【ソムリエ厳選】メルロー種の特徴とおすすめワイン5選

メルローといえば、カベルネ・ソーヴィニヨンやピノ・ノワールと並ぶ主要な赤ワイン用のブドウ品種。今回は伊勢丹新宿店専属ソムリエの苅部 恭子が、「メルロー」の特徴や2022年の人気おすすめワイン5選をご紹介します。
ソムリエに聞く、メルロー種ワインの特徴
メルローとは?
メルローまたはメルロ(Merlot)は、赤ワインを作るブドウ品種のひとつ。カベルネ・ソーヴィニヨンと同じく、フランスのボルドー地方が起源だといわれています。ボルドー地方には大きな川が流れており、川下に向かって左手側の左岸・右手側の右岸のそれぞれで土壌や栽培品種が大きく変わります。左岸は砂利質で水はけがよく、カベルネ・ソーヴィニヨンが好む土壌。それに対し、右岸は粘土質の土壌で、メルローが主品種になっています。
メルローは早熟で環境への順応性も高く、気候を選ばず育てやすいため、世界中のさまざまな地域で栽培されていることも特徴です。アメリカ・カリフォルニア州のナパ・ヴァレーやイタリアのトスカーナ、チリ、オーストラリア、そして日本でも長野県の塩尻を中心に多く栽培されています。

メルローワインの香り・味わいの特徴は?
ピノ・ノワールは単一品種でワインが作られますが、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルローはブレンド品種とよばれています。
メルローワインの味わいはカベルネ・ソーヴィニヨンに比べてタンニンが柔らかめ、コクがあって丸みがあり、果実味や土のようなニュアンスが感じられます。プルーンやブラックベリーなど黒い果実を思わせる熟したアロマも特徴です。
メルローワインに合う料理は?
渋みが控えめでまろやかなので飲み手を選ばず、肉料理はもちろん、どんな料理にも合わせやすい味わいです。根菜のような土っぽさも感じられるので、和食の筑前煮などにも良く合います。いろいろな料理が並ぶ日本の食卓でも、使い勝手のよいワインだといえるでしょう。
お飲みになる際は、ボルドーを代表する主要品種ということもあり、ボルドータイプのグラスをおすすめします。鼻に抜ける香りが素晴らしいので、少し高めの温度だとより一層おいしく感じられるはずです。

メルローワインの選び方のポイントは?
メルロー種のワインといえば、世界で最も高価なワインとしても知られる「シャトー・ペトリュス」や「シャトー・ルパン」のような高級ワインから、リーズナブルなデイリーワインまで、価格帯が幅広いことも魅力です。タンニンが抑えられているため飲みやすく、食事にも合わせやすいまろやかな味わいなので、手みやげにもぴったりです。
初めてメルローのワインを飲まれる方には、やはりボルドーのものがおすすめです。それで「メルローがおいしい」と感じたら、ほかの地域のものを飲んでいくといいかもしれません。
また店頭のソムリエにご相談いただければ、お客さまのお好みや普段のお食事を伺いながら、ぴったりな一本をご提案します。

ソムリエが選んだ人気おすすめメルロー種のワイン5選【2022年】
1.<シャトー元詰>
シャトー・ダルマイヤック 2019
-
<シャトー元詰>
シャトー・ダルマイヤック 2019 8,800円
ボルドーメドック地区格付け5級シャトー。5大シャトーのひとつ、シャトームートンロートシルトのとなりにある。ムートンファミリーの優れた醸造技術によって作られるワインは、クラシカルで、飲み口の柔らかいスタイルです。素晴らしいヴィンテージの2018年は、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カベルネフランなどのブレンドです。
2.<シャトー元詰>
ラフルール モランジェマチルド 2019
-
<シャトー元詰>
ラフルール モランジェ マチルド 2019 5,280円
希少なガレージワインとして知られるシャトーラフルールモランジェのセカンドワイン。樹齢50年のメルローを使用。ブラックプラムやバニラのアロマ、まろやかな味わいで長い余韻が続きます。
3.<シャトー元詰>
リポー 2016
-
<シャトー元詰>
リポー 2016 11,000円
円熟したカシスやブラックベリーを思わせる華やかで力強いアロマ。豊潤な果実味と豊かな旨味。長い余韻が楽しめる古ボディの1本です。
4.<テヌータ・ルーチェ>
ルーチェ 2014 ハーフ
-
<テヌータ・ルーチェ>
ルーチェ 2014 ハーフ 11,000円
アメリカのロバートモンダヴィとトスカーナの名門フレスコバルディのジョイント・ベンチャーで、ボルゲリ地区のスーパータスカンのひとつ。メルローの比率が高く、滑らかな酒質で知られています。
5.<ジャン・ルイ・バララン>
ミヤディー クレマン ド ボルドー ロゼ セック
-
<ジャン・ルイ・バララン>
ミヤディー クレマン ド ボルドー ロゼ セック 2,530円
赤ワインの銘醸地ボルドーの主要品種で作られるクレマン(発泡性ワイン)。イチゴを思わせる愛らしい香りに、果実感たっぷりの味わいが楽しめます。
世界各国で作られているメルローのワインは、幅広い価格や味わいから選べることも魅力のひとつ。今回セレクトしたワインを入口に、さまざまなメルローワインをお楽しみください。
監修ソムリエ
-
-
苅部 恭子
かりべ きょうこOLを経験したのち、料理とワイン好きがこうじて飲食の世界に転職しました。2007年に静岡伊勢丹お酒ショップから、伊勢丹新宿店 グランドカーヴに異動。当時リニューアルしたばかりのグランドカーヴは日本一のワインショップと言われていて、大変緊張していたことを覚えています。只今、2人のやんちゃな男の子の母親、ママソムとして日々奮闘中。友人とのワイン会や日本のワイナリー巡りがたまの息抜きです。