【アクセリウム】輝きにまつわる6人のストーリー

毎日を輝かせてくれる、いつまでも一緒にいたいと思える。「私だけの名品アクセサリー」は、どんなものですか?出会いから込められた想いなど、輝きにまつわるストーリーを語っていただきました。第5回目は、〈talkative/トーカティブ〉のデザイナーのマロッタ忍が語ります。
家族から贈られた大切なジュエリー
ジュエリーと聞いて最初に思い出すのは「家族からのプレゼント」かもしれません。父の海外出張のお土産でもらったパズルリングや18歳のときに免許を取った際のお守りとして両親からもらったティファニーの鯉の銀製のキーリング、祖母から譲り受けたSEIKOの手巻き式指輪時計など振り返って見ると、家族からのプレゼントにジュエリーをもらう機会が多かった気がします。決して高価な何かをプレゼントされる訳ではありませんが、記憶に残る、好奇心をくすぐるものが多くこの3つは特に思い入れがあります。



マロッタ忍さんのマイフェイバリット
「チェーン」という構造物に昔からとても興味を持っていました。硬いはずの金属が繰り返し繋がることでどんな曲面にも沿っていく。軽くて繊細な糸などとはまた違った線を描くところにも魅力を感じます。同じものの連続性としなやかさ、そして力強さが美しい。チェーンは付属品、脇役と考えられがちですが、チェーンそのものが主役になる存在だと思い続けています。その為、〈トーカティブ〉のジュエリーではチェーンを題材にしたコレクションは自然と多くなります。
いつの時代にも普遍的でそれでいて確かな存在感と機能美を持った、そんな美しいジュエリーを身に着けたい。そう思い仕立てたものが、チェーンが主役のコレクション「JOINT」。
ネックレスのチェーンの1コマをモチーフにしたオリジナルの金具はトップとしても付けられるようになっていて、チェーンは紙で作ったペーパーレイのようなチェーンを使用。タイムレスに身に纏えるようデザインしたもので私自身、ほぼ毎日欠かさずに身に付けています。
プロフィール
〈トーカティブ〉デザイナー/マロッタ忍
グラフィックデザインの第一第一線を経験後、ジュエリーデザイン及び制作を学び大手企業でジュエリーデザインの企画に携わる。JJAジュエリーデザインアワード新人賞、伊丹クラフト展審査委員賞を受賞。日本の量産向けのジュエリーと海外で見るアートジュエリーの間のような、ファインジュエリーでありながらカジュアルに身に付けられるジュエリーブランドがまだなかった2008年、グラフィックを学んでいた感性を活かして、この隙間のカテゴリーになれるようなジュエリーブランドをつくりたいと〈talkative/トーカティブ〉を設立。