【完全保存版!ブランド徹底ガイド】vol.1|<オールデン>
タンカーブーツやチャッカブーツををはじめ、「made in USA」の靴作りを誇る老舗<Alden/オールデン>のシューズは、誰しも1度は履きたい男の憧れです。アメリカントラッドの歴史とともに歩んできた<オールデン>のシューズが長く愛されてきた最大の理由は、唯一無二の存在感と履き心地にほかなりません。
今回は、<オールデン>の代表モデルやコードバンを筆頭とするこだわり抜かれた素材について、また特徴的な「木型(ラスト)」の種類やサイズに選び方など、ブランドを知るには欠かせないポイントを詳しく解説。さまざまな視点からその魅力を知り、憧れのオールデンを手にしてみてはいかがでしょうか。
1.ヒストリー編|トラディショナルで快適な靴設計という革命をもたらした<オールデン>
2.素材編|コードバンだけではない「素材」へのこだわり
3.木型(ラスト)編|特徴を知り、自分の推し木型を見つける
4.【フィッティング編】|サイズ選びのポイントは?
5.モデル編|長く愛されている5つの人気モデル
■1.チャッカブーツ「1339」
■2.タンカーブーツ「4540H/4545H」
■3.ウイングチップ「975」
■4.Vチップ「54331」
ヒストリー編|トラディショナルに加えて快適な靴設計という革命をもたらした<オールデン>
メイドインUSAの誇り。アメリカントラッドの歴史を築いた130年
1884年、米国はマサチューセッツ州ミドルボロウでチャールズ・H・オールデン氏によって創業。創業当時はカスタムメイドのブーツや、受注生産による紳士靴を中心に製造を行っていました。
オールデンの革靴の特徴は、フィット感と抜群の履きやすさにあります。上質な素材を用いた伝統的なグッドイヤーウェルテッド製法に加えて、足に問題を抱えた人も快適に履くことのできる医療用矯正靴の分野を開拓し、靴設計に革命をもたらしたことでも知られています。
内振りのカーブが強い、<オールデン>で多く採用している木型「モディファイドラスト」を用いたシューズがこれに当たります。
素晴らしい「履き心地の追求」は、アイデンティティそのものであり、研究や開発で培った技術は全ての「オールデンシューズ」をより快適で履き心地のよいものとすることにも、大きな貢献を果たしています。
1931年に創業者であるオールデン氏の退職すると、現在4代に渡りブランドを経営する、ターロウ家へと経営権が受け継がれます。
現在<オールデン>の靴は、1970年にミドルボロウに建設された近代的な設備を整えた工場で作られています。
アッパーに用いるレザーの厳格な品質チェックをはじめ、 ライニングレザーの貼り合わせ、ソーイング、木型への吊り込み、仕上げまでに、約200にも及ぶ多くの工程を経て完成します。なかでも、スキンステッチモカなど1針1針を手作業で縫う高度な職人技術は欠かせません。オールデンの高い品質は、130年を超えるブランドの歴史と「made in USA」の誇りによって支えられています。
素材編|コードバンだけではない「素材」へのこだわり
アメトラの王道スタイルと言えば、<オールデン>のコードバン「No.8(バーガンディー)」を足元に添えるのは、トラッド好きにとって定番中の定番の着こなしといっても過言ではありませんが、近年は革好きな人やエイジングを楽しむ人、またビジネス用としてコードバンの「ブラック」を好む人も増えていて、今ではバーガンディーと同じくらい人気を二分しています。
他にも、<<オールデン>のシューズは厳選されたこだわりの素材が使用されているのでそれぞれの革の持ち味を最大限に味わえるのが魅力。ここでは<オールデン>で人気の主な5つの素材をクローズアップし、その特徴を解説します。
1. コードバン


<オールデン>の代名詞とも言える素材「コードバン」(馬の臀部の革)は、老舗タンナーであるホーウィン社のシェルコードバンを使用。”革のダイアモンド"とも称されているこの素材は、艶もさることながら、履いていくうちに馴染みがよく履きジワがくっきりと波を打つように大きく入るのが特徴です。<オールデン>好きならその心得として既知の事実ですが、その履きジワこそが最高に格好良いとされています。
コードバン自体はハリがある革なので、おろしたては硬く感じますが、次第に馴染みしなやかになっていきます。また、ホーウィン社のコードバンはブラックやNo.8が定番カラーとして主に使われていますが、日本国内に流通しないようなレアカラーのシューズが存在したりと、マニアの間では密かな話題となっています。
2. カーフ 
3. スウェード 
4. クロムエクセル

