
日本の食文化を大切に守り、後世に残したい。そんな思いでお届けしている「みらいへつなぐ贈りもの」。今回は、日本の豊かな森、清らかな川、広大な海の恵みに注目し、その奥深さや多様性から生まれる味わいをご紹介します。
日本の食文化を大切に守り、後世に残したい。そんな思いでお届けしている「みらいへつなぐ贈りもの」。今回は、日本の豊かな森、清らかな川、広大な海の恵みに注目し、その奥深さや多様性から生まれる味わいをご紹介します。
明治3年、京都の北、京丹後・峰山にて和久屋傳右ヱ門が始めた料理旅館を礎に、創業150年余を刻む「和久傳」。
和久傳のふるさとである京丹後は、日本海を臨むのどかな里山で、古代からの歴史と江戸時代からの絹織物「丹後ちりめん」の産地として知られています。
昭和57年より京都・東山に料亭「高台寺和久傳」として新たな歩みを始め、京丹後の豊かな自然の恵みがもたらす素材と、料亭ならではの発想で多くの人に愛される和久傳の料理。この夏、三越伊勢丹で先行販売する特別なギフトと食材、また食材を育む森、“和久傳ノ森”についてご紹介します。
2007年、和久傳ノ森づくりがはじまりました。きっかけとなったのは、世界各国で植樹を行い、大地を守り続けてこられた故・宮脇昭氏との出会いから。創業の地に何百年も続く新たな森を育てていきたいと願いを込め、地域の皆さまとともに植えた苗木はこれまでに56種3万本。混植密植された小さな苗木は、切磋琢磨しながら大きな森に成長し、今では桑や桑の実、原木椎茸、山椒、柿、柚子など、季節ごとにたくさんの実りをもたらしてくれます。地元の方や訪れる人々がゆっくりと散策を楽しみ、心和む時間を過ごせる豊かな森の敷地内には、京丹後久美浜工房のほか、安藤忠雄氏設計の美術館「森の中の家 安野光雅館」や、京丹後産の食材を生かす工房レストランを併設しています。
また、この和久傳ノ森での取り組みをきっかけに、新ブランド<MORI wakuden>が誕生しました。素材の良さと食のよろこびを大切に、手軽に美味しさをお楽しみいただきたいと、想いを込めたブランドです。
着工当初の更地
2012年頃の森
2023年頃の森
和久傳ノ森では、豊かな環境の中で桑や桑の実、山椒、椎茸、柿、柚子、ふきのとうなど様々な植物が育っています。今回、三越伊勢丹では、和久傳ノ森で育つ植物をはじめ和久傳が大切にしている3つの食材をピックアップ。それぞれの味わいを活かしたアイテムをご紹介します。
1.桑
和久傳が特に大切にしている京丹後生まれの素材、桑。絹織物「丹後ちりめん」の産地で知られる京丹後では、蚕の餌として桑畑が広く栽培されていました。近年、地元生産者と協働して桑を育てる取り組みも始めています。
京丹後で採れる良質な有機桑の葉を練り込んで焼き上げたクッキーで、2種の焼きチョコレートをサンド。バニラと抹茶の優しい風味に、食感が楽しめるドライ果実(ラズベリー)をしのばせ、味わいのアクセントを添えました。京丹後の恵みと想いがつまった、森の焼きチョコサンドです。
<MORI wakuden (モーリ ワクデン)>
森の焼きチョコサンド
2.原木椎茸
和久傳ノ森で育てられる原木椎茸は、「クヌギ」や「コナラ」などの榾木(ほだぎ)に菌を植菌し、春と秋に収穫を行います。木のおがくずと米や麦の糠を混ぜた人工的な栄養に椎茸菌を植える菌床栽培とは異なり、じっくりと時間をかけて原木椎茸を栽培する方法を選択。和久傳ノ森の原木椎茸は、厚みがあり、椎茸本来の香りと味わいが特徴。原木椎茸ならではの自然な風味と食感が引き立つ味わいです。
和久傳ノ森で収穫した肉厚の原木椎茸のみを使い、若摘みの実山椒、丹後産の鰆、湯葉を合わせた、風味豊かな炊き込みご飯。丹後米に少しもち米を加えて、もっちりとした味わいが楽しめます。炊飯後にお好みで「山椒香油」をかけ、爽やかな辛みを添えてお召し上がりください。豊かな京都の食材が一皿で楽しめる一品です。
