思い出のバスケットボールシューズをリペアして甦らせました|日本橋三越本店Vibramソールファクター vol.3

日本橋三越本店 本館2階 紳士靴売場にある、イタリアのアウトソールメーカー「Vibram/ヴィブラム社」公認のカスタマイズサービス「ヴィブラム」ソールファクターに、中学生の頃に履いていたバスケットボールシューズを持ち込んだのは、日本橋三越本店 紳士靴のアシスタントバイヤーの川村 拳大。
約10年間眠っていたスニーカーが、修理担当スタッフの榊 圭さんの手によって見事に復活を遂げました!

 

物置で発見したバスケットボールシューズは、加水分解してソールが剥げ落ちていた

「ヴィブラム」ソールファクターに持ち込んだシューズのソール

川村 拳大(以下、川村) 前回、入社当時によく履いていた革靴のソールを交換してもらいましたが、今回はバスケットボールシューズを持って来ました。

榊 圭(以下、榊) アッパーは大丈夫ですが、ソールは加水分解(ポリウレタンが水分と反応して分解を起こしている現象)して剥げ落ちていました。ソールもかなり減っていますが、これを履いてプレーしていたのですか。

川村 はい、中学2年生の時にこれでバスケットをしていました。重要な大会にも履いていたシューズなので、愛着があって捨てなかったのですが、この前、休日にスニーカーサイトを見ていたら、このバスケットボールシューズが復刻していて懐かしくなって自宅を探してみました。

良く残っていましたね。当時の川村さんのポジションは?

「ヴィブラム」ソールファクターに持ち込んだシューズのソール

画像左:紳士靴修理担当 榊 圭さん、画像右:日本橋三越本店 紳士靴アシスタントバイヤー 川村 拳大

川村 マンガ「SLAM DUNK/スラムダンク」でいうと流川楓のポジション、スモールフォワードです。このバスケットボールシューズは、NBAオーランド・マジックの中心選手だったアンファニー・ハーダウェイ氏が履いていたモデルです。憧れの名プレイヤ-の1人です。

そういうのって憧れますよね。青春ですね。

川村 チームメイトとは違うバスケットボールシューズを履きたいと思って選んだモデルで、思い出も一杯詰まっているのですが、「スニーカーは修理できない」と思っていました。

榊さんがソール交換で選んだのは、最新技術が詰まったソール「SPHIKE」

川村 スニーカーのソール交換の依頼は多いですか?

ソールが加水分解して履けなくなって交換するのは一番多いケースですね。

川村 これまでだったら、「加水分解したらもう履けないので、悔しいけど捨てる」のが当たり前でしたが、こうやって「ヴィブラム」のソールを使って復活できるのは、本当にうれしいし、スニーカーファンにもっと広めたいです。

スニーカーソール修理前後

スニーカーソール修理前後

スニーカーは革靴と比べるとパーツが多いので、修理は難しいのですが、ソール交換はお任せください。
交換の手順は、まず、アッパーとソールの形が合うかどうかを確認します。川村さんのスニーカーには、品番186「SPHIKE」を使います。これはランニングシューズにも適したソールですね。

川村 結構厚めのソールですよね。

「SPHIKE」は、「ヴィブラム」の独自歩行アシスト機能が備わっているソールで、クッション低反発のEVAを使っています。トップがすり減りにくいメガグリップというゴム配合で、全体的にアール(アーチ状)がついているので蹴り出しやすく、前に進むエネルギーに変換が容易です。

川村 着地の衝撃を和らげながら、体重移動を前進のエネルギーに変えるわけですね。

そうですね。振り子のように足運びがいいのが特徴で、街履きでも楽なのもポイントです。

スニーカーソール修理後

川村 よく見ると、ソールを交換しただけではなく、補修もしてありますね。

剥がしたオリジナルソールと交換したソールは完全に一致はしないので、スニーカー用のリキッドを元々ののりしろ部分に塗ったり、踵周辺を革で補強・補修するカスタム(*)も行って雰囲気を壊さないようにしています。

*補修は別途料金が発生します。価格は補修が必要な範囲によって異なり、4,400円より承っております。詳しくは店頭でおたずねください。

カジュアルスタイルにぴったりのシューズにトランスフォーム!

スニーカーソール修理後

ソール: SPHIKE
カラー:ブラック、ホワイト 全2色
価格:13,200円
お渡し期間:ご注文後約2週間以降

ソール交換した出来映えと履き心地はいかがですか?

川村 ソール「SPHIKE」を単体で見たときには、ホワイトソールだったので、「もっとボリュームが出るのかな」と思いましたが、とても一体感があると思います。履いてみると見た目に反してとても軽くて、歩きやすいですね。オフの時に、ストリート×タウンカジュアルのようなコーディネートに履きたいです。

昔を懐かしみながら、また今の年齢の着こなしで履けるのは楽しいですね。

川村 スニーカーのソールの交換や修理をお願いするときに注意することはありますか。

ソールが加水分解してしまったり、形が崩れてしまったものでも、元のソールも一緒にお持ちください。また、今回の川村さんにオススメしたソール「SPHIKE」の他に、スニーカーのソールに使えるのは、すべてEVAで軽量な「PLUMP」と、トレイルランニング用の「FELL RUN」もあります。

川村 アッパーとソールの組み合わせで、いろいろトランスフォームできますね。

スニーカーでは、アッパーのメッシュの破れや、踵の内側や履き口の破れやこすれなども修復できるので、ぜひシューズクロークに眠ったままの愛用スニーカーのカスタマイズもお気軽にご相談ください。

Vibram「ソールファクター」詳細

価格

  • シートタイプ 9,900円から
  • オールソール 13,200円から
  • ハーフラバー 4,950円から
  • リフト交換 4,950円から

お渡し時期

  • オールソール交換:ご注文後約2週間以降
  • ハーフラバー・リフト交換:当日約30分後以降

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*価格はすべて、両足分となります。
*お持ち込みいただいた靴の状態によっては、お客さまのご希望に添えない場合もございます。
*修理内容によっては、納品まで数日お預かりさせていただく場合もございます。
*ご予約に関しましてご希望に添えない場合もございます。予めご了承ください。
*詳しくは係員までお問い合わせください。
*価格はすべて、税込です。
*本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

Photo:Taku Fujii
Text:Makoto Kajii

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