ビジネスシューズをカスタマイズ感覚で修理してみました|日本橋三越本店Vibramソールファクター vol.2

 

日本橋三越本店 本館2階 紳士靴売場にある「ヴィブラム」ソールファクターは、イタリアのソールメーカー「Vibram/ヴィブラム社」公認のカスタマイズサービス。従来型のリペアではなく、愛着のある靴をより機能的に楽しくカスタマイズするサービスを、日本橋三越本店 紳士靴のアシスタントバイヤーの川村 拳大が体験。靴箱で眠っていた革靴が、修理担当スタッフの榊 圭さんによって、歩くたびに目を引くオシャレな靴へとアップグレード!

出番の少なくなった思い入れのある靴を、雨の日用の靴に

栗ごはんのイメージ

川村 拳大(以下、川村)榊さんにソールを貼り替えをお願いした革靴は、就活後、入社前に買った思い出の詰まった靴で、入社1年目から2年目にかけてよく履いていました。先輩やお客さまにいろんなことを教えてもらっていた頃の足元を支えてくれた靴ですが、最近は出番が少なくて……。

榊 圭(以下、榊) 川村さんが履いていた年数に比べると、アッパーなどはよく履いている印象がありますね。今回のリクエストは、「革底から雨の日にも履けるソールへの交換」ですね。

川村 そういうオーダーはよくあるんですか?

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 好きな靴や大事に履いている靴を実用性の高いものにしたいということで、レザーソールからゴムへの貼り替えは多くなっています。買ったばかりの下ろしたての靴に滑り止め用のハーフソールを貼ったり、レザーソールを保護するために上にゴムを貼ったりすることも多くなってきていますよ。川村さんのように思い出のある靴をもう一度履きたいというオーダーも多いです。

川村 いろんな種類のソールがありますが、どうやって最適なものを選ぶのですか。

 まず、お客さまの用途をお聞きします。川村さんの場合だと、仕事で雨の日でもガンガン履きたいとのことなので、都市生活の中で高いグリップ力を発揮する最新のゴム「ヴィブラムXS CITY」のフリードリッヒ Art.1442をオススメします。

突然の雨などが多い都市環境のために開発された特別配合のソール

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川村 レザーソールの靴は見た目に上品なので好きなんですが、最近のゲリラ豪雨のようなときに履いていると、どうしても中に染みてきたり、帰宅してからのケアが面倒だったりするので、ラバーソールに替えたいなと思っていました。

 お仕事で履いていると、雨の日の駅構内や、タイル貼りされた床が滑りやすかったり、革底で歩くと気を遣いますよね。「ヴィブラムXS CITY」は、雨で濡れた路面やタイル、マンホールなどを想定して開発されたので、グリップ力は抜群です。

川村 確かに、雨の日でも展示会まわりや打ち合わせなどがあるので、雨の中で革底の靴を履いていると憂鬱になりますよね(笑)。

栗ごはんのイメージ

紳士靴修理担当 榊 圭さん

 今回使用したソール「フリードリッヒ Art.1442」は、どんな形の靴とも相性が良く、ヴィブラムが昔から使われているパターンを、遊び心も感じるデザインで配しているので、とても特徴的で人気があります。

川村 作業工程はどういう内容なんですか?

 靴をお預かりして、ソールを剥がして、ミッドソールにアウトステッチをかけた状態にソールを接着します。貼った後、コバをトリミングして、コバにインクを塗って、磨いてフィニッシュになります。お預かり期間は約2週間です。

雨用にカスタマイズして、価格以上に新しい靴に生まれ変わった!

栗ごはんのイメージ

栗ごはんのイメージ

ソール:フリードリッヒ Art.1442
カラー:ブラック、ホワイト、レッド 全3色
価格:13,200円
お渡し期間:ご注文後約2週間以降

川村 赤いソールって、出来上がってみるとカッコイイですね。想像以上です。

 ヴィブラムではいろんなカラーとタイプのソールを揃えていますが、赤は人気がありますね。川村さんの靴もアッパーとフィットしてカッコよく出来上がりました!

川村 コバを黒に塗っているので、ぱっと見は変わった感じがしませんが、足を上げたときや後ろから見たときに印象的ですよね。「後ろ姿がカッコイイよ」と同僚に言われて、気持ちにハリが出ました(笑)。

栗ごはんのイメージ

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 見た目にも、実際も、レザーソールのときより軽量になっているので、雨の日に限らず、普段から履いてみたくなるはずです。

川村 貼り替えをお願いする前は、雨の日用のストレートチップを新しく買おうと探していたんですが、よく考えると、雨用の靴を探すよりも、自分が履き込んで足に馴染んだ靴を雨用にアップグレードするほうが、より愛着を持てますよね。

 そうですね。特にグッドイヤーウエルト製法の靴は、持ち主の足なりに馴染んでいるので、ソールの貼り替えて新たに活躍させるのは正解だと思います。

川村 雨用にカスタマイズして、価格以上に新しい靴に生まれ変わったと思います。

「後ろ姿が様になる」と褒められた川村の感想は―――

栗ごはんのイメージ

日本橋三越本店 紳士靴アシスタントバイヤー 川村 拳大

川村 ヴィブラムというと、黒に黄色のマークで、登山靴というイメージが強かったのですが、滑りにくい靴底や軽量の靴底などのバリエーションも豊富で、信頼性が高いイメージはそのまま、スーツスタイルに履く革靴もカスタマイズできることを体験しました。
出来上がりを履いてみると、思ったより柔らかくて、歩くと厚みを感じるので、とても安定感があります。これで急な雨にも好きな革靴が履けますね。赤のソールを選んだことで、オリジナリティが出てきて、ブランド靴とは違った存在感を楽しもうと思います。お客さまにもぜひおすすめしていきたいですね!

Vibram「ソールファクター」詳細

価格

  • シートタイプ 9,900円から
  • オールソール 13,200円から
  • ハーフラバー 4,950円から
  • リフト交換 4,950円から

お渡し時期

  • オールソール交換:ご注文後約2週間以降
  • ハーフラバー・リフト交換:当日約30分後以降

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*価格はすべて、両足分となります。
*お持ち込みいただいた靴の状態によっては、お客さまのご希望に添えない場合もございます。
*修理内容によっては、納品まで数日お預かりさせていただく場合もございます。
*ご予約に関しましてご希望に添えない場合もございます。予めご了承ください。
*詳しくは係員までお問い合わせください。
*価格はすべて、税込です。
*本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

Photo:Taku Fujii
Text:Makoto Kajii

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