フランスフェアのディレクションを行った、気鋭のクリエイティブ・デュオ<M/M (Paris)/エムエムパリス>独占インタビュー。【伊勢丹新宿店】
4月23日(水)~4月29日(火・祝)の期間、伊勢丹新宿店で開催される「フランスフェア」では、いまクリエイティブの世界で強い影響力を持つクリエイティブ・デュオ<M/M (Paris)/エムエムパリス>とコラボレーションしたポップアップ FRENCH WEEK 2025「UN ♥ TISSE ENTRE TOKYO ET PARIS」を開催。本館1階とメンズ館1階の「ザ・ステージ」を中心に、両館各階がフランスのエスプリに染まる。この特別なコラボレーションに込められた想いやコンセプトについて、M/M (Paris)のマティアス・オグスティニアック氏とミカエル・アムザラグ氏に話を訊いた。
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profile
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M/M (Paris) (エムエムパリス)
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Mr.Mathias Augustyniak/マティアス・オグスティニアック氏
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Mr.Michael Amzalag/ミカエル・アムザラグ氏
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1992年にフランス・パリで結成されたクリエイティブ・デュオ。著名なアーティストやブランドとのコラボレーションやアートディレクションを手掛けており、彼らの担当する多くの作品に用いられるタイポグラフィを中心としたアートワークは世界的な美術館やミュージアムに所蔵されている。2012年と2020年には、30年にわたる彼らの活動を称える、約1000ページに及ぶ2冊組のコレクション『M to M of M/M (Paris)』を出版した。
異文化の対話を通して紡ぎだす新しい言語
1992年にマティアス・オグスティニアックとミカエル・アムザラグの二人がパリで設立したM/M (Paris)は、これまでビョーク、マドンナ、ヴァネッサ・パラディといったミュージシャンをはじめ、<Loewe/ロエベ>や<J.W Anderson/JW アンダーソン>のジョナサン・アンダーソン、<Miu Miu/ミュウミュウ>のミウッチャ・プラダ、<Louis Vuitton/ルイ・ヴィトン>や<Balenciaga/バレンシアガ>のニコラ・ジェスキエールといったクリエイティブ・ディレクター、<Jil Sander/ジルサンダー>や<Yohji Yamamoto/ヨウジヤマモト>、<A.P.C/アー・ペー・セー>などといったビッグメゾン、さらにはフィリップ・パレーノ、ピエール・ユイグ、サラ・モリスなどの現代アーティストといった、各界を牽引するパイオニアたちと数多くのコラボレーションを行ってきた。
マティアス・オグスティニアック氏(以下、マティアス)「東京に行くと毎回思うことは、伊勢丹のようなショップを訪れることが、ミュージアムを訪れる感覚に似ているということです。それがものを売ったり買ったりする場所だとしても、ショップの中にあるものが注意深くキュレートされており、すべてがディテールまで高いレベルで洗練されており、とてもいい刺激を受けます。特にさまざまなブランドが並ぶ百貨店は、19世紀にフランスで誕生したル・ボン・マルシェをモデルに発展してきたと思いますが、過去の百貨店から進化を遂げた現在の伊勢丹には世界そのものが集約されており、館内を見て回るだけでも、世界を旅するような気分にさせてくれます。伊勢丹は世界中から厳選された素敵な商品を買い求めるショッピングの場所であると同時に、いろんな体験ができる巨大なミュージアムでもあり、このような体験をできる場所は、世界中どこにもありません」
M/M (Paris)はキャリアの初期から日本との関わりが深く、日本のブランドや企業とのコラボレーションも数多く行ってきた。そういった異文化同士の関わりが、クリエイティブなアイデアを育てると語る。
ミカエル・アムザラグ氏(以下、ミカエル)「私たちは国際グラフィック連盟 日本支部に所属しており、東京タイプディレクターズクラブが主催するグラフィックデザインの国際的コンペティション『東京TDC賞』に作品を出品し続けており、審査員として参加することもあります。私たちはパリという名を掲げて活動していますが、日本との関わりもクリエーションにおける重要な要素となっており、フランスのカルチャーと日本のカルチャーという異文化間で行われる対話が、共通の基盤を見出していくプロセスが面白いと感じています。だから今回の伊勢丹とのコラボレーションにおいても、私たちはただ古典的なフランスらしさを形にするのではなくて、それぞれの特色を保ちながら、ここにしかないまったく新しい言語を生み出していくことが重要だと感じました」
ポエティックに表現された、フランスらしさの再定義
M/M (Paris)によって本コラボレーションの為に製作されたアートワーク
FRENCH WEEK 2025「UN ♥ TISSE ENTRE TOKYO ET PARIS」のためにM/M (Paris)の二人がデザインしたメインビジュアルは、「東京」という文字の上に3つのハートが絡み合い、桜の花びら、25年以上にわたり彼らの作品の中で登場し続けているロボット型のキャラクター『エージェント』、M❤︎M PARISの文字が縦方向に組み合わされた、春らしさを感じさせる華やかな印象のデザインだ。このアートワークにはどのようなコンセプトが隠されているのだろうか。
