【完全保存版!ブランド徹底ガイド】vol.3|ジェイエムウエストン
伊勢丹新宿店メンズ館地下1階 紳士靴のなかでもひときわエレガントで気品を放つ人気の<J.M.WESTON/ジェイエムウエストン>。1891年の創業以来 、卓越した職人技とタイムレスなデザインによって、パリジャンのシンボルとなっているシューズブランドです。
今回の特集記事では、<ジェイエムウエストン>の「ゴルフ」をはじめとする代表モデルや、ブランドの歴史、気になるサイズ選びなど、6つの切り口から解説していきます。
目次
1.モデル編|長く愛されている5つの人気モデル■1.「#641 ゴルフ」
■2.「#180 シグニチャーローファー」
■3.「#300 キャップトゥオックスフォード」
■4.「#677 ハントダービー」
■5.「#705 サイドゴアブーツ」
2.ヒストリー編|<ジェイエムウエストン>が歩んできた歴史
3.プロダクト編|受け継がれるモノづくりへのこだわり
4.フィッティング編|同一モデルで最大6種類ものウィズバリエーション
5.未来への取り組み編|「ウエストン・ヴィンテージ」
6.Q&A編|お客さまからよくいただくお問い合わせ
1.モデル編|長く愛されている5つの人気モデル
<ジェイエムウエストン>にはブランドの精神が吹き込まれた、長く愛されるアイコンモデルが多数あります。
その中でも、押さえてるべき人気の5モデルをイセタンメンズがご紹介します。
1.「#641 ゴルフ」
1955年の誕生以来、メゾンを象徴する「#641 ゴルフ」。伝統的な技術と職人技によって仕上げられた一足は、履き心地の快適さと堅固な構造で、何十年にもわたり注目を浴びてきました。
多様化したさまざまなスタイリングに溶け込むデザインの美しさと汎用性の高さも人気の理由です。




2.「#180 シグニチャーローファー」
<ジェイエムウエストン>を語るうえで欠かせないアイコンモデル、「#180シグニチャーローファー」は、1946年の誕生以降、数々の新作をリリースし、その存在を幾度となく美しく蘇らせてきました。
誕生から変わらぬ同じラスト(木型)を採用し、履き込む程に馴染んでいく「グッドイヤーウェルト製法」で仕上げられたこのモデルは、今までに200を超えるフォルムを試作しながら、アップデートを繰り返し、現在の形へとたどり着きました。この普遍的な魅力をもつ同モデルはレジェンドとも呼ばれ、今も長く愛され続けています。




3.「#300 キャップトゥオックスフォード」
<ジェイエムウエストン>のクラシックを体現する丸みを帯びた形のスクエアトゥオックスフォードは、モダンで都会的な印象を与えています。
4.「#677 ハントダービー」
「#677 ハントダービー」は、時代を超えても変わらない名作、<ジェイエムウエストン>のクラシックスタイルの代表作とも言えます。蝋引きの麻糸、手縫いの縫製、アッパーの縫合、専用の道具を用いた穴開けといった特徴はこの靴にすべてを捧げた職人たちによって受け継がれてきたもの。靴底を飾る伝統のノルウィージャンウェルト製法は高い防水性と比類ない耐久性が特徴です。
5.「#705 サイドゴアブーツ」
緻密に計算されたパターンの特別なシングルピースのレザー(1枚革)で仕立てられた「#705 サイドゴアブーツ」。象徴的なセンターのクリースラインは、職人の卓越した手仕事が成す、最大の魅力。無駄のないフォルムの美しい一足です。
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名作と呼ばれる数々のモデルを誕生させた<ジェイエムウエストン>とは、どんなブランドなのか、ここからはブランドの歴史を紐解きながらその魅力を解説します。
2.ヒストリー編|<ジェイエムウエストン>が歩んできた歴史
1891年、エドゥアール・ブランシャール氏によってフランス リモージュ地方に靴工場を創業。ほどなくして加わった息子ユージェーヌが、アメリカ靴の近代的な製造方法に注目し、ボストン近郊のウエストンでグッドイヤーウェルト製法を学びました。この地にちなみブランド名を<ジェイエムウエストン>と名付けられました。
1922年にクルセル大通りにパリ1号店をオープン以降は、大きく展開を広げつつ、国内はもちろん世界でも人気を博すブランドの1つとなっていきました。
1944年第二次世界大戦中のシャンゼリゼ通りでパリ解放を祝う市民たちの写真には<ジェイエムウエストン>のお店が写り込んでいる。(Photo:Robert Capa)
何よりもブランドが大きく飛躍したのは、1946年に誕生したブランドのアイコンとなる「#180 シグニチャーローファー」の存在です。1962年にはシャンゼリゼ大通りのドラッグストアにたむろする「Bande du Drugstore(ドラッグストアのギャング)」と呼ばれる若者達の”ジーンズにローファーを履く”スタイルのマストアイテムとなったことから、その世代の象徴としての地位を確立、現在もフランスの財産として歴史に深く刻まれています。
