【理英会監修】小学校入学前に身につけておきたい力を「遊び」から育む。お受験準備にもおすすめのおもちゃ6選

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「五感は幼児期に育つ」と言われるように、小学校入学前にお子さまはたくさんの力を身につけます。お受験準備のためだけでなく、就学前に身につけておきたい力にはどんなものがあるのでしょうか?その力を育むために適した「遊び」とは?「勉強好きを育てる」をコンセプトに幼小受験をサポートする理英会の仁尾先生、柴山先生にお聞きしました。

Profile

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理英会 仁尾 和道先生
子どもを細かく観察して、一人ひとりの個性を尊重し、他者への思いやりをはぐくみ、高い知性を養う授業を行う。学習塾部門での指導経験を活かし、中・高・大学受験までを視野に入れた視点で、多くの子育てセミナーや講演会、説明会に登壇。愛称は「かーびぃ先生」。
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理英会 柴山 奈穂子先生
30年に渡り、数多くの子どもたちを合格へ導いている理英会講師。保護者さまからの信頼は厚く、子どもたちからは「ぱんだ先生」と呼ばれている(理英会では子どもたちと講師の距離を縮めるため、ニックネームで呼ばれているそう)。情熱溢れる大人気の先生。

1.「構成力」を育てる平面遊び

はじめに身につけたいのは構成力。物の形を認識する力ですね。次に空間認識力の話が出てきますが、その前にまず平面構成を理解するというステップが必要です。基本の形である丸・三角・四角からスタートし、その形を1つの単体としてではなく、くっつけるとどんな形になるか、回してみるとどう見えるのか、幼少期に手で動かしながら発見を重ねることで、自然と頭の中でも平面構成ができるようになります。

<マグネットスピール>缶入マグネット

実際に手で触りながら「形」を理解していくために、おすすめなのが平面ブロックです。「<マグネットスピール>缶入マグネット」は、マグネット式でケースにピタッとくっつくので小さいお子さまにも遊びやすい設計。

  • 仁尾 和道先生が説明している様子の画像

  • マグネットスピールの缶入マグネットの商品パッケージ画像

    <マグネットスピール>
    缶入マグネット 5,720円 商品を見る

【遊び方のポイント!】

三角形を2つつなげてみたら大きな三角形ができた、もっとつなげると四角ができたといった発見が平面構成の力につながります。
また、ブロックを使って顔を描いてみるなど、創造力を養うこともできるのがいいところ。年齢に合わせてさまざまな遊び方ができます。

  • マグネットスピールの缶入マグネットで遊んでいる様子の画像

  • マグネットスピールの缶入マグネットで遊んでいる様子の画像

<東洋館出版社>パターンブロックプラス

4歳くらいからは「<東洋館出版社>パターンブロックプラス」もおすすめです。先ほどより少し複雑な形が入っていて、六角形がつくれる設計になっています。教材として採用している小学校もあり、長く遊べるおもちゃです。

  • 東洋館出版社のパターンブロックプラスの画像

    <東洋館出版社>パターンブロックプラス 5,720円

【遊び方のポイント!】

「まわしてごらん」「つなげてごらん」「裏返してごらん」と大人がアドバイスすることで、子どもは試行錯誤しながらいろいろな形を生み出します。つなげて形ができることがわかるとどんどん興味を示し、図形が好きになるお子さまも多いはず。また、積み上げて立体的な形をつくって遊ぶこともできます。

  • 東洋館出版社のパターンブロックプラスで遊んでいる様子の画像

2.「空間認識力」を育てる立体遊び

平面構成が理解できるようになったら、それを「立たせる」ことで立体構成が理解できるようになっていきます。小学校で学習する展開図の問題を苦手とするお子さまが多いのですが、それは「平面は平面の図形」、「空間は空間の図形」として別々に考えてしまっているから。
立体は平面で構成されているので、2つはつながっているんです。

<ボーネルンド>マグ・フォーマー ベーシックプラス30

日常生活でいうと、地図はまさに平面を立体と捉えて見ていますよね。その空間認識がうまくつながることで地図が読めるようになる。平面から立体を構成できるということを感覚的に教えてくれるのが「<ボーネルンド>マグ・フォーマー ベーシックプラス30」です。

【遊び方のポイント!】

磁石でカチッとつながる楽しさもあり、子どもはいろいろな図形をつくり出します。平面の形と立体の形を何度も繰り返すことで、頭の中で自然と展開図がイメージできるようになっていく。珠算を学んでいた人が頭の中でそろばんを弾くのと同じ感覚ですね。
お子さまはまず平面に置いて遊びはじめると思いますので、大人が「こうやって立たせると立体になるよ」と見せて、遊びながら気づかせてあげてください。

  • ボーネルンドのマグ・フォーマー ベーシックプラスで遊んでいる様子の画像

<ジェニ>賢人パズル

「<ジェニ>賢人パズル」もおすすめのおもちゃです。立体を組み合わせてさらに大きな立体を組み立てていくパズルなのですが、最初から完成させることを狙わず、まずは積み木と同じように遊んでいるだけで十分。年齢が上がるとパズルとして楽しめるようになると思います。大人でも難しいパズルですので、脳トレとして三世代で楽しんでいただくのもおすすめです。

