2026年度版 ランドセル選びの基礎知識

2026年4月に入学を迎えるお子さまのランドセル情報が、年明けから次々とリリースされていきます。いよいよ始まる「ランドセル選び」に向けて、まず知っておくべきランドセルの基礎知識を、徹底解説いたします。
ランドセル選びのスケジュールは?

ランドセルの購入時期は年々早まっている傾向にあります。人気のモデルは売り切れてしまうことがあるのでお早めに。伊勢丹新宿店では、約7割のお客さまが4月~8月にご購入されています。
2025年1月~4月
来年度のカタログ請求や情報が出始めます。気になるランドセルはWEBやカタログで情報をチェック。
2025年4月以降
3月頃からランドセルの販売がスタート。店頭や展示会イベントなどで気になるランドセルをご覧いただけます。人気のランドセルは早い段階でなくなる可能性もありますので、気になったランドセルがあれば早めにチェックを。
2026年1月~3月
注文していたランドセルが届きます。ご親族にランドセル姿をお披露目したり、写真館で記念撮影をしたり、思い出をつくりましょう。
ランドセルの人気カラーは?
男の子に人気のカラー
男の子向けにはブラックが根強い人気で、ブルーやグリーンが続きます。ブラックをベースにレッドやグリーンなどアクセントカラーを取り入れたランドセルも人気があります。
女の子に人気のカラー
女の子はラベンダーが一番人気ですが、男の子に比べてさまざまなカラーに分散しており、この傾向はさらに加速しそうです。
派手なカラーは目立って心配という方は、縁やステッチにアクセントカラーが入ったランドセルがおすすめです。
素材の選び方のポイント
ランドセルに使われている素材には、主に人工皮革の「クラリーノ」と天然皮革の「牛革」「コードバン」があります。
クラリーノ(人工皮革)
- 軽い
- 水に強い
- 色やデザインが豊富
- 価格が比較的安い
ランドセルで一番選ばれている素材のクラリーノ。軽さという点を重視する方からは特に人気です。人工皮革だけに水にも汚れにも強く、刺しゅうなどデザイン性に富んだモデルが増えてきています。カラーバリエーションも豊富なのでお子さまの好みのランドセルがきっと見つかるはず!
クラリーノにもさまざまな種類があります。求める機能性にあったものをお選びください。
- クラリーノ®:発売以来のロングセラーで最も軽いのが特徴です。
- クラリーノ®エフ:クラリーノに比べて、しなやかさや革らしい風合いに優れています。
- クラリーノ®レミニカ®:表面が傷に強いウレタン層になっており、丈夫で耐久性に優れています。
- クラリーノ®タフロック®NEO:軽さと、しなやかな風合いも兼ね備えた最も丈夫な「タフロック」シリーズです。
また、人工皮革にはクラリーノ以外にも「コードレ」「タフガード」「ベルバイオ」などがあります。
牛革(天然皮革)
- 革の風合い、重厚感がある
- 耐久性に優れている
- 人工皮革に比べると価格が高い
見た目に高級感があり、耐久性に優れています。使い込むほど味が出てくるのも特徴です。シボ加工が施された牛革は傷に強く、傷が目立たないので活発なお子さまにはぴったり!
水に弱いのでは?と心配の声もありますが、撥水加工が施されているランドセルが多いのでご安心ください。
コードバン(天然皮革)
- 品格、高級感がある
- 使い込むほどに風合いが出る
- 耐久性に優れている
馬のお尻の皮をなめした高級皮革で非常に希少価値が高い素材です。繊維密度が高く、傷に強い点が特徴で、使い込むほどに深まっていく艶となめらかさが魅力です。
ランドセルの重さ
人工皮革は約1,000g台~1,300g台、牛革は約1,300g台~1,600g台のものが多く、素材によって重さが異なります。またこだわったデザインにすると少し重量が増える場合もあります。お子さまの体が小さかったり、通学時間が長かったりする方は軽量のランドセルを選ぶのも良いでしょう。
ただ100g程度の違いであれば背負い心地がそこまで変化するわけではないので、重量を気にしすぎる必要はありません。軽量すぎるランドセルは耐久性を高めるための芯材などが少ない場合もあるので、そこもチェックしたほうが良いでしょう。各メーカーでさまざまな工夫がされているため、背負ってみるとそこまで重さを感じないということもあります。数値だけで判断せず、お子さまに背負い心地をお試しいただくのがおすすめです。
背負いやすいランドセルは?
お子さまそれぞれの体格が異なるように、フィットするランドセルも異なります。ランドセルを背負ったときに、ランドセルの底面が床と並行になる重心がとれたものを選びましょう。
肩ベルトは形・クッション・生地・厚みで背負いやすさが変わってきます。また、搭載されている機能も各メーカーで異なるので、事前に調べておくことがポイントです。
背あて部分は体に触れる面積が大きく、汗をかきやすい部分です。フィット感を重視しながら通気性のあるものを選びましょう。
学習院型とキューブ型の違いは?
ランドセル選びを始めるとよく目にする「学習院型(ベーシック型)」と「キューブ型」。この2つの型は「縁(ヘリ)」の構造が大きく違います。
へリとは、教科書を入れるメインのスペース(大マチ)と背中を縫い合わせる、縫い代部分のこと。このへリの有無で2つの形状を見分けることができます。ランドセル側面に「ヘリ」があるものが「学習院型」、「ヘリ」がないものが「キューブ型」です。
学習院型もキューブ型も、三越伊勢丹オリジナルランドセルは、すべてA4フラットサイズ対応です。ランドセルの形を保持する補強材も要所に入っているため耐久性もしっかりしています。
学習院型ランドセル