受け継がれるタイムレスな「フレンチエレガンス」
<ジェイエムウエストン>のシューズの特徴は、130年受け継いできた「フレンチ・エレガンス」にあります。クラシックスタイルに対照的な要素を掛け合わせる事で生まれるこのパリジャンヌのスタイルは、時代を経ても色あせる事のないタイムレスなモデルの誕生へと繋がっています。
創業から続くリモージュ工場の優れた職人技や、快適な歩行への研究を守りながら、今もなお、モデルチェンジを繰り返し進化を続けています。
豊かな表現活動を通じて進化し続ける<ジェイエムウエストン>
2018年、アーティスティック・イメージ & カルチャー ディレクターに就任した、オリヴィエ・サイヤール氏は、ガリエラ宮パリ市立モード美術館の元館長で、世界的なキュレーターとしての多くの展示会を手掛けた人物。日本文化への関心も高く、<イッセイ ミヤケ>、<ヨウジヤマモト>、<コム デ ギャルソン>といった日本ブランドから感銘を受けて、様々な表現活動を行ってきた経歴をもっています。
就任後は、プロダクツに加えブランド全体の世界観を担っており、今後のウエストン取組みも見逃せません。
3.プロダクト編|受け継がれるモノづくりへのこだわり
<ジェイエムウエストン>は、自社のタンナーを持つ唯一のシューメーカーです。そこでは数百年前と変わらない伝統的な技術とベジタブル・タンニンの製法が守り続けられ、熟練された職人の手によって最高の革が作られています。アッパーだけではない、レザーソールにも自社で鞣された上質な素材を使用しています。
創業から続くフランス・リモージュ地方の自社工場では、日々200名の職人が伝統を受け継ぎながら最新の機械を取り入れた靴作りを行っています。1足の靴を製作するのに、皮革の裁断、アッパーの縫合、組み立て、ツヤ出しなどの150の工程を、約2か月の歳月をかけて手作業で行っています。
クラフツマンシップと歴史から受け継がれた伝統技術が最高基準の製造技術を生み出し、ひとつひとつの技術の結晶がブランドを支えている。機械的な速さを求めず、希少な職人技を大切にすることが、手作業を続けていく理由でありブランドの魅力となっているのです。
4.フィッティング編|同一モデルで最大6種類ものウィズバリエーション
<ジェイエムウエストン>の魅力の1つは他のシューズブランドでは類を見ない、そのウィズバリエーションにあります。
<ジェイエムウエストン>のほどんどのモデルは、「C・D・E」の3種類のウィズを揃えています。さらにローファーに関しては、1つのモデルで「A~F」の6種類という圧巻のウィズバリエーションを揃えています。これは、特殊な足型に悩む方にもできるだけ足に近いサイズを選び、快適な歩行をして欲しいというブランドの考え方が生きているからです。さらに、オーダーサービスを利用すれば左右サイズ違いの購入も可能にしています。
伊勢丹メンズ館でも、来店されたお客さまには、まず初めに専門のスタッフが足を計測し、一人一人の足の形に合ったサイズ選びをご案内しています。
サイズおよび刻印の意味
靴の内側に刻印されている文字には、それぞれ意味があり、知っていればサイズやモデル選びの際に活躍します。今後、ヴィンテージ物などに出会ったら、参考になる事間違いありません。
③木型(ラスト)
④革(レザー)
⑤モデルNo
⑥ソールの種類
⑦サイズ
⑧ウィズ
5.未来への取り組み編|「ウエストン・ヴィンテージ」とは
創業時よりシューズの耐久性を誇り、数々のモデルを発表してきた<ジェイエムウエストン>が、2020年に新たな取り組みとしてスタートさせた「Weston Vintage(ウエストン・ヴィンテージ)プログラム」。そのプログラムによって誕生したアイテムは、2021年4月より販売を開始しました。
不要となった<ジェイエムウエストン>のシューズを伝統の職人技により再生され、<ウエストン・ヴィンテージ>としてシューズに第二の人生を与える軌跡のリレー。このサステナビリティの一環となる活動は、時代を超えた象徴的なスタイルを新世代に継承する精神をもつ<ジェイエムウエストン>だからこそ実現できたと言えます。
<ウエストン・ヴィンテージ>は伊勢丹新宿店メンズ館でも定期的に販売イベントを実施し、ブランドファンや靴マニアの間でも人気のイベントとなっています。今後、販売イベントを行う際は、イセタンメンズネットでも告知していくのでお楽しみに。
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6.Q&A編|お客さまからよくいただくお問い合わせ
