コロナ禍での出産|「トツキトオカ」体験記Vol.1【三越伊勢丹こそだてコラム#02】

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妊娠から出産まで、ママになるまでの「トツキトオカ」をサポートするための情報をお届けする【三越伊勢丹こそだてコラム】。バイヤーの渡邊 千尋による「出産準備セミナー」と、ベビー子供フロアの現役ママスタッフ3名による「トツキトオカ体験記」を交互に連載します。第2回目のテーマは「コロナ禍での出産」について、現役ママスタッフの山下がお伝えします。

出産までのエピソード

山下 真里佳さんと娘さんのイメージ画像
娘が生まれたのは2020年4月の緊急事態宣言が発令された翌日でした。 新型コロナウイルス関連のニュースが増え始めた頃に臨月に入り、健診は付き添い不可、入院中の面会は禁止になりました。まだ立ち会いは可だったので安心はしていたのですが、出産予定日直前に新型コロナウイルスの院内感染が発覚。外来は禁止、健診は一時見合わせになりました。

「いつ陣痛がくるのか」に加えて「いま陣痛がきたらどこの病院に行けばいいんだろう」と二重でドキドキした日々をすごしておりました。結局、予定通りにその病院で産めることになりましたが、立ち会い出産は当面禁止に。立ち会い出産に憧れをもっていただけに落胆しましたが、仕方がないと自分に言い聞かせていました。

親の不安が伝わったのか娘は一向に出てくる気配がなく、予定日の1週間後に計画入院に。2日間かけて陣痛誘発剤を2回使用。事前にさまざまな出産体験記を熟読し、心の準備はそれなりにしていたものの、やはり本陣痛は想像を絶する痛みでした。痛みに耐えるうちに心細くなり「そばに家族がいてくれたら」とも思いましたが、助産師さんたちが隣でつきっきりでサポートしてくれたので孤独を感じることはありませんでした。(側にお産のプロがいてくれることの頼もしさたるや!)

助産師さんに腰をさすってもらったり、呼吸をレクチャーしてもらったり(余談ですが・・・私の場合、陣痛には「鼻から息を吸って口から細く長く出す」の呼吸が一番効きました)、世間話で気をまぎらわせてもらったり・・・手厚いサポートを受けながらの分娩時間17時間の末、無事に娘が生まれました。

娘の泣き声がとても元気で、全身の力が抜けるほど安心したのをよく覚えています。陣痛に耐えている中、世間では緊急事態宣言が発令されていたようで・・・産後にニュースを見てとても驚きました。未曾有のウイルスに世界中が混乱する中、娘が元気に生まれてきてくれたことに改めて感謝しました。

入院中の持ち物

第1回で紹介していますが、入院時の持ち物は想像以上に大荷物です。お産に使うものは病院で用意している場合もあるので、入院前に確認しましょう。面会はできないけど差し入れはOKという病院もあります。陣痛はいつくるかわからないので、ご家族と相談して、計画的に持ち込めるようにしておくのもいいですね。

●私が持って行ってよかったもの5選

1.ペットボトルストロー
分娩中、産後どちらもフル活用!横になったまま飲めるので、身体を起こせないほど辛いときにも水分補給ができます。

2.ゼリー飲料などの軽食
お産は体力勝負です。食欲がなくてもエネルギー補給できるようにしましょう。入院中に小腹が空いたときのおやつも用意しておくと、夜間授乳の心の支えになることも。

3.蒸気アイマスク
わずかな睡眠時間でもリラックスできるように蒸気アイマスクを持っていきました。

4.授乳ストラップ
初めての授乳は上手くできないことが多いので、授乳自体に集中するためにおすすめです。服のずり落ちがないだけで授乳しやすさが違います!