5. ユティカ

3.木型(ラスト)編|特徴を知り、自分の推し木型を見つける
<オールデン>は創業当時から「靴は歩くためのギア」という哲学を持っています。上記の画像のような様々な特徴の木型を採用しているのは、何よりも歩きやすさを前提に考えられているから。現在アメリカ本国では10種類以上の木型の靴が展開していますが、日本の市場ではより日本人の足に馴染みやすい木型を中心にラインナップされています。
今回はその中から、伊勢丹新宿店メンズ館でも取り扱っている特に人気の高い木型を中心にピックアップし、その特徴を詳しく解説。木型によってサイズ感やフィッティングも変わってくるので、まずはその特徴を知り、自分の足にあった”推し木型(ラスト)”を見つけて欲しい。
1. ABERDEEN LAST
アバディーンラスト

2. PLAZA LAST
プラザラスト

3. VAN LAST
ヴァンラスト

4. BARRIE LAST
バリーラスト

5. MILITARY LAST
ミリタリー ラスト(379X)

土踏まずを緩やかに絞っていて、踵まわりが小さく、甲が低いので、足幅が細い方でも合わせやすいのが特徴です。
6. MODIFIED LAS
モディファイドラスト

7. TRUBALANCE LAST/トゥルーバランスラスト
オーソペディック(足の治療や運動機能の補助を目的とした靴)のライン、フットバランスシステムの1つトゥルーバランスラスト。丸みを帯びたトウデザインが特徴的で、<オールデン>の中でもっとも幅が広いとされている。つま先にボリュームがあり甲が低めなこの木型は、モディファイドラストと並び、多くの足型に合うのが特徴です。
8. HAMPTON LAST/ハンプトンラスト
<オールデン>では最もドレス顔な木型の1つ。シャープなつま先とは異なり、やや内ぶりで程よいアーチシェイプが心地よいスタイリッシュなラストです。根強い人気でアメリカ本国での取扱いも多い。
9. COPLEY LAST/カプリラスト
レイドンラストのつま先をシャープに尖らせたトウデザインが印象的な木型。美しく足元をシャープに魅せるのは勿論、その見た目とは異なり程よくゆったりした履き心地が特徴。
10. LEYDON LAST/レイドンラスト
王道バリーラストを横幅、高さ共にやや細身に仕上げた木型です。つま先に丸みを残しているので、本国ではセミカジュアルなモデルに使用されることが多い。
11. GRANT LAST/グラントラスト
<オールデン>全木型の中でワイドとナローの中間に位置するベーシックな木型。フォルムにクセがない為、どんなパターンを乗せてもしっくりくるユーティリティ性が魅力の木型。
4.フィッティング編|サイズ選びのポイントは?
<オールデン>のサイズ合わせの考え方は、英国やイタリアなど「タイトフィッティング」を主流とした欧州の靴メーカーとは根本的に異なり、全て「アーチ(土踏まず)フィッティング」を基準とします。アーチが合うと、つま先は程よく余裕を持ち、指先を常に自由に動かすことができるので、革靴というよりスニーカーに近い履き心地が味わえるのです。この「アーチフィッティング」はまさに初めて足入れしたときから快適な履き心地でなければ歩行のサポートが出来ないと考えている<オールデン>の理念そのものでもあります。
サイズの選び方について
次に、押さえておきたいサイズの見方、選び方を解説します。
サイズ表記について

