なにを選ぶ?どう選ぶ?安藤 和津さんに聞く、日本橋三越本店と手土産のはなし

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エッセイスト・コメンテーターとして、テレビ番組や、講演など多岐にわたって活動されている安藤 和津さん。仕事やプライベートで手土産を贈ったり、受け取ったりする機会も多い安藤さんにとって「手土産」は、日々の必需品なのだそう。日本橋三越本店の食品フロアで選んでいるものや、手土産を選ぶときに大切にしていることを伺いました。

─安藤さんは、日本橋三越本店に時々足を運んでくださっているそうですが、どんなイメージをお持ちですか?

私にとって日本橋三越本店は、子どもの頃からお買物と言えばここでしたし、母との思い出がいっぱいの場所なんです。毎週末母に連れられて、お買物をして、そして特別食堂で食事をするというのが定番のコースでした。当時の私は、特別食堂のお子さまランチやアイスクリームにつられて母にくっついて行っていたんですよね(笑)。母は必ず呉服売場や子供服売場、書籍売場に立ち寄っていましたし、私も百貨店といえばここが一番に思い浮かびます。今でも入口のライオン像を見ると「三越にきた!」という気持ちになりますね。そして、なんと初めての講演会は三越劇場だったのでいろいろなご縁を感じています。

お買い物を楽しむ安藤さんの画像

「手土産」は私にとって日々の必需品のようなものです

─手土産をどんなシーンで贈ることが多いですか?

仕事でお世話になっている方にはもちろんですが、友人たちと集まるときにもちょっとした手土産を持って行きます。なので「手土産」は日々の必需品のようなもの。手土産選びは楽しいけれど気を遣います。

─日々手土産を選ばれているとのこと、選ぶときに大切にしていることは何ですか?

手土産の選び方は、母から教えられたと思っています。母はよくここで手土産を買っていたのですが、“あの方に差しあげるならこのお店のもの、ご家族が多い方だからこのお菓子を・・・”というふうに、贈る相手に合わせて細かく気を配りながら選んでいました。
そんな姿を常に見ていたので、私も選ぶときは、年代や家族構成を気にしたり、お子さんやお孫さんがいらしたら大人も子どもも食べられるものにしたり、お店や会社を経営されている方なら従業員の方も召しあがれるものにするなど、お相手に合わせて、喜んでいただけそうなものを選んでいます。今日も会食の予定があるので、先ほど地下の食品フロアで手土産を買ったところです。

定番も新しいブランドも、手土産の選択肢がたくさんあるのが日本橋三越本店のいいところ

─日本橋三越本店で、お買物されたとのこと。食品フロアはどんな印象でしたか?

老舗や定番のブランド、知らなかった新しいブランドも揃っていて、手土産の選択肢がたくさんありますよね。歩きながらあちこち気になって足を止め、手土産だけではなく、自宅用にもお菓子やパンを買いました。フロア全体とても清潔感があったのも印象的でした。

─手土産上手な安藤さんが、日本橋三越本店の食品フロアで選んでいるものを教えてください。

年上の方や地方でお世話になっている方には、老舗や名店の和菓子の詰め合わせを贈るのが定番です。<とらや>の化粧箱入りの羊羹の詰め合わせや、<たねや>では季節のお菓子に加えて、最中「ふくみ天平」は必ず入れてもらいます。自分で餡を挟むタイプの最中は面白さもあって喜ばれます。
若いスタッフが多い仕事場などには<ヨックモック>や<銀座ウエスト>のクッキーの詰め合わせを。間違いのないおいしさのクッキーはいくつあっても嬉しいものですし、個包装なので好きなときに召しあがっていただけます。

先日入院している友人には、入院中の食事の楽しみになればと<加賀麩 不室屋>さんの「宝の麩」を贈りました。味噌が別添えなので塩分が気になるときは自分で味噌の量を加減できますし、日持ちもするので便利です。
若手俳優さんたちの舞台の稽古場に<好餃子>の餃子を大量に差し入れたときには、歓声が上がりました。ユーモアが通じる親しい相手だったら、ちょっとひねりのあるネーミングのお菓子なども贈ったりします。めずらしいものを探して「これどこに売っているの?」と会話が広がるのも嬉しいです。ちなみに、私は自分で小豆を炊くくらいあんこが大好きなので<十勝あんこのサザエ>のおはぎは自分用に買っています(笑)。

手土産の画像

気になるものを見つけたら、まず試食を。気に入ったら次回の手土産にすることも

─手土産の引き出しが多い安藤さんですが、その情報源は?

新しくておいしいものに詳しい友人から教えてもらったり、手土産で一度いただいて「おいしい」と思ったものは手土産リストにメモしたります。気になるものを見つけたら、まず自分用にひとつ買って試食して味を確かめて、気に入ったら次回の手土産にします。百貨店の食品フロアは、いろいろなお店が並んでいるので、歩くだけでワクワクしますし新しいブランドに出会えるのが楽しみなんです。

“三越”の紙袋や包装紙も大事
手土産を丁寧に選んだ気持ちを表現できる

─日本橋三越本店で手土産を選ぶ良さとは?

一度にさまざまなお店を見て回れることや、バリエーションの豊富さはもちろんですが、私は百貨店の紙袋や包装紙もとても大事だと思うんです。私たちの世代は、三越の紙袋といえば以前のデザインがなじみ深いですが、紙袋を見ただけでどこでお買物をしてきたのか分かるでしょう?
いまの時代は携帯のネットショップでポチッと簡単に買物ができてしまいますが、三越の紙袋に入った手土産を受け取ったら「三越でわざわざ買ってきてくださったのね」と嬉しい気持ちになりますし、贈る側は丁寧に選んだ気持ちを表現することができ、手土産にプラスアルファの思いをのせることができるのが良さではないでしょうか。

暖簾をくぐる安藤さんの画像

手土産は“気持ち”相手の喜ぶ顔を思い浮かべながら選んで

─悩ましい手土産選びですが、安藤さんの中で決め手はありますか?

手土産選びって、迷いますよね。喜んでもらえるかしら?食べてもらえるかしら?と悩ましいものです。決め手ではありませんが、手土産は“気持ち”。いい加減な気持ちで選んだり、義理で渡すものではないので、選ぶ方は相手の笑顔を思い浮かべワクワクしながら選びたいですね。

安藤和津プロフィール画像
安藤 和津さん
エッセイスト・コメンテーター
1948 年東京都生まれ。
学習院初等科から高等科、上智大学を経て、イギリスに2年間留学。その後CNNのメインキャスターを務める。
1979年、俳優・映画監督 奥田 瑛二と結婚。長女 安藤 桃子は映画監督、次女安藤 サクラは女優。
現在、教育問題や自身の介護経験、「食」などをテーマにした講演会やトークショー、情報番組のコメンテーターなど多岐にわたり活動中。