マティアス「最初のアイデアは、フレンチストライプのような古典的なデザインを使うことでしたが、私たちはもっと、使い古された既成概念を超えた新しいものを表現したいと思いました。このメインビジュアルは上から下へ、下から上へ、両方向に読み解くことができるデザインになっており、フランスと日本、パリと東京の間の調和の取れた交流を表現しています。トップにあるのは、『ISETAN』の文字をかたどった満開の桜の枝。その桜の木の下にいるのは、初期のテクノロジーが持つ普遍的な美学を想起させるブロック状のヒューマノイドで、四角い頭にはピクセル風の顔が描かれ、目はプラス記号で表現されている私たちのアバターとしてM/M (Paris)を象徴する存在である『エージェント』。そして東京という漢字を包み込むハートの下には、フランス国旗の色彩と、東京に上る太陽と、パリに沈む太陽の永遠のリズムを想起させる、新たにデザインされた円形タイポグラフィーによる『M❤︎M PARIS』の文字があります。これはシンボルと言葉を使った視覚的なポエムであり、フランスと日本の文化を賞賛するものです」
マティアス「『UN ♥︎ TISSÉ ENTRE TOKYO ET PARIS(東京とパリの間に織りこまれた❤︎)』というフランス語のフレーズは、東京とパリを結ぶ詩的かつ物理的な絆を象徴し、「つながり」「職人技」「文化交流」といったコンセプトを強調しています。このメッセージの裏には、インスタグラムで“いいね”を押して“❤︎”を送るのももちろんいいですが、もし本当に『I Love You』と伝えたいのであれば、ゆっくりと自分の手で書いてみては?というメッセージがあります」
ミカエル「メインビジュアルを写真の上に重ねたポスターでは、もっとカジュアルなコンテクストを表現しました。これまでファッションの世界では都会で暮らすことがかっこいいこととして表現されてきましたが、このフランスウィークを行うにあたって、では『フランス人はどんなホリデーを過ごしたいと思っているのか?』という問いとともに、フランス人の人生観の余暇的な部分にフォーカスを当てました。これは人々に旅に出ること、現実から離れること、そしてデジタルな生活から切り離されることを促すメッセージでもあります。人生のささやかな喜びを味わうために時間を費やすことで、時間そのものが喧騒から解放され、究極の贅沢となるはずです」
異文化との交流から生まれる、新しい価値観
メインビジュアル、手書きのメッセージ、ポスターと、どのアートワークも多様な要素を盛り込んだパワフルなビジュアルに仕上げたM/M (Paris)の二人は、現代におけるデザインのあり方を次のように説明した。
ミカエル「西洋のデザインのルーツは1930年代から50年代のモダニズムにあって、私たちは常に“Less is More(少ないほうが豊かである)”、すなわち、余計なものを削ぎ落としたところに本質があるという価値観を、経典のように刷り込まれてきました。しかし私たちは、すでにポストモダニズムを経験し、その後の流れも経験した後の時代と場所にいま立っています。だからもう“Less is More”ではないんです。これはミニマリズムとマキシマリストという単純な議論ではなくて、大事なのは、複雑な世界を複雑なまま見つめること。いまはどこに暮らしていても、ポケットの中のスクリーンから、世界中のスクリーンと繋がることができて、たくさんの情報を受け取ったり送ったりすることができます。この現実とデジタルの中で複雑に絡み合う新しい世界の鮮やかな風景は、私たちのデザインや信念の根底に深く根付いています。だからこそ、すべてから離れ、人生が与えてくれるシンプルな喜び「夕日」、美味しい食事、時間を忘れるひととき、日常のプレッシャーから解放される瞬間を味わうことが、現代においてはますます重要になっているのです」
」
設立当初から日本と深い関わりを持ってきたM/M (Paris)にとっては、単一的に単純化された文化よりも、むしろ異文化と複雑に関わりあう中で、その交流の中から生まれる対話や、それによって促される発展に醍醐味があるようだ。
マティアス「19世紀のアーティストも日本のアートから多大な影響を受けていました。今回の伊勢丹とのプロジェクトも、ただ単にものを売ったり買ったりするだけのドライでシニカルなものではなくて、これは異文化の交流であり、生きることの一部です。そこには商業的な利益を追求するだけでは決して得られない、文化的な利益があります。M/M (Paris)も日本と長年にわたって関係を持つことで、今日まで独自のアイデンティティを築き上げてきました。これまで日本で大きな広告キャンペーンを仕掛けたり、クリスマスツリーを作ったり、いろんなことをやってきましたが、いつかはM/M (Paris)がこれまで30年以上にわたって積み重ねてきたことをすべて見せる、大規模な展覧会を日本で開催できたら素敵だなと思っています」
ミカエル「1992年にM/M (Paris)を始めたとき、まだ私たちの活動が全然世に出ていない時から、日本の人たちは私たちの表現の複雑さを理解してくれていました。今回の伊勢丹のイベントは非常にポップで直感的でありながら、同時にとても深く、密度が高く、符号化された要素が多くありますが、これは日本だからこそ実現できたことだと思っています。なぜなら、日本人はイメージやアートに対する好奇心が強く、よく理解しているからです。今回のフランスウィークに来ていただく皆さんにも、特別なメッセージを受け取ってもらえると信じています」
*4月16日更新
<M/M (Paris)/エムエムパリス>が2025年のフランスフェアのポップアップ「UN♥TISSE ENTRE TOKYO ET PARIS」で展開するアイテムをご紹介します。
本ポップアップでしか手に入らないスペシャルなアイテムをぜひ店頭でご覧ください。
■出展ブランド(順不同)
・HUSBANDS/ハズバンズ
・FIGARET/フィガレ
・J.M. WESTON/ジェイエムウエストン
・patisserie Sadaharu AOKI paris/パティスリー・サダハル・アオキ・パリ
・Charlotte Chesnais/シャルロット シェネ
・Brigitte Tanaka/ブリジット タナカ
・Cul De Sac-JAPON/カルデサックジャポン
・Godard Haberdashery/ゴダール ハバダッシェリー
・K-WAY/ケイウェイ
・CFCL/シーエフシーエル
・M/M (Paris)×ISETAN/エムエムパリス×イセタン