大マチと背あての縫代部分を外側で縫い合わせ、縫い代を包むように「へリ巻き」をして仕上げた、側面に「へリ」のあるタイプのランドセル。この「へリ」は無駄なものではなく、「ヘリ巻き」技術を施すことで断裁面を補強し、構造上ランドセルを頑丈にしたり、「へリ」が突起しているので大マチが直接、壁や床などに擦れて傷になるのを防いだりします。クラシカルでカッチリした重厚な印象です。
キューブ型ランドセル

大マチと背あてを内側から縫い合わせ、全体を包むように箱型に仕上げた、側面に「ヘリ」がないタイプのランドセル。コンパクトで丸みのあるやわらかな印象です。製造には特殊なミシンや成型マシンなどの設備が必要で、工程も多岐に渡り、さまざまな技術が必要となります。
キューブ型と学習院型の内寸サイズが同一の場合、左右の「ヘリ」部分でおよそ2cmほど学習院型の方が大きいランドセルになります。わずかな差ですがその分、小学校のロッカーなど狭いところへの収納がスムーズに行えます。見た目はコンパクトですが、容量は学習院型と変わりません。
ランドセル選びのポイント
「色・デザイン」「重量・耐久性」「背負い心地」の3つの項目をチェックすることがランドセル選びのポイントです。
色やデザインは、6年間お使いになるお子さまの好みを優先できると良いでしょう。親御さまの想いもあると思いますので、ご家族で話し合って皆さまが納得できるランドセルをお選びください。
重量の違いや耐久性などお子さまにはなかなか分かりにくいポイントは、大人の方が調べてサポートしましょう。
背負い心地はお子さま自身にしか分かりません。見た目が気に入ったからといってすぐに決めてしまうと、背負ったときに違和感があったり、背負いづらかったりする場合があるので、できる限り実際に背負ってお確かめください。
また最後にアフターサービスも確認しましょう。長期間使うのでトラブルによる故障で修理が必要になる場合もあります。きちんと修理をしてもらえるか、修理期間中に貸出用のランドセルが用意されているかも確認しておくと安心です。
壊れてしまったときの修理保証は?
ランドセルは長期にわたって使用するため、アクシデントで壊れてしまうことも。三越伊勢丹ではご購入から6年間、お子さまのご卒業まで修理を承ります。修理内容によって、有償・無償の対応が異なりますので、お買いあげの各店舗にお問い合わせください。修理期間は約1カ月~1カ月半、修理期間中は貸し出しランドセルをご用意しています。
※一部修理保証対象外の商品もございますので、ご了承ください。
ランドセルのお手入れ方法
汗や雨に濡れてしまったとき
雨に濡れてしまったランドセルをそのままにしておくと、革が硬くなりひび割れの原因となります。
- 人工皮革(クラリーノ):乾いた布で拭き取り、陰干しします。また、夏場は汗で背中が当たる部分は濡れてしまうことが多いので、よく乾かして陰干ししましょう。
- 天然皮革(牛革/コードバン):よく拭き取って、陰干ししましょう。保革油などで油分を与え、乾拭きまでするとより良いです。
汚れが目立ってきたとき
- 人工皮革(クラリーノ):中性洗剤で汚れを拭き取ってから、固く絞った布で水拭きします。
- 天然皮革(牛革/コードバン):汚れを拭き取ったあと、布あるいは化学ぞうきんに少量のシリコン液、またはワックスをつけて全体をよく磨きます。革の表面に薄い被膜ができるので、傷や水分、汚れがつきにくくなります。最後に吸湿性のよい布で乾拭きすれば完璧です。
小さなキズがついてしまったとき
少量の植物性オイルやランドセルと同色の油性マジックペンを使うことによって、キズを目立たなくすることができます。
※マジックペンは、あらかじめ目立たない場所でテストをしてからご使用ください。
表面が硬くなってきたとき
少量の保革油を塗り込むと、徐々に柔らかくなってきます。ただし、付けすぎると革が柔らかくなりすぎるのでご注意ください。
売れ筋の価格帯

三越伊勢丹のランドセルで人気の価格帯は6万円台。2位が7万円台、3位は8万円台と続きます。品揃えは6万円~9万円のものが多いです。
一般的には人工皮革→牛革→コードバンの順に価格が上がっていきますが、凝ったデザインのものや人気のブランドのものは素材に関わらず高価なものもあります。