
1625年の創業以来、400年にわたって南部鉄器の伝統を受け継ぐ<鈴木盛久工房>をクローズアップ。グラフィックデザイナーから転身し、家業の工房を継ぐ16代盛久の作品をご紹介します。
16代にわたって受け継がれる、伝統の南部鉄器
約400年という長い間、岩手の伝統産業として伝承されてきた南部鉄器。1625年から鉄器づくりを手がける鈴木家は、16代にわたってその技術を受け継いできました。
通常50〜60と言われる作業工程ですが、<鈴木盛久工房>ではそれ以上。手間暇かけてつくられる鉄器は、洗練された美しさに定評があります。


砂鉄八重桜紋南部形鉄瓶 1,320,000円 (1.8L)
紅鉢風炉 990,000円

インスパイア源は無限大。モダンに楽しめる16代盛久作品
16代当主の鈴木成朗さんは、東京藝術大学を卒業後、アパレルブランドでグラフィックデザイナーを務めていたという経歴の持ち主。2008年から工房で鉄器づくりをスタートしました。
グラフィックデザイナー時代の経験から、工芸品はもちろん、建築、音楽、写真、映画、自然などあらゆるものからインスピレーションを得ているという現当主。
「気になったものは写真に収め、鉄器としてどのような表現ができるか、コラージュのような感覚で考えています。あとは、いかに気持ちよく使えるかが大事。デザイン性が強くなりすぎないよう、バランスを大切にしています。工芸品は、使えなければ意味がありませんから」と語ります。

鈴形鉄瓶 275,000円 (2L)
画像の「鈴形鉄瓶」は、100年ほど前のヨーロッパの香水瓶からインスパイアされたもの。
「パールのネックレスのようなディテールが施されている香水瓶の写真が目に留まって、これを伝統的な霰紋様で表現したら、見たことがないようなモダンな鉄瓶ができるかもしれないと思いました」と現当主。
伝統を重んじながら、独自の感性でクリエーションの幅を広げる16代盛久の作品を通じて、南部鉄器の「これまで」「これから」を感じてみませんか?
鈴木盛久工房創業400周年記念「Iron Age」
□2025年3月26日(水)~4月1日(火)
□伊勢丹新宿店 本館5階 センターパーク/ザ・ステージ#5