カジュアルシャツ 商品を見る
サイズ:XS、S、M、L、XL、XXL
36,300円
*会期終了後、伊勢丹新宿店 メンズ館5階 シャツ・ネクタイ・シーズン雑貨でもお取り扱い予定です。完売の場合、お取り扱いはございません。
*三越伊勢丹オンラインストアでは4月15日(火)表示開始、4月23日(水)午前10時頃から販売開始予定
*会期終了後、伊勢丹新宿店 本館3階 リ・スタイルでもお取り扱い予定です。完売の場合、お取り扱いはございません。
*会期終了後、伊勢丹新宿店 本館3階 リ・スタイル、メンズ館6階 メンズクリエーターズでもお取り扱い予定です。完売の場合、お取り扱いはございません。
*三越伊勢丹オンラインストアでは白のみ4月22日(火)表示開始、4月23日(水)午前10時頃から販売開始予定
*会期終了後、伊勢丹新宿店 本館3階 リ・スタイル、メンズ館6階 メンズクリエーターズでもお取り扱い予定です。完売の場合、お取り扱いはございません。
*三越伊勢丹オンラインストアでは白のみ4月22日(火)表示開始、4月23日(水)午前10時頃から販売開始予定

キーホルダー(左:ホワイト、表 右:ネイビー、裏) 商品を見る
各 6,600円
*伊勢丹新宿店 本館3階 リ・スタイルでもお取り扱いがございます。
*会期終了後、伊勢丹新宿店 本館3階 リ・スタイル、メンズ館6階 メンズクリエーターズでお取り扱い予定です。完売の場合、お取り扱いはございません。
*三越伊勢丹オンラインストアでは白のみ4月22日(火)表示開始、4月23日(水)午前10時頃から販売開始予定