5.骨盤ベルト
産後、骨盤ベルトを着用すると体を動かすのが楽になりました。(前回ご紹介した骨盤ベルトを私も産前から愛用)使い慣れているものだと、いざというときにスムーズに着けられます。

入院中の過ごし方

入院中の赤ちゃんの画像

出産翌日から母子同室、入院中は面会一切禁止でした。それを受け「入院中は寂しい思いをするのだろうな」と覚悟していましたが、実際は娘のお世話で忙しく、寂しさを感じる余裕はありませんでした。

産後の入院生活は想像以上に過酷でした。お産によるダメージで身体がボロボロでも、容赦なく育児がスタートします。慣れない授乳・おむつ替えに毎度手間取り、なぜ泣いているのかもわからずひたすら抱っこ。寝かしつけをしてもなかなか寝付いてくれず、やっと寝たかと思いきや次の授乳時間・・・。寝かしつけても「息はできてるかな?」と不安になり顔を覗くこともしばしば。まとまった睡眠時間のとれない日々が続きました。それでも、空いた時間で小刻みに睡眠をとれたので、想像していたよりも早く体力は回復していきました。

夫や親族に早く娘を会わせてあげたいという気持ちはありましたが、日中に来訪対応をしていたらこういった小刻みな睡眠時間はとれなかっただろうなと思います。「コロナ禍のせいで」、という嘆きは捨てて、「その分寝られる」「可愛い娘を独り占めできる」と前向きな気持ちで過ごしました。

育児の不安や自分の寂しさを払しょくするために

入院中の赤ちゃんの画像

不安も寂しさも払しょくするために積極的に写真と動画を撮って過ごしていました。新生児期はどんどん顔が変わるので、毎日写真動画を撮ることをおすすめします!私も意識的に撮影していたつもりですが今ではもっと撮影しておけばよかったと後悔しております。寝顔も泣き顔も泣き声も、この時期だけのものなので、後から見返すととっても懐かしい気持ちになります。(同じような写真がズラーッとカメラロールに並び、神経衰弱をしているような気持ちにもなります。)

私が心がけたこと

・困ったこと、聞きたいことがあったらすぐに助産師さんに質問
退院後に「もっと聞いておけばよかった!」と後悔しないように、気になったことは小さいことでもどんどん聞きました。

・写真共有アプリを事前に登録し、入院中に撮影した写真・動画は即共有
嬉しいなどの気持ちを共有できると寂しさもやわらぎます。

・夫や親族とLINE電話
自分の好きなタイミングで、気分転換に。夫と娘の初対面はLINE電話だったのでスクリーンショットを記念に残しました。

疲れのたまった状態で、言葉の通じない赤ちゃんと1対1で過ごしていると、どんなに可愛い我が子が相手でも気持ちがネガティブな方向に向かうことがあります。私は「嬉しい」「娘が可愛い」はもちろん「眠たい」「疲れた」などのネガティブな面も画面越しに家族に共有し、やわらげていました。これから出産を迎えみなさまが少しでも心身を休めて、少しでもポジティブな気持ちで過ごせるよう願っています。

最後に

入院中の赤ちゃんの画像

第1子の出産は文字通り生まれて初めての経験です。今はコロナ禍ということもあり、母親学級が中止になったり、健診や出産に制限が入ったりと、より一層不安に思われる方が多いと思います。私も、出産前は孤独なお産になることを覚悟していました。ただ、出産はママだけでなく、お腹の中の赤ちゃんも一緒に頑張ってくれています。そしてすぐ側にお産のプロである助産師さんや産科医の先生たちがいてくれます。「まったく寂しくなかった」と言えば噓になりますが、こんな大変な状況でも周りの人の支えを感じながら無事に出産を迎えることができ、感謝の気持ちのほうが大きかったです。私の体験記が、これから出産を迎える皆さまに少しでも参考になれば幸いです。

さて次回の【三越伊勢丹こそだてコラム】は、ベテランバイヤーによる出産準備セミナー「選び方!着せ方!新生児衣料 徹底解説」をテーマにお伝えします。

※個人の体験記です。病院や社会情勢により対応が異なります。

山下 真里佳さんのイメージ画像
山下 真里佳
ベビー&キッズ アシスタントバイヤー
2013年入社以来ベビー子供領域を担当。コロナ禍での出産・育児の経験を経て、育休復帰後はイベントの企画や品揃えに携わる。1歳の娘の成長ぶりを日々感じながら育児中。

伊勢丹新宿店ベビー&キッズInstagramでは、パパママに向けたマタニティ・ベビー・キッズまでの幅広い情報をいち早くキャッチアップ!おすすめのアイテムやギフトに関する情報を毎日発信しています。

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