ソムリエが本当に贈りたいロゼワイン!

誕生日・お祝い・結婚祝い・記念日など特別な日に贈るギフトに「ワイン」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
今回は、「ワインをプレゼントしたいけれど、何を選んだら良いのか分からない!」という方におすすめのロゼワインを、伊勢丹新宿店 グランドカーヴの専属ソムリエ・宮沢 典芳がセレクト。「相手に価値が伝わりやすい銘柄」を中心に、ソムリエ自身が実際にギフトとして贈っている、または贈りたいロゼワインをご紹介します。
※オンラインストアでのご購入はギフト包装を承れません。店頭では、有料にてお箱に入れるギフト包装を承ります。(簡易的な無料のラッピング包装もございます。)
ソムリエに聞く、ロゼワインの基礎知識
ロゼワインとは?
ロゼ(rose)はフランス語で「バラ色」という意味で、その名にふさわしい可憐なピンク色が特徴です。ロゼワインというと「甘い」「女性向け」というイメージを持たれている方も多いですが、実は世界的な潮流は完全にドライな味わいで、8割以上が辛口です。30年ぐらい前まで、世界で最も売れていたロゼワインは「マテウス ロゼ」という微発泡で甘口のポルトガルワインだったこともあり、日本ではそのイメージが定着しているのかもしれません。
また、日本では春に人気のロゼワインですが、欧米では夏のバカンスの定番です。南フランスのコートダジュールなどに行くと、皆、パラソルの下でシャンパーニュかドライなロゼワインを飲んでいます。ぜひ日本でも春に限らず、長いシーズン楽しんでいただきたいですね。
世界的に見るとロゼワイン市場は20年前から伸長を続けており、SNS映えするようなかわいい見た目や飲みやすさからその人気はとどまるところを知りません。日本でもこれからさらに注目を集めそうです。

ロゼワインの作り方は?
赤ワインは黒ブドウの皮の色素を完全にうつしとったもの。それに対してロゼは、一部だけ色素をうつしとったものになります。色素のうつしとり方には、主に赤ワインと同じようにブドウをまるごと漬け込み、果汁がある程度色づいたところで皮を引き上げるタイプと、ブドウを果皮ごとプレスして、僅かに果汁にうつった色を活かして造るタイプがあります。
ロゼワインが作られる地域は?
全世界で作られています。ワインを作っているほとんどの地域で作られていて、その数もどんどん増えています。先進的な意識を持っているワイナリーほど手掛けているイメージがあります。
ロゼワインの価格帯は?
価格はほかのワインに比べて比較的低く、2,000円~3,000円程度のものが主流です。同等の価格で良質なワインを探す場合、赤ワインや白ワインより見つかりやすいかもしれません。
寒冷な地域ではブドウの色が乗りにくいこともあり、シャンパーニュでは例外的に高級品となっていますが、なぜかそのほかの地域では安価なものとして扱われてきた歴史があり、今でもお手頃なものが多いです。ロゼワインはデイリーに楽しめる価格でも本当においしいワインに出会えるので、非常に満足度が高いと思います。
ロゼワインの飲み方は?
ブドウの品種に合わせたグラスをお選びください。悩んだらボルドー型のものがおすすめです。温度帯は低めの5~6度から始めていただいて、グラスの中で温度の上昇とともに香りや口当たりの変化が楽しめます。ただ、どちらかというと白ワインの性格が強いもののほうが多いので、あまり温度を上げすぎると味がばらけてしまいます。ダレてきたなと思ったら、アイスバケツに戻してください。
ロゼワインに合う料理は?
ロゼワインは赤ワインと白ワインの中間ともいえるため、合わせられる料理の幅が広いです。和食・洋食・中華まで一度に並ぶ日本の食卓においては、どんな料理とでも仲良くできるロゼワインは非常に使い勝手が良いと思います。
ペアリングには「色が似ているものを合わせる」という傾向があります。色合いに味わいの傾向が反映されるんですね。麦茶を濃く煮出すと、まるで珈琲のような苦みが出るのと同じで、色合いと味わいは寄り添う関係だといえます。たとえばお肉だと鶏肉や豚肉など加熱すると白くなるお肉は薄い色のロゼワインに、加熱したときに赤みが残る牛肉や鴨肉は濃い色のロゼワインに良く合います。フランスのある生産者が来日したときには「ごまだれの豚しゃぶに、ウチのロゼを何本でもあわせたい」と言っていました。
さらに、野菜との相性がとても良いので、野菜がどんどん甘みを増しておいしくなっていく夏にかけて一緒に楽しんでいただきたいです。

\おすすめのロゼワイン/
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<ドメーヌ ル ルーブルー>ヴォルド ニュイ ロゼ 3,135円
日本人女性醸造家のアツコ・ラドクリフ女史がオーストラリアにて、2013年に設立したワイナリー。日本国内の数々のワイナリーの立ち上げやコンサルティング、酒蔵での日本酒造りの経験などワインだけにとどまらない活動が注目されています。そんな彼女が造るロゼは舌触りは滑らかで、フルーティさだけではない、複雑さを兼ね備えています。 -
<エスタンドン>アンソランス 4,180円
insolence(アンソランス)とは「生意気」という意味。可愛らしいボトルと口先で弾ける香りのインパクトで、味わいはすっきりとした辛口です。ハーブや柑橘を感じる香りはエスニック料理や香草を使った料理におすすめです。 -
<ドメーヌ ダヴィド デュバン>ブルゴーニュ ロゼ 3,630円
近年では、ショーヴォネ・ショパンなど、名門ドメーヌのコンサルタントをスタートするなど、ブルゴーニュで最も注目されているヴィニュロン。イチゴやチェリーのチャーミングな果実味に、きりっと引き締まった酸味がバランスよく感じられるワインです。 -
<ベッルッシ>プロセッコ・ロゼ 3,850円
イタリアを代表するスパークリング「プロセッコ」はこれまで白のみが認められていましたが、史上初めてのロゼが2021年に解禁となりました。最新の設備を備えたモダンな生産者で、二年に一度開催されるヴェネツィア国際芸術祭“ビエンナーレ”の公式スパークリングメーカーとして選ばれています。 -
<アルフレッド グラシアン>ブリュット ロゼ 11,880円
すべてのベース・ワインを樽で発酵させるシャンパーニュ地方でも数少ない生産者。サーモンピンクの色調の中で持続する細かいムースから香るラズベリーや梨のコンポートのアロマ。クリーミーで広がりのあるアタック、強さだけではなく果実の新鮮さやクリアな酸、確かなミネラリティが絶妙に調和した上質な味わいです。
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宮沢 典芳/ミヤザワ ノリヨシ
伊勢丹新宿店 専属ソムリエ
2002年より伊勢丹新宿店に勤務。1997年田崎 眞也氏主催「第1回コミ・ソムリエコンクール」最優秀賞。1998年JSA認定ソムリエ資格を取得。懐石料理店、フレンチレストランにてソムリエに従事。恵比寿「カーブ タイユバン」を経て現職。現在はワイン・洋酒売場「グランドカーヴ」での接客コンサルティング、ヴィンテージセラーを中心とした商品選定などを主に行う。シャンパーニュの祭典「ノエル・ア・ラ・モード」を当時のバイヤーと共に立ち上げる。2017年・2018年ジャパンワインチャレンジ審査員。2019年2月コマンドリー デュ ソルト ブション シャンプノワ叙勲。
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