【ソムリエ厳選】リースリングの特徴とおすすめワイン5選

【ソムリエ厳選】リースリングの特徴とおすすめワイン5選【2022年】のメインビジュアル

リースリングはドイツ・ライン川流域原産の白ワイン用ブドウ品種。極々甘口から辛口、そしてスパークリングまで幅広いタイプのワインが作られています。今回は伊勢丹新宿店専属ソムリエの苅部 恭子が、「リースリング」の特徴や2022年の人気おすすめワイン5選をご紹介します。

ソムリエに聞く、リースリングの特徴

リースリングとは?

リースリングの古くは15世紀頃の文献にも登場し、ドイツを代表する白ワイン用ブドウ品種。世界各地で栽培されていますが、その大半をドイツが占めています。中でも有名な産地がモーゼルとラインガウ。両地とも緯度は樺太と同じほど高く、比較的寒い気候を好む品種です。土壌は粘板岩で、あまり肥沃とはいえない痩せた土地で栽培されることで根が深く張ります。ドイツワインは糖度を高めることに重点が置かれていますが、リースリングの魅力は甘さと酸の絶妙なバランスにあります。リースリングは晩熟のため寒い地域では熟成により時間が必要となりますが、そのおかげでブドウにいい酸が残っていくのです。

ドイツ以外の銘醸地としては、ドイツとスイスの国境に位置する美食の街、フランスのアルザスがよく知られています。また、いま注目されているのはアメリカ北部のワシントン州。シャルドネとブレンドしたワインは非常に美味しいです。日本でリースリングはあまり栽培されていませんが、ドイツ系のブドウ品種では北海道でケルナーなどをつかった素晴らしいワインが作られています。

白ワイン用ブドウ品種リースリングのイメージ画像

リースリングの香り・味わいの特徴は?

リースリングといえば甘口のイメージがありますが、実は6割ぐらいは辛口です。その味わいは、「上品な」「高貴な」というふうによく形容されます。透明感やミネラル感があり、エレガントで品がよく繊細、そして余韻にはきれいな酸がいつまでも心地よく続いていきます。香りは白い花や洋梨・はちみつ・白桃・リンゴなど、女性的な印象。醸造などテクニカルな部分も表現できるシャルドネとは異なり、リースリングの個性はテロワールをより純粋に反映しています。

お飲みになる際のグラスは、ボルドー型のものを使用される方が多いようです。鼻にくる甘い香りと、口にした後のきれいな酸を感じるには小さめのグラスが適しています。温度は白ワインなので初めはしっかりと冷やしていただいて、グラスの中で温度を上げていくと本当に上品で華やかな香りをお楽しみいただけます。

リースリングに合う料理は?

リースリングは極々甘口から、酸のキリッとした辛口まで幅広いため、料理も幅広く合わせられます。甘口はデザートワインとして単体でお飲みいただくのはもちろん、フィナンシェ・マカロン・アーモンドをのせたクリームチーズ・イチジク、和食では懐石料理の先付にも合わせられます。
辛口になるとアイスバインやソーセージ・ザワークラウトなど、ドイツでビールと一緒に楽しまれているような料理に良く合います。和食では出汁巻玉子、甘めの寿司酢を利かせてタレをつけた穴子もおすすめ。ブドウの凝縮感があるのでお肉料理とも相性がよく、使い勝手の良い白ワインです。

ワイングラスとワインのイメージ画像

リースリングの選び方のポイントは?

リースリングのワインは、価格も幅広く展開されています。エゴン・ミュラーというドイツの作り手が手掛けるオークションでしか手に入らないような1本もありますが、3,000円弱でも十分にリースリングの魅力を感じていただけるものもあります。味わいも甘口から辛口まで幅広いので、お飲みいただくシーンに合わせてお選びください。料理と合わせるのであれば辛口を、デザートのように楽しみたいのであれば甘口がおすすめです。
また店頭のソムリエにご相談いただければ、お客さまのお好みや普段のお食事を伺いながら、ぴったりな一本をご提案します。

リースリングのワイン畑のイメージ

ソムリエが選んだ人気おすすめリースリング5選【2022年】

1.<レナート・ファイト>
ピースポーター ゴールトトレップヒェン
リースリング シュペートレーゼ 2020

  • <レナート・ファイト>ピースポーター ゴールトトレップヒェン リースリング シュペートレーゼ 2020の画像

    <レナート・ファイト>
    ピースポーター ゴールトトレップヒェン リースリング シュペートレーゼ 2020 3,300円

モーゼルを代表する銘醸のひとつ「黄金の雫」の畑のシュペトレーゼクラス。熟度の高さを感じる果実味と甘み、後味を引き締める酸が高めです。

2.<ケアペン>
ヴェレーナー ゾンネンウーア
リースリング アウスレーゼ 2018

  • <ケアペン>ヴェレーナー ゾンネンウーア リースリング アウスレーゼ 2018の画像

    <ケアペン>
    ヴェレーナー ゾンネンウーア リースリング アウスレーゼ 2018 4,950円

モーゼルを代表する真南向きの銘醸畑より、完熟したブドウを一房ごとに厳選し収穫する。旨みのある豊かな果実味としなやかで厚みのある酸味を持つアウスレーゼクラスの甘口ワインです。

3.ロバート ヴァイル リースリング
トラディション 2020 (ハーフ)

  • ロバート ヴァイル リースリング トラディション 2020の画像

    ロバート ヴァイル リースリング トラディション 2020 (ハーフ) 2,310円

古くはドイツ皇帝や欧州の貴族に愛飲された歴史を持つ名門。「神に選ばれし土地」と称されるラインガウ地方キートリッヒ村でワインを作っています。引き締まった酸、豊かな果実味、自然な甘みが優しい味わいです。

4.<ローゼン ブラザーズ>
ドクターローゼン リースリング トロッケン Qba 2021

  • <ローゼン ブラザーズ>ドクターローゼン リースリング トロッケン Qba 2021の画像

    <ローゼン ブラザーズ>
    ドクターローゼン リースリング トロッケン Q.b.a. 2021 3,080円

ローゼン氏が手掛ける、モーゼル産のフレッシュな酸味が利いたシャープな辛口。スタイリッシュな大人の味わいで、生ガキや刺身などにも良く合います。

5.<コンスタンティン フランク>
サーモンラン シャルドネ リースリング 2021

  • <コンスタンティン フランク>サーモンラン シャルドネ リースリング 2021の画像

    <コンスタンティン フランク>
    サーモンラン シャルドネ リースリング 2021 3,630円

豊潤な口当たりのシャルドネと、爽やかではっきりとした酸のリースリングのいいとこ取りをした辛口白ワイン。その潔さと絶妙なバランスはさすがニューヨーク産。

シャルドネよりも酸が柔らかで、甘口はもちろん辛口の中にも甘みが感じられ、余韻はきれいな酸ですっきりさせてくれるリースリング。上質な時間に優しく寄り添って、疲れた身体をほっとさせてくれるような癒し系のおいしさをぜひご堪能ください。

監修ソムリエ

  • 苅部さんの画像

  • 苅部 恭子
    かりべ きょうこ

    OLを経験したのち、料理とワイン好きがこうじて飲食の世界に転職しました。2007年に静岡伊勢丹お酒ショップから、伊勢丹新宿店グランドカーヴに異動。当時リニューアルしたばかりのグランドカーヴは日本一のワインショップと言われていて、大変緊張していたことを覚えています。只今、2人のやんちゃな男の子の母親、ママソムとして日々奮闘中。友人とのワイン会や日本のワイナリー巡りがたまの息抜きです。