
数年以上、着続けられている洋服ってありますか? 名品ってよく聞くけどなんでしょうか?
使いやすさや着心地を追求したもの、美しさや独創性に妥協せず作られたもの、着たり使ったりしていく時間そのものを豊かにしてくれるもの、使い込んでこそ良くなるもの…長く愛用したい服には、きっとそれぞれ理由があります。
そんな自分の名品=「My Dear」と暮らしをともにしている人たちに、名品とその出合いを聞くプライムガーデンの連載企画がスタートします。
私の「My Dear」との出合い
時を経てなお感じるつくりの良さ
<Scye>のリネンタックブラウス
セレクター:深津 加奈/伊勢丹新宿店 本館4階 プライムガーデン ショップスタッフ
愛用歴:2年
2005年のリリースから根強い人気を誇り、感度の高い人たちの間では言わずと知れた名品<Scye/サイ>のリネンタックブラウス。高密度に織り上げた平織りのリネン素材で、涼しく着られるうえに袖があるので、オールシーズンでの着用が可能。仕上げに糸を芯からほぐし、リネンの持つしなやかさを最大限に引き立てる加工を施しているため、洗濯を繰り返しても型崩れせず、ゴワついて固くなる心配もなし。ナチュラルな風合いが洗いたてで楽しめて、着用前には熱心にアイロン掛けしなくても良し。日常的にお手入れがしやすいことも、この服が長く愛される理由に。
「袖ぐり」、「鎌(かま)」を意味するテーラー用語がブランドネームの由来であるように、英国式のテーラリングをベースにした緻密なパターン設計も<Scye>が服好きから厚く支持される重要な理由の一つ。このブラウスは肩山の滑らかなラインが秀逸で、まるでジャケットを纏っているかのような立体感は身体に馴染みながら、美しいシルエットをかたどります。
「リネンブラウスの万能さを教えてくれた、唯一無二の存在です」
「もともと大のシャツ好きである私にとって『My Dear』と呼べるのが、この<Scye>のリネンタックブラウス。初めて見たとき、暫く見入ってしまったこの細かなピンタックのデザイン。Aラインシルエットのノーカラーブラウスという形も珍しく、まずそこに惹かれました。
私は身長148cmと小柄なのですが、<Scye>のブラウスはふんわり広がるのに、バランス良く着られるところがお気に入り。普段は<YAECA/ヤエカ>のホワイトパンツなどに合わせて、シンプルに着こなすことが多いです。カジュアルにもエレガンスにも着ることができるので、もはや私のワードローブに欠かせない存在に。
基本的に、ユニセックスなデザインの服を、ルーズに着こなすのが好き。プライムガーデンで扱いがあるものでは、メンズラインも展開している<カンタータ/CANTATE>などもよく着ます。流行に関係なく長く着られるものを選ぶのが自分にとってのこだわりです」
襟や袖口、ボタンなどのディテールを見て分かる、愛用期間2年という歳月をまったく感じさせない丈夫さ。金色のハトメをあしらった包みボタンが使われ、これもリラクシーなリネンブラウスをエレガンスに昇華させている理由の一つ。