<おいしいプラス>三ツ星7年連続獲得料理人が手掛ける「おいしい」と「健康」を融合した料理。

2024.9.13 UP

「おいしい」という喜びと共に「健康」をお届けしたいという想いで2014年に創業した<おいしいプラス>。『ミシュランガイド東京』で7年連続三ツ星を獲得した経歴を持つ日本の料理人・江﨑新太郎さんが監修を務めている。いかにしておいしさと健康を融合させているのか。その料理の取り組みや工夫を訊いた。

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糖質や塩分を抑えた手作りの料理で「おいしい」+「健康」を届ける

「世の中から肥満と病気を大幅に減らす」というビジョンを掲げ、糖質や塩分を抑えた料理の提供を実現する。その中心に立つのが、東京や京都の日本料理店で修業を重ね、ミシュランの星の獲得でも知られる江﨑新太郎さんだ。

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江﨑新太郎さん 代表取締役会長

東京・赤坂の料亭「山崎」や京都の日本料理店で修業を重ね、1994年に東京・青山に「青山えさき」を開店し、『ミシュランガイド東京』で7年連続三ツ星を獲得。2014年に<おいしいプラス>を設立。2018年より、山梨県八ヶ岳にて日本料理店を営む。

江﨑さんは、かねてよりごく当たり前に健康を意識した料理をつくり続けてきたが、具体的に現在の取り組みを始めたのは、現代の国民病の代表格ともいえる糖尿病をはじめ、食の制限をしなければいけない方向けの食事が「おいしくない」という声が聞かれたことにあった。

「塩分やカロリーなどを制限しなくてはいけない状況の方の食事にも、おいしさという大きな喜びを融合させるのが僕の使命です。それも、ただの『おいしい』ではなく『圧倒的においしい』をかなえたいのです」

 

そのための具体的な特徴はこうだ。

ごはんは、糖質を抑えながらも食べ応えが得られるよう、独自の米型こんにゃく米を30%以上使用。白米に混ぜることで、味に違和感がないうえに、食物繊維が摂れるメリットもある。

甘みには、砂糖の代わりに天然果実のラカンカを使用。自然な甘さを引き出し、調理のノウハウと掛け合わせて多彩なレシピを集積している。

旨みやコクの基本となるのは天然だし。自社のセントラルキッチンでは、毎日だしを引いて随所に活かすことで、塩分を抑えながらも満足感が高い味わいに仕上げている。醤油やみりんといった調味料も、無駄なものが入らない造りのものを使用している。 

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鰹節や昆布、あるいは鶏ガラでだしを引く、野菜を切る、白滝をゆがくといった下ごしらえはすべて手作業。素材の味を最大限活かせるように努めている。

江﨑さんが全料理の開発を手掛ける。旬の食材を使って季節の味を届ける

自社のセントラルキッチンでは日本料理で研鑽を積んだ料理長が中心となり、すべての料理を手作りしている。

「食べる方が飽きてしまわないよう、食べる楽しみが生まれるよう」との考えから、弁当の内容は旬の食材を用い、季節ごとに変わる。

 

たとえば、10種類のおかずが詰まる「彩り豊かな新懐石弁当」は、「ズッキーニと赤玉葱 梅と黒胡椒マリネ」「焼き大根マーボー辛味噌餡かけ」など多種類の野菜が入り、内容は時季によって随時変わっていく。

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彩り豊かな新懐石弁当(1個)1,620円

しっとりとした薄切り牛肉のすき焼きをはじめ、焼きブロッコリーの柚子胡椒オイルのマリネなどのおかずが詰まる充実の内容。それでいて自然な味わいとおいしさを楽しめる。

少量サイズの「小弁当」は炊き込みご飯とおかずの2段で構成されるもので、おかずには肉や魚の主菜と彩り豊かな副菜が入る。ある時季の「大山鶏の照り焼き小弁当」について、江﨑さんはこう語る。

「おだしときのこの風味がきいた炊き込みごはんには、具材が入る分、お米の重量が減って、食べごたえはあるのにより糖質を減らせることを考えています。こちらも、もちろんこんにゃく米を混ぜ込んでいます。しっかり甘みを感じるだし巻き玉子は砂糖不使用。トマトで酸味をきかせ、ブロッコリーはだしで味をふくませ、旨みを感じるようにしています」

 

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大山鶏の照り焼き小弁当(1折/2段)783円

大山鶏のもも肉が柔らかな照り焼きに。ふわふわの食感のつくねには甘辛いたれを添える。年配の方やお子さまの需要が高い少量サイズのお弁当。きのこの炊き込みご飯や手巻きのだし巻き玉子が入り、彩り豊かに。

 

目の行き届いた料理監修やレシピ提供をするために、江﨑さんは現在拠点としている八ヶ岳から、毎週、都内にあるセントラルキッチンに赴いては、料理長や製造部長たちとミーティングを重ねている。すべての料理の検食を行い、定番の商品についてもよりいい素材や料理法がないかと常に向き合っている。

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普段、江﨑さんが厨房に立ち、料理もサービスも1人でこなす「八ヶ岳えさき」。大きな窓から白樺林が望める空間。昼夜共に入店できるのは1組のみ(6名まで)。

 

定番の弁当にも<おいしいプラス>ならではの工夫が冴える

ボリューム感のあるすき焼きや鰻の弁当も、“摂りすぎない”を意識する工夫によって糖質や塩分を抑えることを実現している。

通常なら砂糖が多く入りがちないなり寿司も砂糖不使用。ひと口サイズでパクッと食べられる仕様で、ジューシーな油揚げの中には海苔が一緒に巻き上げてあり、上品な風味が広がる。

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絹いなり寿司 こづつみ(1折)1,080円

絹のようにきめ細やかな油揚げを用い、だしをたっぷり含ませたジューシーさが持ち味。こんにゃく米を使った酢飯に、少量の一味を合わせてアクセントに。

「牛すき焼き重」は肩ロースとバラ肉をしっとり仕上げ、味付けは鰹だしが基本。このボリューム感で、糖質63.5g、熱量433kcal、塩分3gを実現。

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牛すき焼き重(1折)1.485円

秘伝のたれには天然の果実、ラカンカを使用し、糖質は抑えてもおいしさはそのまま。手巻きのだし巻き玉子や玉ねぎの甘煮と共に。

鰻は炭火で焼くことでふわっとした食感に。さらに、江﨑さんいわく「砂糖には脱水作用があるのですが、独自のたれに砂糖を使わないことで脱水が抑えられ、ふっくらとした食感に仕上げられます」。

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浜名湖産うなぎの炭火たれ焼き(1折)3,456円

肉厚で大ぶりな浜名湖産の鰻を、新鮮なうちに加工する。皮はパリッと香ばしく、身はふわっと柔らかく。素材の旨みを逃さないよう、短時間で焼き上げている。

「正しい食事を続ければ、病気にならない体作りにつながります。食のあり方を考えることで、お客様に感動を与えられたら何よりです」

こういった食と健康を考える工夫は食べるに方も自然と響くもの。<おいしいプラス>に毎日のように通うお客さまがいるというのも納得。いつまでもおいしいものを味わえる健康を保ちたいものである。

 

▼クレジット

Text : Yumiko Numa   

Photo : Yu Nakaniwa

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