アーティスト ジュリア・ガッシュの描く世界

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<ジュリア・ガッシュ>作品画像

世界の街を描いた「シティスケープ」シリーズが人気の英国人アーティスト<Julia GASH/ジュリア・ガッシュ>。温かみのあるユニークなイラストが描かれたジュートバッグやトートバッグは、英国展でも人気のアイテム。彼女の創作の裏側や、素敵なライフスタイルに迫ります。

― まずはじめに、ジュリアさんがデザインの仕事を始めたきっかけを教えてください

アトリエでの一コマ画像
アトリエでの一コマ

もう随分前のことですが(笑)、私はブライトン大学とセントラル・セント・マーチンズでイラストレーターとして教育を受けました。その後、1990年代には、プリントを主体としたファッションブランドを立ち上げ、日本含む世界中で大成功を収めることができました。
その後2007年にエコバッグの製作を始めたところ、イギリス国内のショップからキャンバストートバッグのアートワークの製作を頼まれるようになりました。最初のコレクションはロンドンのショップから注文を受けたもので、ロンドンの地図を可愛く描いてみました。するとそれがすぐに売れて、世界中のショップから続々と自分たちの街も描いてほしいという依頼が入ってきたのがきっかけです。
2012年にはエリザベス女王のダイヤモンドジュビリーを祝うためのアートを制作し、エリザベス女王とその一家を描いて持続可能な記念品にプリントすることになりました。
これが、10年にわたる私のアートの旅の始まりとなりました。

― デザインのインスピレーションの源や、絵を描くときに大切にされていることは?

サンセットをスケッチするジュリアさんの画像
サンセットをスケッチするジュリアさん

私は子どもの頃、休暇で訪れた場所を絵に描き、それを日記代わりにして、自分たちが何をしたかを書き留めていました。これが、私が世界を描くことに興味を持った本当の始まりだと思います。
私は、イラストレーターとして無邪気なスタイルで絵を描くことで、初めて世界を発見する子どもの持つ感覚や驚きといったものを表現しようと思っています。

― ジュリアさんの代表作でもある、「シティスケープ」について思い出深いエピソードはありますか?

思い立って訪れたオレゴン州の画像
思い立って訪れたオレゴン州

私の作品のほとんどは、世界中のショップからの注文を受けて、エコバッグやインテリア製品にプリントされています。しかし、時には、ある場所を訪れて衝撃を受け、それを描かずにはいられなくなることもあります。また、その逆もあります。
数年前にオレゴン州とワシントン州を描いた際、とにかく行ってみたくなり、2週間以内に飛行機を予約してアメリカ北西部を旅行し、自分のイラストに描かれていた場所をいくつか訪れたこともあるんですよ。

― 英国展でも大人気の「ロイヤル・コレクション」について、想いをお聞かせください。

思い出の作品を持つジュリアさんの画像
思い出の作品を持つジュリアさん

ロイヤル・コレクションは、私の心の近くにあるものです。このコレクションのおかげで、英国王室、特に女王についてもっと知りたいと思うようになりました。もっと情報を得ようと、テレビシリーズ「ザ・クラウン」を観たこともありますよ。英国王室は時代とともに進化し、変化しています。2022年にエリザベス女王が亡くなった時は、とても悲しく感じました。彼女は私の人生のおいて不変の存在であり、彼女の死は私の人生に喪失感をもたらしました。

― 最近お引越しされたそうですね!創作活動とともにある日常を、どのように過ごされていますか?

海沿いのウォーキングが日課の画像
海沿いのウォーキングが日課

私は最近、イングランド西部のデヴォンからイングランド南東部のサセックスに引っ越しました。3羽のニワトリと2匹の猫と一緒に引っ越し、今はイーストボーンの海辺で仲良く暮らしています。ビクトリア王朝時代の家を大改装することになり、インテリアのデザインを手掛けるのは楽しいですが、時には、建設業者が家の周りをバンバン叩いている中で作品を描き続けるのはとても大変です!(笑)
そして、ウォーキングが大好きです。目がリラックスして、エネルギーが湧いてくるんです。いつもは7~12マイル(約11~19Km)ほど歩くのですが、海沿いを歩くのが一番好きです。まるで瞑想しているような感覚になれるんですよ。週に2・3回、可能な時はもっと歩きますし、エジプトで12日間の山登りをしたこともあります。

― 最後に、「英国展」にメッセージをお願いします!

くつろぐジュリアさんの画像

日本には多くの思い出があり、その思い出の中には、90年代には私のファッションブランド、そして現在では私の「シティスケープ」と英国をテーマにしたコレクションを扱っています。
今回も三越伊勢丹の英国展に参加できることを心から嬉しく思います。日本の皆さまに、「英国展」で私の作品を楽しんでいただけたら嬉しいです!

※アーティスト本人の来場はございません。

ジュリアさん、素敵なお話をありがとうございました。
「英国展」では、<ジュリア・ガッシュ>の代表作「シティスケープ」シリーズのロイヤル・コレクションなど、新作デザインのジュートバッグ・トートバッグなど、人気アイテムを取り揃えてご紹介いたします。お気に入りとの出会いを探しに、遊びにいらしてください。

ジュリア・ガッシュプロフィール画像
Julia Gash/ジュリア・ガッシュ
アーティスト・イラストレーター
イギリス南岸、イーストサセックスの海辺のリゾート地イーストボーン在住。デザイナー&イラストレーター集団「Talented」の創始者。2014年には英国王立芸術協会より、芸術とサステナブルなビジネスを通して社会に貢献したとして表彰される。
世界中の街を表現した「シティスケープ」シリーズは、アートと旅をこよなく愛する彼女の代表作。私たちの住む世界をシンプルかつユニークに表現したイラストレーションは、知的好奇心が高くセンスのある人々から特に人気を集めている。