<MORI wakuden>
森の炊き込みご飯 鰆と原木椎茸と実山椒
3.お米
お米は、和久傳ノ森を少し離れた京丹後の山あい、清らかな水が流れる地域で育まれています。農薬不使用で手間暇がかかりますが、田植え時には、苗の植え込みにマルチシートを使用し、雑草の成長を抑える工夫をしたり、雑草を手作業で除去しながら稲の成長を見守るという徹底ぶりです。
山からの水の流れを調整し、水温を管理するなど細部にも気を配ることで、農薬を使わずとも、美味しいお米の栽培ができる工夫が施されています。自然の恵みと手間暇をかけた丁寧な栽培方法により、風味豊かで奥深い味わいが特徴です。
京丹後産のお米から作った特製の米味噌糀を漬け床に、旨みたっぷりの京都牛ローストビーフと、和久傳ノ森で採れた原木椎茸を辛子和えに仕立てて、なめらかなクリームチーズとともに漬け込んだ一品。そのまま切り分けて、豊かな味わいをお楽しみください。具材とよく馴染んだ米味噌糀は、新たな食材を漬けたり、調味料としてお料理にと、大地が育んだ恵みを余さずお使いいただけます。炒め物の味付けや、お汁に加えて味の深みを添えたり、つみれ等に混ぜてお使いいただくのもおすすめです。
<紫野和久傳>
丹稲菹(たんとうしょ) 京都牛ローストビーフ 原木椎茸の辛子和え
和久傳ノ森の敷地内、京丹後久美浜工房では、ガラス越しに菓子や惣菜など製造の様子を見学できる回廊があり、手間暇かけて商品が出来上がる様子をご覧いただくことができます。
つるりの喉越し、なんと清らか。蓮の根から採れる蓮粉と和三盆糖から生まれた料亭の甘味が評判を呼び、看板商品となったのが「れんこん菓子 西湖」です。みずみずしい笹の葉の香りと繊細な食感をそこなわないよう、手仕事を大事にしながら今もひとつひとつ大切に包んでいます。れんこんのもちもちとした口あたり、和三盆のやさしい甘みを、爽やかな笹の香とともにお楽しみください。
<紫野和久傳>れんこん菓子 西湖
蓮の根から採れる蓮粉と、和三盆糖蜜を練りあげました。蓮粉から生まれるとろりとした口あたりと、和三盆のやさしい甘みをお楽しみください。
<紫野和久傳>蓮もち
ふわりと光るほたるの明かり。夏の夕べの笹に集う野辺のほたる狩りに見立てた羊羹。白小豆の抹茶餡の深い味わいと、香り高いほうじ茶の琥珀羹を取り合わせた一品です。風味の違いを楽しめる、一越、鬼、青さの「ちりめん3種」とともにお届けします。
<紫野和久傳>
季節の羊羹 笹ほたるとちりめん3種詰合せ
旬を生かした山海の幸を取り合わせ、料亭ならではの飯蒸しに仕立てて、香り高い朴の葉で姿よく包みました。レンジで温めるだけの簡単なひと手間で、お好きなときに熱々をお召し上がりいただけます。朴葉の香りとともに、華やかな彩りと出来立ての味わいをお楽しみください。
<紫野和久傳>季節の飯蒸し三種
豊かな恵みをもたらす森・川・海。自然とともに暮らしてきた人々の、持続的な営みによって生まれた日本各地の美味をご紹介します。
熊本県阿蘇のカルデラに広がる雄大な草原は千年以上も昔から「野焼き」「放牧」「採草」という営みを繰り返すことで維持されてきました。長きにわたり、引き継がれてきた草原の維持と、草資源を中心とした循環型農業。そんな人と自然との共生によって育まれてきた素材を使ってつくりあげた美味しさをご紹介します。
選び抜いた素材を使い、ドイツ仕込みの技で丁寧につくったビール煮とハンバーグの詰合せ。柔らかな肉質のあか牛を丹念に下ごしらえし、じっくりと煮込んで、奥深い味わいに仕上げました。素材の味を十分に引き出した、旨みたっぷりの品々です。ぜひご賞味ください。
熊本県産のあか牛でつくったローストビーフです。やわらかく、さっぱりとした肉質をもつ素材の美味しさを逃がさぬよう、紀州備長炭で丁寧に焼きあげました。直火でじっくりローストされた肉は、肉の旨みや脂の甘みが際立ち、噛むほどに芳醇な味わいが口の中に広がります。
