「スイーツの未来」 連載② ジャン=ポール・エヴァン編

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“新しい生活様式”が求められる時代に、スイーツ業界のトップクリエーターの言葉を届ける本連載。
今回は、パリのジャン=ポール・エヴァン氏に聞いた「スイーツの未来」です。パリに届けた質問に対してのエヴァン氏の回答を、そのまま掲載いたします。

【ジャン=ポール・エヴァン氏】
フランスのブルターニュ地方、マイエンヌに生まれる。果樹園を営む父のフルーツで作ったタルトに家族が喜んでくれたことがスイーツの原体験となる。1970年代にパティシエ、ショコラティエ、グラシエの資格を取得。ショコラティエを専門職として確立したパイオニア。世界を代表するスイーツ業界のトップクリエーターで、親日家としても知られる。

ジャン=ポール・エヴァン氏への質問状とその答え

Q 緊急事態宣言下、スイーツは人々にどんな機会や時間を与えましたか?
A フローベール*の言葉に「一見不必要に思えるものほど、なくてはならないものなのだ」とあります。甘いものを口にする喜びは、癒しであり、心身ともにわたしたちを安心させてくれる、とても大事なものだと、今回誰もが気がついたのではないでしょうか。それは、わたしたちを取り囲む不安に満ちた世界を一時遠ざけてくれるのです。
*…フランスの小説家ギュスターヴ・フローベールのこと

Q 外出自粛生活の中で試作されたスイーツや、その魅力を再発見されたスイーツ、食べたくなったスイーツはどんなものでしたか?
A 外出制限時、私はよくチョコレートスフレを作りました。深刻な状況下で、何か軽やかさを感じられるものを欲していたのでしょう。それに何より、スフレは熱々のところを賞味するデザートですが、皆が家にいたので、焼きたてを全員揃って食べられるというメリットがありました。

ショコラ ショ パリジャン (1杯)1,265円

Q 今回の経験を経て、あらためてこれからスイーツは、人々にとってどんな存在であるべきだとお考えですか?
A 今回の経験で、以前から考えていたことが正しかったと確信しました。スイーツを味わう喜びは、皆で分かち合えば一層大きくなり、また身近な人とのコミュニケーションの最良の手段になるというものです。これからどんな未来が待ち受けているのかは誰にもわかりませんが、この喜びだけは変わらないだろうと感じ、希望が持てました。

ケーク オ ショコラ グラン (1本)2,484円

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Q 今後のスイーツの提案に際し、大切にしたいことや新しい構想についてお聞かせください。
A わたしは陽気で、ポジティブな気持ちになれるもの、ユーモアのあるものを求めていたのですが、さまざまな文化の交流地点、色鮮やかな音楽に満ちた60年代初頭から70年代のポップアートの時代にそれを見出しました。
それは、アートがストリートからひらめきを得た、にぎやかで創造的な、活力のある時代です。ですから、次のコレクションは、<ANNÉES POP(アネ ポップ)>「ポップアートの時代」をテーマに展開するつもりです。

ボンボン ショコラ (9個入り) 3,435円 ※季節によって詰め合せが異なります

FLOOR GUIDE
<ジャン=ポール・エヴァン>伊勢丹新宿店 本館地下1階=グラン アルチザン
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Construction : ISETAN FOOD INDEX 編集部
Translation : Ryoko Sekiguchi

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