
本館6階 アートフレーム&ソリューションズにて、スイーツデコ作品を手掛ける渡辺おさむ氏の作品展を開催します。お菓子にまつわる幸せな記憶を思い起こしてほしい――そんな思いが込められた作品をお楽しみください。
母が作るお菓子の記憶から始まった、スイーツデコの作品づくり
渡辺氏は、スイーツデコの技術をアート作品に昇華させた第一人者として、国内外から注目を集めています。渡辺氏がスイーツデコの制作を始めたのは美術大学生時代。お菓子教室の先生だった母が作るお菓子の香りや形が強く記憶に残っていることに気付き、「これを表現するのが自分らしさなのでは」と考えたことがきっかけでした。
【渡辺おさむ】
2003年に東京造形大学デザイン学科を卒業後、スイーツデコの技術をアートに昇華させた第一人者として話題に。本物そっくりのカラフルで精巧なクリームやキャンディ、フルーツなどを用いた作品は国内だけでなく海外でも注目を集め、中国、インドネシア、イタリア、ベルギー、トルコ、アメリカ、韓国などでも個展を開催。これまで3冊の作品集や著書が出版され、大原美術館や清須市はるひ美術館など5カ所の美術館にて作品がコレクションされている。
渡辺氏が手掛ける作品の題材はスイーツだけにとどまりません。「European Fantasy」(西洋美術の名画や建築物)、「Life」(動物や伝説の生き物)、「Oriental Dream」(石庭や民芸品)などのテーマに分け、さまざまなモチーフの作品をスイーツデコで表現しています。多彩な表現ができるのも、普段からお菓子でデコレーションされた世界を想像している渡辺氏ならではです。
お菓子にまつわる幸せな記憶を呼び起こす、展示作品たち
「不安になるニュースも多い世の中ですが、作品の世界は夢のある世界でありたいと思っています」と話す渡辺氏。今回の作品展では、「誰もが持つ、お菓子にまつわる幸せな記憶を思い起こしてもらいたい」という思いで制作された作品たちが並びます。
展示される作品の一部を、渡辺氏のコメントとともにご紹介します。
『Unicorn』 1,056,000円 (62×65×25cm、2022年)
「神話に登場するユニコーンは古来よりたくさんの芸術家が作品を制作してきたモチーフなので、自分も制作しました。自分らしいスイーツデコでユニコーンを表現することによって、よりファンタジックな世界を表現しています」
『Sweet Home』 66,000円 (15×15×15cm、2016年)
「繊細なお菓子でできた小さな家の作品です。震災などの災害を体験すると、私たちの日常がこうして平穏であることが奇跡なのだと思い知らされます。もろくも美しいこのお菓子の家を覗いてみると、当たり前に存在する私たちのいる世界も、この砂糖細工のような世界とそう変わらないのではと感じるかもしれません」
『Coffee Cup Poodle』 88,000円 (19×19×19cm、2025年)
「小さなカップに入った、クリームでできた小さなプードル。やわらかな毛並みをクリームのデコレーションで再現しています。小さなサイズ感、お菓子の色彩、甘いイメージなど、可愛らしさの要素を詰め込んだ象徴的な作品です」
お菓子を味わうときの一瞬の多幸感が巧みに表現された渡辺氏の作品たちを、ぜひご堪能ください。
渡辺おさむ 作品展
□2025年3月26日(水)~4月8日(火)
□日本橋三越本店 本館6階 アートフレーム&ソリューションズ