「<ジェイエムウエストン>のシューズを履いてみたいけれど、まずは気になる事を聞いてみたい。という方に、伊勢丹新宿店メンズ館の紳士靴でよくいただくお問い合わせをQ&A形式でご紹介します。
また、店頭には専門のショップスタイリストがおり、色々なご質問にお答えしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
Q1.<ジェイエムウエストン>はキツいサイズを選んで履くものですか?――
A1.当然足を痛めることを推奨している訳ではない分、ひどくキツいサイズはおすすめ致しません。その為にショップでは、きちんと計測をする工程がありますので、その点はまずご安心下さい。
しかし製法によっては靴内部の沈みもある点や革の馴染みを含めて考えると、「ジャストサイズ」(きついと感じるサイズ)をご提案する事は多いです。もちろんフィット感のお好みによって選び方は異なる分、正解は所有される方によって変わってきます。特にローファーの場合は足を抑える面積が紐靴よりも少なく、物理的にわずかに抜ける感触は起こり得る可能性がございます。
無理のないサイズで、ご自身の好みに合わせたサイズ選びをして頂くのが一番ではないでしょうか。
Q2.<ジェイエムウエストン>のサイズ表記の基準は?――
A2.<ジェイエムウエストン>の場合、イギリス・アメリカ・イタリアのサイズ等の表記とは異なります。
専用の計測器により、かかとからつま先の実寸を測り、その値を基準としてフィッティングを行います。
しかしながら、モデル・木型により特徴が大きく分かれるため、ほとんどのモデルが計測値通りのサイズに当てはまることはありません。例えば通常イギリスサイズUK6.5を履いている方が「#180シグニチャーローファー」を選ぶと5.5Dがぴったり、「#641 ゴルフ」では5.5Eや6D等になるケースなどはよくあります。
そのため、お持ちのシューズのサイズは一つの基準となりますが、どちらかと言えば「目の前のお靴の履き心地」を大事にされた方がぴったりの一足が見つかると思います。
Q3.どのぐらいで馴染みますか?――
A3.強いて申し上げるとすれば、週一回数時間ほどの着用で2ヶ月ほどで馴染んでくるのではないかと思います。
これは個人差が大きい点と、「馴染む」定義が個々で異なるため、具体的な数値化は非常に難しいのが正直なところです。もちろん選んだサイズ感や靴下の厚さ、体格、歩行距離などの要素が関わってくるので大まかな目安として考えていただければと思います。
Q4.修理メニューにはどんなものがありますか?価格、期間は?――
A4.カカト部分のパーツ交換、つま先の補強、ライニング革当て、オールソール交換、ソックシート交換などのメニューを取り揃えております。(他にも複数種類あり)
*トゥースチール付けは未使用状態に限り取付可。ハーフラバー(半張り)はございません。
・つま先補強:6,600円
・カカト交換:7,150円から
・オールソール:27,500円から(グッドイヤーは33,000円から)
*納期:通常1.5〜3か月程。メニューにより変動します。
*基本的に純正外で修理がある場合はお受け致しかねます。
Q5.サイズはいくつから選べますか?
A5.定番モデルであれば男性サイズで約23〜23.5cm程から、ウィズ(横幅)に関してはそれぞれご用意があり選択可能です。(ウィズ:「#180シグニチャーローファー」=A~F、「#641 ゴルフ」=B~Eなど)
尚、男性用の最小サイズではどうしてもゆとりが出てしまう方が、男性用より細身の女性用の同モデル(別木型)の方が足に合い、お買い求め下さることもよくあります。
また最大サイズに関しては、国内店舗の在庫で29cm程のご用意がございます。それ以外のモデルですと、個々に在庫状況が異なるため、改めてお問い合わせいただければ幸いです。
Q6.トゥースチール(つま先の補強)は付けた方が良いですか?
A6.お好みで分かれるところですが、付けずとも問題はないと思います。
もちろん取付も可能ですが、少々滑りが出る場合や、歩行時に特有の音が鳴る場合もあるため、その点は注意が必要かと思います。*トゥースチールは未使用状態に限り取付可能です。
序盤一定の減りはございますが、ソールにしなりがついてくると減りは鈍化していく事が多いですし、減りが出てきてからでも革もしくはゴムにて補強が可能です。
【補強に関する記事はこちら!】
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Text:ISETAN MEN‘S net
Photo:Tatsuya Ozawa
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