2024.5.7 UP
「柏餅」に変わって「若鮎」が店頭に並び始めると初夏の到来。秋に生まれ、冬を海で過ごし、春に大きく成長して川を遡上する鮎は、初夏のきらめきを象徴する存在。“昇り鮎”と称される縁起物でもあります。爽やかな香りと繊細な味わい、そして柳の葉のように優美な姿は古来日本人好み。万葉集の歌に登場し、江戸時代は将軍への献上品でもありました。
「若鮎」のルーツは岐阜説、京都説が強いのですが、どちらも清流として名高い長良川や鴨川、桂川を擁する土地柄。季節を表す地元の名産品をお菓子で表した、とするのは自然の流れでしょう。
薄いカステラ生地で求肥や餡を挟み、顔は焼印で表現されたものが多いですが、店ごとに表情が異なるのも一興です。
一点の曇りもない透明なガラス皿に、水草に見立てたディルを添えて、初夏の一瞬のきらめきを表しました。カーブのついた菓子切りは、若鮎の躍動感を強調してくれる存在。見て楽しい、食べて楽しいお菓子の時間を演出してみましょう。
<仙太郎>若あゆ(1個)238円
本館地下1階 甘の味
薄く焼いた上品な甘さのカステラ生地で求肥を包みました。表情だけでなく、尾びれや胸びれなども描かれています。
<鈴懸>若鮎(1個)249円
本館地下1階 甘の味
川面を涼しげに泳ぐ姿を、シンプルなデザインで表現しました。中には求肥餅を1本入れています。
販売開始:5月20日(月)
<たねや>稚鮎(1個)162円
本館地下1階 甘の味
ふんわりと焼き上げた生地に歯切れの良い求肥をたっぷり包み、若鮎に見立てたお菓子です。
販売開始:5月8日(水)
<鶴屋𠮷信>かつら鮎(1個)270円
本館地下1階 甘の味
桂川を泳ぐ鮎がモチーフ。もちもち食感の求肥とあっさりした甘さの白餡がたっぷり。
販売期間:5月15日(水)〜5月31日(金)
写真:和田裕也
スタイリング:chizu
文:板倉ミキコ