着姿の印象も変わる、振袖の代表的な産地・技法、柄・文様の種類と意味合いは?

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二十歳の集いを彩る柄行きと色味が華やかな振袖には、産地によって織りや染め、刺繍などの技法に特色があります。ベースになる文様にも種類や意味合いがあります。
振袖選びにご活用いただきたい、代表的な技法や文様の種類について解説します。

1. 振袖と帯の代表的な技法

友禅染め

友禅とは、江戸時代に扇面絵師である宮崎友禅斎が創案したと言われる糸目糊(友禅糊)を用いた技法のため、その名前を取って友禅染めと名付けられました。
糸目糊とは、細い筒の中に糊を入れて指先で絞り出す技法で、糸のように細い線が描けるようになります。友禅染めが鮮やかな色を何色も使い分けられるのはこの工程があるためです。

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    東京友禅 (東京都)

    東京友禅とは、東京で染められている手描き友禅で、江戸友禅ともいいます。華やかな色で雅な模様の京友禅と比べて、東京友禅は藍・茶・白など渋くあっさりした色使いに特徴があり、模様は細やかでやや小さめ、粋とモダンがコンセプトです。また、製作工程は1人の模様師(友禅師)が一貫して行うのが一般的です。
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    加賀友禅 (石川県)

    加賀友禅とは、今の石川県金沢市に晩年移り住んだと言われる宮崎友禅斎が、糸目糊の技法を伝えて生まれたと言われています。特徴は、木の葉に虫食い(小さな点)の表現、京友禅とは逆で中心を淡く染める「先ぼかし」、「加賀五彩」と言われる臙脂(えんじ)・藍・黄土・緑・紫の色づかいです。また、加賀友禅は1人の作家が箔や刺繍などは使わず、染めだけで表現するので、写実的で作家の意向が強く表れる仕上がりの振袖です。
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    京友禅 (京都府)

    三大友禅の一つで、友禅の中でも最初に生まれたのが京友禅です。京友禅には手描き友禅と型友禅の2種類があります。ほかの友禅と大きく違うところは、各工程ごとに分業制になっており、模様のデザイン・下絵・糸目置・色挿し・糊伏せ・地染・蒸し・水元(水洗い)などの基本の工程から、金彩・刺繍などの仕上げまで含めると約20種類の専門職があります。各専門の職人によって作り上げた京友禅は、色彩の鮮やかさは勿論、箔や刺繍の豪華さも相まってより一層華やかな振袖を創り出します。
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    十日町友禅 (新潟県)

    絹物産地として千年以上の歴史を持つ、新潟県十日町市で生まれた新潟県伝統工芸品です。
    「型友禅」や「手描き友禅」の技法を駆使し、各社の工房で一貫生産されているのが特徴です。
    現代的な柄・色・表現方法を積極的に取り入れる、新しさのある産地です。

その他の代表的な技法

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    総絞り

    日本で最も古い染色技法の一つともいわれる絞り染め。布を糸で括って染め上げる染色技法で、ほかにはない独特の立体感が特徴です。一粒ひと粒丁寧に括り、細かな柄を創りあげています。製作期間が長く、総絞りの振袖は2年以上かかることもある手の込んだ作りです。
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    総刺繍

    金糸や銀糸、絹の色糸で空間を埋めて、優美な模様を完成させます。その歴史は古く、仏教の伝来とともに中国からやってきました。刺繍には駒縫い、平縫い、返し縫い、相良縫いなどがありますが、その技術は今もほとんど変わっていません。刺繍を施すことで、立体感が生まれ、花嫁衣装のような華やかさがあります。
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    西陣織

    京都市北西部にある西陣地域で生産される織物の総称です。起源は平安時代までさかのぼります。明治時代にジャガード機を導入し、紋織の機械化に乗り出すなど、技術革新を続ける一方で、手織りで織り続けるなど、伝統的な技法も大切にしています。

2. 文様の種類と意味

四季の変化を大切にしてきた日本では、四季の美を文様化し、古くからきものに使われてきました。また、雅やかな王朝風の器物は礼装や晴着に使用し、その意味も縁起が良いものばかりです。

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