「アンティフェール」とあわせても違和感なくキマります。民族学や建築学、アートより多くのインスピレーションを得たガイアさんのデザインには、芯があるからこそジュエリー同士のコーディネートがしやすいのが特徴です。

伊勢丹新宿店の限定ジュエリーなどにも応じてくれるのですが、ガイアさんはとにかくバランス感覚が優れているという印象です。以前には2列のピンクゴールドで、ダイヤモンドを散りばめたイヤーカフを作ってくれました。地金や石のコンビネーションというのは究極をいうと無限なのですが、自分が作りたいと思うデザインと伊勢丹新宿店のお客さまの感性とがオーバーラップする部分を見極めた結果がピンクゴールドのイヤーカフの誕生につながっています。売れ続けているジュエリーというのは大きく分類すると「知名度がある」、「真似ができない技術がある」、「デザインが独創的」の3つです。その中でもデザインで勝負してトップであり続けるケースというのは極めて少なくて、<レポシ>はそのブランドのひとつでもあります。だからこそガイア・レポシさんというデザイナーはとても稀有であり、貴重な存在なんだと思います。
ガイア・レポシさんからのスペシャルメッセージ

"I am very proud to count Isetan as a partner for more than 10 years now and Japan is almost part of my daily life, whenever I am. I love Japan for the refinement of its aesthetic that I don’t find anywhere else in the world. From contemporary designers to flower arrangement, from matcha to Japanese ceramics. Looking forward to come back. "
「伊勢丹と10年以上パートナーを組ませていただき誇りに思います、どこにいても日本は私の生活の一部になりつつあります。コンテンポラリーデザイナーから生け花、また抹茶や陶芸など、世界中どこにもない真の洗練さをもつ日本が大好きです。次に来日できる日を楽しみにしています。」
掲載商品の一部は ISETAN MITSUKOSHI LUXURY でも
お求めいただけます。

北アフリカの民族、ベルベル人が身体に施すタトゥーにインスピレーションを得てデザインされたという<レポシ>のアイコンシリーズ「ベルベル」。まさにタトゥーのように身体にフィットし、ミニマルに纏うことで美しさが際立つジュエリーコレクション。誕生10周年記念モデルは完全オーダー制となり、年内期間限定でのご紹介です。
<レポシ>
「Berbere」リング 10周年モデル 498,300円
(K18PG、K18、ダイヤモンド、ブラックネイビーラッカー)
□伊勢丹新宿店 本館4階 ジュエリー/レポシ
※K18はブラックコーティングとなります。
―こちらの商品のオーダー承りは2021年12月31日(金)をもちまして終了いたしました。―
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