  • ジェニの賢人パズルの画像

    <ジェニ>賢人パズル 3,300円

【遊び方のポイント!】

小さいうちはそれぞれのパーツを何かに見立てて、たとえば「テーブルとソファをつくりましょう。」と言って小さいお人形を座らせたり、そんな遊び方でも形を理解する力が身についていきます。これで立方体をつくれるようになるのは小中学生になってから。かといって大きい子のおもちゃとして扱うのではなく、小さいうちから触ってもらうのがいいと思います。「まだ早い」と言って待つのではなく、遊び方を工夫してとにかくいろいろな形に触れてほしいですね。

  • ジェニの賢人パズルで遊んでいる様子の画像

<キュボロ>キュボロ スタンダード50

立体遊びの発展形ともいえるのが、「<キュボロ>キュボロ スタンダード50」です。玉の通る溝がついた立方体を組み合わせ、道筋を考えながら組み立てます。キューブの中の穴は表からは見えないので、つなぐとどうなるかを考える「先を見通す力」が必要になります。

  • キュボロのキュボロ スタンダード50の画像

    <キュボロ>
    キュボロ スタンダード50 68,200円 商品を見る

【遊び方のポイント!】

最初は1つのキューブで玉が出てくるのをシンプルに楽しむ、そのあと2つ、3つ・・・と徐々に増やして遊ぶのがいいと思います。どこから出てくるかな?と想像しながら遊ぶことで、構成力だけでなく先を読む力を養うことができます。
大人が組み立てたものに子どもが玉を通すだけでも十分。見えないところをイメージすることが思考力を養ううえでとても重要です。

  • キュボロのキュボロ スタンダード50で遊んでいる様子の画像

3.「数の概念」を身につける遊び

ここまでは図形のおもちゃを通して身につく力についてお話しましたが、図形と並んで身につけておきたいのが「数の概念」です。

親御さま方によくお伝えするのは、「数が数えられること」と「数の概念を知っていること」は別であるということ。「これは1という数字だよ、2という数字だよ」と教えてしまうと、単なる記号の記憶になってしまうんです。
そうではなくて量感のイメージを持つことが大事。キャンディでもおはじきでもいいですが、1つと1つを合わせるとどれくらいの量になるのか、6つを2つに分けるとどれくらいの量になるのか、量感でわかるようになることが重要です。

<バヨ>木のアバカス

小学校受験では、足し算、引き算、掛け算、割り算すべての概念が出てきます。しかし、これらすべては量感がわかれば理解できること。実際に玉を触って量感をわからせてくれるおもちゃとして「<バヨ>木のアバカス」はすごく優秀ですね。

  • バヨの木のアバカスの画像 

    <バヨ>木のアバカス 7,150円

【遊び方のポイント!】

この「木のアバカス」は10のかたまりが10段並んでいて、さらに5つずつ色分けされています。1をひとつの玉と捉えられるので、足していくことでどれくらいの量になるかが直感的に理解できるんですね。さらに「5の束に1を足すと6になるよ」と、数字を束で考えられることも非常に重要です。これは数字ではできないこと。感覚的に量を理解できるというのが「木のアバカス」のよいところです。

小さい子はただ玉を動かすだけの遊びをすると思いますが、3歳くらいで1つずつ触って遊ぶようになったら数を数えながら動かして遊んでみてください。

九九を覚えるときもこれを活用すれば、2の束が2つだから4と感覚的に覚えることができ、単なる暗記ではない理解につながります。

  • バヨの木のアバカスで遊んでいる様子の画像

すべての土台になるのが「言語」の力

これまでお話してきた力のすべての根っこにあるのが言語力。数の問題も何が問われているかを理解するためには「言語」の力が必要です。

実はいま、日常生活で自分がやっている動作を言語化できない子が多いんです。たとえば掃除をするときも、ほうきで「掃く」、雑巾で「拭く」、はたきで「はたく」などさまざまな動作の言葉がありますよね。それを一言で「掃除する」と言ってしまうことで、身に付く動詞が減ってしまう。

食べ物の味についても同じでみんな「美味しい」と言うのですが、美味しいは味ではなくて感想ですよね。同じ言葉の繰り返しにならないよう「どう美味しいの?」とたずねることも大切です。

もう1つ意識したいことが、「こそあど言葉」をなるべく使わないということ。名詞・動詞を覚えることも大事ですが、学校に入ったら子ども同士のコミュニケーションが大切。「これ、あれ」ではお友だちには伝わらないですよね。

お子さまがなにを考えているかわかっていても「あれってどれのこと?何をしたいの?」と聞いて、しっかり言葉で説明できるようにすることも大切です。お子さまが話すのを待ってあげましょう

  • 柴山 奈穂子先生が説明している様子の画像

同時に、人の話をしっかり聞けるようになることも大切。話に割り込んでいったり、BGMのように聞き流すことのないように、1日1分でもいいのできちんと目を見てお話しする習慣を小さい頃から身につけてほしいです。

傾聴力をつけるためには絵本の読み聞かせも有効だと思います。学校に入ったら授業はほとんど「聞く」ものになります。聞くことでどんどん知識が増えていくので、その力も備えてほしいですね。

今回は幼少期に身につけたい力のお話をしましたが、大切なのは日常のなかで自然と身につけること。「さぁ今日は立体のお勉強をしましょう」と言って「マグ・フォーマー」を与えるのではなく、日々の遊びに溶け込ませることが大切です。

教材ではなくおもちゃとして渡して、お父さま・お母さまが「面白いね」と一緒に遊んでみせることがポイント。ただ触っているだけでも平面や空間、数の感覚が身につくものなので、ぜひ取り入れてみてください。