海や山とともに暮らしてきた人々の持続的な営みが息づく石川県・能登、風土とともに歩んできた取組みから生まれた食材でつくられた味わいの数々です。
能登町産ブルーベリーを使った甘ずっぱいゼリーと、やさしい甘さのチーズムースを合わせた「ブルーベリーチーズ」。宝達葛を使った葛玉に石川県産ルビーロマンを忍ばせてゼリーと合わせた、芳醇な香りの「ルビーロマン」。老舗和菓子店の技が詰まった、涼菓2種の詰合せです。
丁寧な仕事で仕上げたきんつばが評判の金沢<中田屋>がつくりあげたアイス最中です。小豆には大粒で風味のよい能登大納言を使用。細心の注意をはらい、ふっくら上品な甘さに炊きあげました。素材の風味が息づくアイスと、香ばしい最中種の絶妙な調和をお楽しみください。
北海道北東部に位置するサロマ湖は、海と川の水が混ざり合う日本最大の汽水湖。地域の漁民たちは「森は海の恋人、川は仲人」を合言葉に、サロマ湖の環境保全に取り組んでいます。その先駆けとなったのが常呂漁業協同組合です。“良質の漁場は健康な森があってこそ”という考えのもと山を購入し、木を植える「森づくり運動」を長年推進しています。サロマ湖の美味しい海産物には、そんな多くの漁民たちの“想い”が込められているのです。
北海道の海産物に精通する<佐藤水産>が、サロマ湖近海の常呂産帆立を使って2種の美味をつくりあげました。ベースにしたのは、鮭といくらを特製タレに漬け込んだ鮭のルイベ漬。今回、この<佐藤水産>の代表商品に帆立を合わせて、旨みたっぷりの「帆立入り鮭ルイベ漬」に仕上げました。ぷりぷりの帆立を山椒のきいたピリ辛ソースで和えた、人気商品「麻辣帆立」との詰合せでお届けします。身が引き締まった帆立でつくった珍味は、ご飯やお酒のお供にぴったりです。
良質の海藻を餌に育ち、身がやわらかく、雑味のない味わいが特徴のサロマ湖の雲丹。この雲丹を使った汐うにのゼリー層に干うにをトッピングし、出汁の香るまろやかな豆乳茶わん蒸しに重ねました。日本三大珍味の一つとも言われる越前仕立ての汐うにの濃厚な味わいを活かした贅沢な一品。この機会にぜひご堪能ください
限りある資源の活用や、地域との共生、先人たちが培ってきた伝統の継承など、つくり手たちの思いがこもった品々を取組みとともにご紹介します。
持続可能な水産養殖に関する国際認証制度「ASC認証」。地球環境だけでなく、その資源や労働者、地域社会に配慮した方法で品質管理を徹底した制度です。愛媛県・由良半島の豊かな天然漁場で育成される「ゆら鯛」の中でも「ASC認証」を取得したものだけを使用し、宇和島の漁師料理「鯛めし」の素として商品化。鯛の刺身を特製のタレにつけ込み、薬味と一緒にご飯にのせて食べる郷土の味わいです。口の中に広がる、特製のタレと脂がのった鯛の旨みを存分にお楽しみください。
新潟県佐渡島の廃校を酒蔵として再生させた〈尾畑酒造〉。朱鷺などの自然との共生を考慮してつくった原料米や、太陽光パネルによる再生可能なエネルギーを導入するなど、地域活性化やサステナブル・ブルワリーを目指した取組みを行っています。深くクリアな味わいのために、大切に育てた米を40%まで精米し醸造した「深静」。ぜひ冷酒でお愉しみください。
※8月1日(木)午前10時からは規模を縮小して承ります。
※20歳未満の方の飲酒は法律で禁止されています。
※価格はすべて税込です。標準税率(10%)と軽減税率(8%)が混在しております。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
※画像は一部イメージです。
※盛り付け例の写真には商品に含まれていないものも入っている場合がございます。
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