- 【靴の内側に記されている記号の見方】
- ①:サイズ表記
- ②:ウィズ表記(分母=ウィズ・分子=ウィズによって導き出されるヒールサイズ)
- ③:シューズのモデルナンバー
- *その他は諸説ある為非掲載
<オールデン>のサイズは全てUSサイズで表記されていて、UKサイズと比べるとハーフサイズ大きな表記となります。例えばUK7ハーフで自分のサイズを覚えている人はUS8を探すとよいでしょう。
ウィズについて
本国では木型によりそのウィズは様々で、AA~EEEEまで揃えており、多くの足型をサポートしています。ただ、<オールデン>のウィズ規格は元々がやや幅広の為、日本国内ではDでの展開が主流。これは一般的なメーカーのEまたはEEに相当します。
木型別サイズ合わせ方
<オールデン>のサイズ選びの1番で知っておくべきなのは、木型や革素材、デザインの複合的な要素でサイズが前後するという事こと。まずは、自分のレングス(長さ)やウィズ(幅)を正確に知り、自分に合った最適な木型やサイズを選びましょう。特に初めて購入される方は、必ずフットメジャーでレングスを測定し、店頭スタイリストへご相談の上サイズを決めることをおすすめします。
木型によっては広くて丸いつま先や、より狭くて先のとがったつま先のものもあり、それぞれの形状が異なるため、フィット感やサイズが異なります。他のモデルよりも0.5㎝ほどサイズが大きくなるモデルもあるので特徴をよく掴むことが必要です。


例えば、前述の主要な木型を目安にすると、「アバディーンラスト」のモデルは通常のUSサイズよりわずかに長さはあるもののサイズはジャストで選べる一方、「バリーラスト」や「トゥルーバランスラスト」モデルは通常のUSサイズより大きめなのでハーフサイズダウンすることがおすすめとなります。
また冬場に履く機会が多いブーツは、肉厚なソックスで着用するなど、ソックスの厚みによってもサイズが異なるため注意が必要です。
モデル編|<オールデン>を代表するメンズ館の人気定番モデル
1. チャッカブーツ「1339」
- 木型:バリーラスト
- カラー:バーガンディ
素材:コードバン
<オールデン>が改良に改良を重ね、1970年代に完成されたチャッカブーツ「1340」。無駄なデザインを持たないシンプルな見た目ながら、サイドのトリプルステッチ、バックステイに施されたヘヴィーステッチは、アメリカの空気が漂い、どこか心を掴まれるインパクトをもっています。オンオフ兼用で足元を演出してくれるのも魅力です。
2. タンカーブーツ「4540H/4545H」
木型:379X(ミリタリーラスト)
- カラー:バーガンディ(No.8)
ウィズ:D
素材:コードバン
「タンカーブーツ」は1995年に<オールデン>の日本の輸入総代理店ラコタが企画して誕生した日本発のモデル。現在では多くのセレクトショップがオーダーをしていて、世界的にも知られるモデルとなりました。
木型:379X(ミリタリーラスト)
- カラー:ブラック
ウィズ:D
素材:コードバン
ノルウィージャンフロントと呼ばれるつま先に施すステッチは、熟練職人による手縫いが特徴。木型を入れた状態でライニングまで縫わないよう細心の注意を払いながら縫われるこの技法は、履いたときにモカのステッチが足に当たらないようになっています。熟練の職人でも1日に10足程度しか縫うことができない希少性に加えて、ミシンのステッチとは違った手縫いの温かみと高級感が魅力です。
3. ウイングチップ「975」
- モデル:975
- 木型:バリーラスト
- カラー:バーガンディ(No.8)
ウィズ:D
素材:コードバン
バリーラストを使用したダービータイプの<オールデン>のシューズの中でも、人気の高いモデル。
トゥに乗せられたウイングの装飾が、サイドを通りヒールまで真っ直ぐに伸びていることからロングウイングチップという呼称がついています。
装飾的なアッパーと厚みのあるダブルレザーソールが、アメリカ靴らしいボリューム感とラギッドな印象を醸し出す、唯一無二のウイングチップシューズです。
4. Vチップ「54331」
- 木型:モディファイドラスト
- カラー:ブラック
ウィズ:D
素材:コードバン
<オールデン>の中でも一、二を争うほどの人気定番モデル、Vチップ。
その中でもモディファイドラスト、ブラックカラーのコードバンを使用したものがこの「54331」です。
履き心地に定評のあるモディファイドラストと足のホールドに優れる外羽根の効果で、長時間履いても疲れにくいと言われる<オールデン>の特徴、ストレスフリーなアーチフィッティングを存分に味わうことができます。
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Text:ISETAN MEN‘S net
Photo:Tatsuya Ozawa
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