<マンゴツリーデリ> タイ料理のレストラン・デリを日々の食事に。

2022.10.31 UP

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日本でのタイ料理ブームを夢見て。

2022年9月、レストラン マンゴツリー東京は日本上陸20周年を迎えた。今から20年前、東京のグルメシーンはフレンチブームの後にイタリアン、そしてバブル崩壊を経てスペインバルが台頭と西洋料理の人気が続いていた。

 

「その頃、タイ料理は独立した食文化として認識されていませんでした。あくまでエスニック料理という大きなジャンルの中の一つ。そして、タイ料理を知っている人でも思い浮かべるのは辛い料理、あるいは屋台料理のイメージでした。そんな日本で、洗練されたタイの料理や食文化を知っていただくのが私たちのミッションでした」。マンゴツリー広報担当マネジャー、神事まゆみさんはそう話す。

 

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バンコクにあるレストラン マンゴツリー本店。本国では1994年にオープンした。

レストラン マンゴツリー東京(2022年)の開業に続いて、レストランクオリティのデリとしてスタートしたのがマンゴツリーデリ(2007年)だ。

「レストランならではのデリを提供したいと考えていました。材料の調達も本場の本物と考えており、代表的な素材の一つがホーリーバジルです。日本のタイ料理店では、スイートバジルで代用されていることがほとんどでした。しかし、香りが全く違いますし、スイートバジルでは香りそのものが弱くなってしまいます。そこで冷凍であってもタイ産のホーリーバジルを使用することにしました」。

 

<マンゴツリーデリ>の看板料理である「鶏のガパオボウル」「豚のガパオボウル」にも発売当時からホーリーバジルがたっぷり使用されてきた。「ガパオ」とは、タイ語でホーリーバジルのこと。「日本では、鶏挽肉のバジル炒めが有名ですが、他の肉でも魚でも、そして野菜でも、ホーリーバジルで炒めた料理はすべてガパオと呼ばれます。タイ本国にはさまざまなガパオがあり専門店もあるほどです」。

 

かつてのタイ料理といえば、トムヤムクンのように辛いイメージが先行していた。しかし、ガパオは辛さ、旨味のバランスが良く万人に愛され、タイ料理の名刺がわりのような存在にもなった。これには日本進出当時からガパオをオンメニューしてきたマンゴツリーの功績も大きいだろう。

 

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鶏のガパオボウル(1個)918円

一番人気。伊勢丹新宿店で勤務するスタッフの定番ランチメニューとしても安定の人気を誇る。

 

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豚のガパオボウル(1個)918円

鶏肉よりもパンチのある味わいに仕上がっている。こちらも同じく人気が高い。

 

「伊勢丹新宿店への出店は私たちにとって商品開発のアイデアの源泉にもなっています。伊勢丹新宿店には定期的にの商品展開のテーマがあり、お客さまもこんな商品が欲しいと積極的にリクエストしてくださいます。マンゴツリーグループでデリを扱う店舗は現在7店舗ありますが、伊勢丹新宿店でのトライアルがきっかけとなって、他店へ波及した商品もあります。新宿は店内厨房があるので、新商品を柔軟にトライアルするようにしていますが、これまでガパオボウルは山椒風味にしてみたり、辛味にハラペーニョを使ってみたりしたこともあります。そんな風にして色々にガパオをアレンジして楽しめるというのは、私たちにとっても発見でした」。

 

「オリエンタルオードブルも伊勢丹新宿店で生まれた商品です。1品1品をテイクアウトのお弁当やお惣菜にするだけでなく、洋食のようにオードブルセットで販売するというのはデリカテッセンならではの発想だなと感じました」。

 

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オリエンタルオードブル(1セット)3,301円 ※予約注文

左上から時計回りに、ソムタム(グリーンパパイヤのサラダ)、ガイヤーン(焼き鶏)、ヤムウンセン(春雨のシーフードサラダ)、海老のフリットー、トムヤムチキン(トムヤム味の鶏の唐揚げ)、中央がポッピアソッ(ズワイガニの生春巻き)。甘味、辛味、酸味、旨味がそれぞれに組み合わさって、タイ料理らしい魅力の詰まったショーケース的なオードブル。

 

 

タイ料理ならではの、基本調味料と香り。

日本に醤油や味噌などの基本調味料があるように、タイ料理にも欠かせない基本調味料がある。まずは独特の旨味を与えるナンプラー。ナムは水、プラーは魚。主にカタクチイワシを塩に漬け込み発酵させた調味料で、タイ料理らしい旨味のベースとなっている。これにタイの唐辛子が加わったものが、プリック(唐辛子)ナンプラーだ。より本場に近い風味を味わうには、ガパオボウルにプリックナンプラーを少々加えるのもおすすめだそうだ。

 

ナンプラーと並んでメジャーな旨味調味料がタオチオだ。大豆の発酵食品だが、日本の味噌のような固形ではなく液体調味料に近い。こちらも炒めものなどに使用される。タイ料理の味付けの特色は、甘・辛・酸味がどれも突出することなくここに旨味が加わり、バランスの取れた風味を醸し出すところにある。スイートチリソースなどは、まさにこの甘・辛・酸味を代表する複雑にしてバランスの取れた調味料だろう。タイのさつま揚げのようなトーマンプラーにつけるのが定番だが、揚げ物全般にも合う。

 

こうした調味料類に、先のホーリーバジルやパクチーなどの芳香性の強いハーブが合わさると、えもいわれぬ魅力的なアロマが生まれる。ここで、もっと知っていただきたい<マンゴツリー デリ>の人気メニューをご紹介しよう。

 

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丸ごとソフトシェルクラブの玉子カレー炒め(1パック)1,512円

殻ごと食べられるソフトシェルクラブの旨味と唐辛子の辛味が玉子でマイルドになり、やみつきになる味わい。

 

 

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カオマンガイ(1個)789円

茹でた鶏肉に甘辛いソースをかけて食べる。ソースは、タオチオの旨味をベースに生姜の清涼感とピリッとした辛味が効く。セットのごはんはチキンスープで炊いている。これに鶏肉を乗せて一緒に食べる。

 

人間の5つの感覚で嗅覚に訴える香りはもっとも長く、強く記憶に残りやすいと言われる。タイ料理の香りに一度ハマってしまったら、それは忘れられない記憶となり、知らず、知らず、その香りを探し求めてしまうはずだ。

撮影・岩本慶三   

文・柴田香織

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