環境を思い、自分らしく選ぶ靴。<オッフェン>プロデューサー兼デザイナー 日坂 さとみさんインタビュー

環境を思い、自分らしく選ぶ靴。<オッフェン>プロデューサー兼デザイナー 日坂 さとみさんインタビューのメインビジュアル

使用済みペットボトルから作られる糸で編まれたアッパーによる開放的な履き心地と、あらゆるライフスタイルに馴染むデザイン、ブランドを手掛ける日坂 さとみさんの物作りへの考え方が多くの女性たちの共感を呼ぶシューズブランド<Öffen/オッフェン>。ブランドローンチから1年を迎え、伊勢丹新宿店で行われるPOP UPイベントを前に日坂さんのお話を伺いました。

<オッフェン>POP UP

□2022年5月25日(水)~5月31日(火)
□伊勢丹新宿店 本館2階 プロモーション

※掲載の情報につきましては、諸般の事情により予告なく変更・中止させていただく場合がございます。予めご了承ください。必ず事前にホームページを確認してからご来店ください。

<オッフェン>ブランド立ち上げの背景や想いをお聞かせください。

  • <オッフェン>ブランドイメージ画像1

※画像はイメージです。

「どうしたら環境に向き合いながらもワクワクする物作りの確立が出来るのか」という想いを起点にしています。長年働いたアパレル業界で、ファッションの裏側を見ながらモヤモヤする気持ちを漠然と抱えていました。製造過程で地球環境や労働環境に負担がかかっていること、凄まじいスピードで移り変わる流行、大量生産されては捨てられていく在庫。それでも20代の頃は「とにかく流行りの服を身につけていたい!最先端のファッションを!」という気持ちが先行してしまっていました。心境が大きく変わるきっかけになったのは、子どもを出産したこと。子育てを通してライフスタイルが一変し、今までは気にしていなかった環境問題に目が向くようになったり、子どもに食べさせるものや着せるものは何を選ぶべきか考えたりするようになりました。

そして、ふと「大人が自分自身の物を買う時の“選択基準”って今までにも多くあったはずなのに、デザインばかり重視して物作りの背景まで見てこなかったな」と気づいたのです。同時に、ただ今までの誰かと同じことをするのには何も魅力を感じない自分もいて。「地球環境と向き合う物作りに関わる一人にならないといけない。より長く使っていただける新しい物を作りたい。」と考えるようになりました。まずは自分がワクワクする物作りをしなくては納得できるものは生まれないと行動を始め、私自身も学びながら<オッフェン>のシューズの開発がスタートしました。「何を作るか?」ではなく「どう作るのか?」という想いが<オッフェン>のプロダクトには反映されています。

  • ペットボトルの画像
  • <オッフェン>ブランドイメージ画像2

※画像はイメージです。

ブランドローンチから1年。お客さまからの反応や今の心境はいかがですか。

  • <オッフェン>ブランドイメージ画像3

※画像はイメージです。

できるだけ製造工程は少なく、役目を終えた靴を廃棄する際の問題を最小限に抑えるための素材の選定、消費者となるお客さまをゴミの生産者にしないようなパッケージの工夫、その上で「気軽に履けるおしゃれな靴」であること。<オッフェン>に詰め込んだ思いが、沢山のお客さまに共感していただけていることを実感しています。多くの方が購入後にSNSで商品についてのレビューを発信してくださっていて、いつも嬉しく拝見しているのですが、ほとんどの方に共通しているのは<オッフェン>の環境についての考え方を支持してくださっていること。それを選ぶポイントとしてくださること。「今までにこんなことがあっただろうか!」という大きな感動がありました。お客さまが自分自身で環境に良いと感じるものを意識して選択し、さらにファッションを楽しみながら発信してくださる。消費者の方々が自ら波を作り出す動きは、10、20年前にはなかった確かな変化だと感じています。<オッフェン>のシューズが、一人ひとりの小さな意識や行動、選択肢を変えるきっかけになっていたら、とても嬉しく思います。

  • 靴紐で結ばれた<オッフェン>のペーパーバッグの画像

<オッフェン>のシューズには靴箱が無く、再生紙でできたペーパーバッグで提供される。袋の口を閉じているのはなんと靴紐!それぞれが自由に次の使い道を見つけることができる。

お客さまのどのようなニーズ、どういったシーンに<オッフェン>のシューズを履いていただきたいですか?

