親子でどう向き合う?思春期女子の成長と、はじめてのブラ

お子さまがはじめて身につけるファーストブラ。必要なタイミングで最適なものを選んであげたい、と思いながら、思春期のお子さまと思うようにコミュニケーションが取れなくて・・・とお悩みの方も多いはず。今回は、これまで多くの小中学校で下着教室を開催してきた㈱ワコール宣伝部の上地 朋子さんに、成長期の女の子のホンネや、スムーズにブラデビューへ導くコツをうかがいました。
\教えてくれたのは/

<ワコール>が保有する成長期のからだ変化やエイジング研究のデータをもとに、下着の基礎知識や選び方など情報発信を担う。2020年よりオンラインで学べる【学ブラ(まなぶら)講座】の講師を担当する。
10歳前後がひとつの“山”。からだの変化について気軽に話せるムードづくりを
―<ワコール>では各地の小中学校で下着教室を行っているそうですが、なぜそのような活動がはじまったのでしょう?
上地さん:はじめは18歳前後の大学生、短大生向けに下着のレクチャーをはじめたのがきっかけだったんです。当時の参加者の方から「もっと早く知りたかった」「胸がふくらみはじめたとき、誰にも相談できずに悩んでいた」というお声をたくさんいただいて。からだの変化がはじまり、いちばん戸惑いを感じている時期に何かできないかと思ってはじめたのが下着教室なんです。
―からだの変化については親子でもなかなか話しにくいものなんですね
上地さん:個人差ももちろんありますが、10歳前後の女の子は、ひとつ大きな変化を迎えるのかもしれません。それまで親になんでも話していたのに、急に話さなくなったり、一緒にお風呂に入るのを嫌がったり。それは、心とからだの成長ですし、むしろ喜ばしいことと前向きに受け取っていただきたいでのすが、ちょうどその思春期とそれに伴う反抗期が重なるんですよね。そんなタイミングもあって、からだの変化に関して親子でうまく話すことができない、というお悩みもたくさんうかがいます。
―お子さまと話しやすい環境をつくるために、どんな工夫ができますか?
上地さん:ひとつ意識していただきたいのが、自分が子どもだった頃より、お子さまの成長は早まっているかもしれないということ。<ワコール>には半世紀以上にわたって女性の体形を計測しつづけたデータがありますが、1980年と2014年をくらべると11歳で胸のふくらみが始まっている子が46%から75%と大きく変化しています。自分の経験で「まだまだ先」と思っていても、お子さまはすでにからだの変化に戸惑っているかもしれません。胸がふくらみはじめるタイミングでは、トップが目立ってきたり、チクチク・ムズムズしたりという変化がありますので、それは自然なことで心配する必要はないよ、と早いうちから話してあげることも大切だと思います。

―具体的には何歳くらいから話しておくのがいいのでしょうか?
上地さん:個人差があるので「何歳から」という正解はありませんが、先ほどお話ししたように10歳前後というのはひとつの変化の山があるように感じます。下着教室をやっていても、小学校4年生と5・6年生ではかなり反応が変わってくるんですよね。実際にブラジャーに触れてもらうのですが、4年生の女の子は興味津々で自分の胸に当ててみたり、じっくり眺めてみたり。でも5・6年生になると急に恥ずかしくなるのか、見て見ぬフリ・・・みたいな(笑)。できれば、10歳を迎える前からからだの成長について気軽に話せるムードをつくっておくのがいいと思います。
―すでにティーンを迎えて、ちょっと話しにくい・・・という方におすすめの方法は?
上地さん:私も経験がありますが、年頃になるとなかなか親の言うことをきいてくれない、というケースも多いですよね(笑)。そんなときは「お店のお姉さんの力をかりる」のもひとつの手だと思います。親子で百貨店に買物にきたとき、ついでにジュニアインナーコーナーに寄ってみるとか。ショップスタッフの話だと、案外素直にきいてくれるものですよ!
バストの成長には3つのステップが。段階ごとに適したアイテムをセレクト
―実際、からだの変化に合わせてどのように下着を選べばいいのでしょう?
上地さん:バストの成長には3つのステップがあるので、それぞれの段階に合った下着を選ぶのがポイントです。ステップ1はバストのトップがふくらんでくるタイミング。初経の1年前くらいがこの時期にあたります。この頃は刺激に敏感で、チクチク・ムズムズする頃なので、バスト部分が二重構造になったやわらかな素材のブラトップがおすすめです。

上地さん:バストが全体的にふくらんできたステップ2では、ふんわりフィットする立体的なブラジャーがおすすめ。目安としては初経前後ですね。この時期はからだもどんどん成長するので、伸びのよい素材を使った締め付け感のないものを選んでいただきたいです。ステップ2まではワイヤーなし&後ろホックなしのかぶりタイプがいいと思います。

上地さん:そしてステップ3は初経から1〜3年後。大人と同じようにバストがふくらんでいるように見えますが、まだまだ成長段階なので無理に締め付けないことが大切です。やわらかい樹脂製のワイヤーを使い、ワイヤーの幅も広めに設定しているジュニアブラがありますので、大人用のブラジャーをつける前のステップとして取り入れていただきたいですね。

成長にあわせたブラジャーをつけることは、自分自身を大切にすることへのステップ
―最近はカップ付きのブラトップが充実していますが、ブラトップではなくブラジャーに切り替える必要はありますか?
上地さん:ファーストステップとしてはブラトップで十分ですが、やはり成長とともにふくらんでいく胸をしっかり支えるのが重要。胸のふくらみが気になって姿勢が悪くなったり、運動時に揺れる胸をできるだけ揺らさないようにサポートするためにも、若いうちからしっかり下着で支えておくことで、美しいボディラインにもつながっていくと思います。でも、ブラジャーを買ってもなかなかつけてくれないという親御さんのお悩みも多いんですよね。
―やはりブラジャーをつけることには抵抗があるのでしょうか?
上地さん:周囲の目が気になる時期なので、クラスで一番にブラジャーをつけるのは恥ずかしいとか、いろんな悩みをもっているんです。わたしたちがいちばん伝えたいのは、からだが変化することは恥ずかしいことでもないし、人それぞれ違いがあって当たり前ということ。なにか少しでも気になることがあったら家族に話してみて、と伝えています。
―やはり親子のコミュニケーションが重要なんですね。さいごに、親御さんにメッセージをお願いします。
上地さん:思春期に入ったお子さまがなにも話してくれなくなった・・・と不安に思うお気持ち、よくわかります。同時にお子さまも、自分のからだが変化しはじめて戸惑いを覚えている時期。さきほど「お店のお姉さんの力をかりる」というお話しもしましたが、買物ついでにブラジャーを見る機会をつくったり、親子でご参加いただける体験イベント(ブルームガール)を活用いただくのもおすすめです。
成長にあわせてきちんとブラジャーをつけるということは、防犯上ももちろん大切ですし、正しい姿勢を保ち、成長期を支えるためにも重要なこと。ブラデビューは、成長を受け入れ、自分自身を大切にすることにつながるステップです。ぜひ親子でポジティブに向き合っていただければうれしいです。

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伊勢丹新宿店では、お子さまの成長についてのレクチャーや採寸、下着の試着など、はじめてのブラジャーを親子で体験いただけるイベントを定期開催しています。体験会のさいごはドレスを試着して撮影会も。楽しみながらコミュニケーションを深められる「ブルームガール」を、ぜひご活用ください!