キーホルダー(左:ホワイト、表 右:ネイビー、表) 商品を見る
各 6,600円
*伊勢丹新宿店 本館3階 リ・スタイルでもお取り扱いがございます。
*会期終了後、伊勢丹新宿店 本館3階 リ・スタイル、メンズ館6階 メンズクリエーターズでもお取り扱い予定です。完売の場合、お取り扱いはございません。

FOR SHOES 商品を見る
3,080円
*会期終了後、伊勢丹新宿店 メンズ館1階 コスメティクスでお取り扱い予定です。完売の場合、お取り扱いはございません。
*三越伊勢丹オンラインストアでは4月16日(水)午前10時表示開始、4月23日(水)午前10時頃から販売開始予定

THE AGENT 商品を見る
18,150円
*会期終了後、伊勢丹新宿店 メンズ館1階 コスメティクスでお取り扱予定です。完売の場合、お取り扱いはございません。
*三越伊勢丹オンラインストアでは4月16日(水)午前10時頃表示開始、4月23日(水)午前10時頃から販売開始予定

BS HIGH GAUGE SHORT SLEEVE TEE SHIRT
サイズ
1、3 商品を見る
5
F 商品を見る
各 36,300円
*伊勢丹新宿店 本館3階 リスタイルでもお取り扱いがございます。
*会期終了後、伊勢丹新宿店 本館3階 リ・スタイル、メンズ館6階 メンズクリエーターズでもお取り扱い予定です。完売の場合、お取り扱いはございません。
*画像はフリーサイズ(L~XL)です。
*5サイズに関しては三越伊勢丹オンラインストアでのお取り扱いはございません。
*他のサイズ、カラーについては「商品を見る」からご確認ください。
*三越伊勢丹オンラインストアでは4月23日(水)午前10時頃から発売開始予定
- 開催期間:4月23日(水)~4月29日(火・祝)
- 開催場所:伊勢丹新宿店 本館1階 ザ・ステージ
- 開催日時:①4月23日(水) 午後6時~7時 ②4月26日(土)午後2時~3時
- 開催場所:伊勢丹新宿店 本館1階 ザ・ステージ
- ご参加条件:サイン会当日に伊勢丹新宿店 本館1階 ザ・ステージ内にて商品をお買いあげの先着20名のお客さまのみご参加いただけます。
*人数の上限に達し次第、終了とさせていただきます。
*諸般の事情により、予告なく変更・中止させていただく場合がございます。予めご了承ください。
ノベルティ情報
会期中、本館1階ザ・ステージ内にて税込11,000円以上お買いあげいただき、三越伊勢丹アプリのクーポンをご提示いただいたお客さまにアートポスターを1枚、またはオリジナル刺繍ワッペンをプレゼントいたします。*アートポスター、オリジナル刺繍ワッペンともに200枚限定です。なくなり次第、終了となります。
*ポスターの種類はお選びいただけません。

「M/M(Paris) for Yohji Yamamoto"Perspective Libre″」
- 開催期間:4月23日(水)~4月29日(火・祝)
- 開催場所:伊勢丹新宿店 メンズ館1階 ザ・ステージ
Post by ISETAN MEN'S net
Photo:Yusuke Iida & M/M(Paris) & ISETAN MEN'S net
Text:Shingo Sano & ISETAN MEN'S net
*価格はすべて、税込です。