  • <オッフェン>ブランドイメージ画像4

※画像はイメージです。

イメージに捉われずさまざまな方に履いていただきたいと考えていたので、ブランドを作る際にターゲット層は絞りませんでした。現代の女性たちは暮らし方や好みも多様化しているので、ブランド側が特定のお客さま像を決めるのは難しい時代だと思っています。今では、環境問題に関心のある方から履き心地の良い靴を探求されている方、そしてもちろんファッションが好きな方まで本当に幅広い方々が<オッフェン>を日常に取り入れてくれてくださるようになりました。また、<オッフェン>のシューズは“何用の靴”というカテゴリ分けもしていません。行事だけのために靴を買い、普段は靴棚にしまったままだなんて勿体ない!普段履きも出来る靴であることは必要不可欠だと考えています。ワークスタイル・休日のお出かけやデート・子供と公園遊び・冠婚葬祭などあらゆる場面で使ってほしいです。<オッフェン>の靴は、いつでも程良くそのシーンに馴染むと思いますよ。今回のPOP UP会場ではウエディングドレスの端材を使用したパンプスをご紹介しますが、こちらも同じ考えの元に作っています。ウエディングという名前ではありますが、普段も自分らしく履いていただけるシューズです。

我々のブランドコンセプトである「普段履けるちょっとオシャレな靴。そして環境に優しいをテーマに。」そして「The destination does not matter. I am happy just to be with you. (行き先はどこでも、あなたと一緒にいれさえすれば私はハッピーです。)」にあるとおり、普段のお出かけにどんどん連れていっていただけたら嬉しいです。私自身も一消費者として、この1年の足元は<オッフェン>のシューズばかりです!(笑)ものすごく愛着を感じています。

  • <オッフェン>ブランドイメージ画像5

※画像はイメージです。

<オッフェン>の靴をお選びいただく際のポイント

自分の足に合ったサイズを選ぶために、まずは実際に試し履きいただくことをおすすめいたします。<オッフェン>のシューズは、アッパーに使用している糸の特性により、まるで肌に吸い付くようなフィット感があります。このフィット感により、通常の靴のサイズよりやや小さいように感じる方もいらっしゃいます。履き口のラインや編み地のデザインによって、同じ型を使用している靴でもサイズ感が異なります。お選びいただくデザインにより、いつものサイズで良いものもあれば、0.5~1cm大きめのサイズが心地良いと感じることもあります。お一人おひとりの足にぴったりな履き心地の靴に出会えるよう、ぜひPOP UPイベント会場でお試しください。

<オッフェン>のこれから、そして夢を教えてください。

  • 日坂 さとみさんの画像

これが当たり前、これが普通と思い込んでいた“当たり前のこと”から脱却していきたいです。日本の歴史を辿ると、人は裸足から草履、下駄、海外からの影響を経て靴を履くようになり今に至ります。しかし現代人が靴を履く大きな理由は、土や草の大地がアスファルトに覆われてしまい、もう靴無しでは歩けない状況だから・・・そしてそれが当たり前になってしまっているからです。ゆっくり呼吸をしている地球、その呼吸に合わせられるブランドであり続けること。スローに生き続けていくこと。もう後戻りができない中、私たちがどこまでも歩いていけるように。そのための靴を<オッフェン>は作り続けていきたいと思います。

  • ペットボトルの山の画像

※画像はイメージです。